検索結果

詳細検索絞り込み

ジャンル

公開日

  • #
  • #

筆者

並び順

検索範囲

検索結果の表示

検索結果 10255 件 / 9881 ~ 9890 件目を表示

女性会計士の奮闘記 【第4話】「お客様の心配事を棚卸する」

女性会計士の奮闘記 【第4話】 「お客様の心配事を棚卸する」   公認会計士・税理士 小長谷 敦子     〈ワンポントアドバイス〉 まずは、時間をかけてお客様の悩みや望み聞いていきましょう。 その際、こちらからお客様の言葉を遮るのではなく、自由にしゃべってもらいます。 また、話を聞く際に、相槌を打ったり頷くことによって、お客様に気分よく安心して本音を語っていただくことができます。 そして、語っていただいたお客様の悩みや望みを経営計画表を使って整理しましょう。 (了)

#No. 16(掲載号)
#小長谷 敦子
2013/04/25

鵜野和夫 平成25年度税制改正を読む④ 「特定居住用宅地の特例」~「家無き子」が取得したとき

鵜野和夫 平成25年度税制改正を読む④ 「特定居住用宅地の特例」 ~「家無き子」が取得したとき~   税理士・不動産鑑定士 鵜野 和夫   (一)   (二)   (三) (注1) 措法69条の4第3項2号ロ、措令40条の2第8項 (注2) 措法39条(相続財産に係る譲渡所得の課税の特例) (連載了)

#No. 16(掲載号)
#鵜野 和夫
2013/04/25

《速報解説》 「特別目的会社の連結範囲等に関する検討の中間取りまとめ」の解説

《速報解説》 「特別目的会社の連結範囲等に関する検討の中間取りまとめ」の解説   公認会計士 阿部 光成   平成25年3月29日、企業会計基準委員会は「特別目的会社の連結範囲等に関する検討の中間取りまとめ」(以下「中間整理」という)を公表した。 中間整理は、特別目的会社に関する連結の取扱いに関する現在までの検討状況について中間的に取りまとめを行ったものであり、論点整理や公開草案のようなコメントの募集は行われていない。 中間整理は大きく分けて、次の論点から構成されている。 以下では、中間整理の概要を述べ、整理の状況について解説を行う。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅰ これまでの検討の経緯 これまでの検討の経緯として、次のことが述べられている。 そして、次の事項に関して現在までの検討状況についての中間的なとりまとめを行ったことについて述べている。 なお、中間整理では、仮にIFRS第10号の支配の考え方を取り入れた場合に生じ得る論点に関して設例に基づく検討を行っているが、これは一定の前提条件に基づくものであり、IFRS第10号の解釈を行うことを意図したものではないことに注意が必要である。   Ⅱ 特別目的会社の連結範囲 1 特別目的会社に対する支配力基準の適用 仮に我が国においてIFRS第10号の支配の考え方を取り入れた場合に、どのような論点が生じ得るかについて、専門委員会で行われた検討事項を述べている。 一定の要件を満たした特別目的会社については、資産を譲渡した企業の子会社に該当しないものと推定するという特別目的会社の連結に関する特則がある(連結会計基準7-2項)。 IFRS第10号では、次の3つの要件をすべて満たすときに、投資先を支配しているとされている(IFRS第10号7項)。この際、IFRS第10号B3項ほかも考慮する。 中間整理では、不動産の流動化(合同会社と匿名組合を用いた場合)、住宅ローンの証券化の例を用いて、IFRS第10号を適用したときの支配について検討している。 2 代理人の取扱い 我が国において、包括的に代理人の取扱いを定めた会計基準はない(連結会計基準49-6項参照)。 中間整理は、IFRS第10号をもとに、代理人の判定について検討を行っている。 意思決定者は、自らが代理人かどうかを決定する際に、意思決定者、管理されている投資先、及び他の当事者との間の全体的な関係、特に以下の4つの要因をすべて検討することが求められている。 中間整理は、不動産の流動化、未公開株式投資を目的とした投資事業組合の例を用いて検討している。 3 会社に準ずる事業体(組合及び信託の取扱い) 我が国の会計基準等では、組合は、法人格はないものの、連結会計基準において会社に準ずる事業体として明示されていることから、連結対象となり得る企業に含まれると解されている。また、信託は、財産管理の制度としての特徴も有しており、通常、会社に準ずる事業体に該当するとはいえない(実務対応報告第23号「信託の会計処理に関する実務上の取扱い」Q2のA3)と解されている。 専門委員会では、次の2つの案を検討していた。 改訂前のIAS第27号「連結及び個別財務諸表」(2008年修正)においては、子会社の定義の中で、パートナーシップ等の法人格のない事業体を含むとされており、IFRS第10号においても同様にパートナーシップ等の法人格のない事業体は子会社の範囲に含まれるといわれている。 IFRS第10号公表(平成23年(2011年)5月)以降、会社に準ずる事業体に関する論点についての検討は進められていない。   Ⅲ 資産の流動化に関する会計基準等の見直し 特別目的会社を利用して流動化した資産がある場合、資産を譲渡した会社の連結財務諸表に引き続き計上されるかどうかについては、対象資産の消滅の認識の判断と、当該特別目的会社を連結範囲に含めるかどうかの判断が必要となる。 資産の消滅の認識要件と特別目的会社の連結範囲との関係をどのように整理するかについては議論のあるところであるが、「連結財務諸表における特別目的会社の取扱い等に関する論点の整理」に対して、特別目的会社の連結範囲と、資産の消滅の認識要件に関する議論は同時になされるべきであるとのコメントが寄せられたため、専門委員会では、金融資産の消滅の認識及び不動産の流動化についても合わせて検討を行っている。 金融資産の消滅の認識については、IFRSにおいて現行モデルが維持されたことから、IFRS第10号の公表前において、仮に現行のIFRS第9号(IAS第39号)の認識中止モデルの考え方を我が国に取り入れた場合に生じ得る論点について検討を行っている。 検討の過程では、IFRS第9号の認識中止モデルに対し、主に以下の懸念が示されている。 このほか、不動産の流動化に関する取扱いに関する検討も述べられている。 IFRS第10号公表(平成23年(2011年)5月)以降、資産の流動化に関する会計基準に関する論点についての検討は進められていない。 (了)

#No. 15(掲載号)
#阿部 光成
2013/04/23

《速報解説》 産業経理協会 「わが国企業における予算制度の実態に関するアンケート調査」の結果を公表~収益性重視がより鮮明に

《速報解説》 産業経理協会 「わが国企業における予算制度の 実態に関するアンケート調査」の結果を公表 ~収益性重視がより鮮明に!   Profession Journal編集部   一般財団法人 産業経理協会は4月12日、2012年11月~12月にかけて実施した「わが国企業における予算制度の実態に関するアンケート調査」の集計結果を公表した。 本調査は、1992年、2002年と10年毎に定期的に実施されてきた調査の3回目にあたるもので、今回のアンケート対象企業は産業経理協会賛助会員企業469社、東証一部・二部上場の協会非賛助会員企業470社の合計939社、回収企業は185社・回収率は19.7%であった。 なお、報告は明治大学・﨑章浩教授、流通経済大学・吉村聡教授、明治大学・大槻晴海准教授が行った。 本調査の目的は、1992年調査、2002年調査と時系列的に比較することにより、わが国企業の予算制度がどのように変化してきているのかを明らかにすることを目的としている。 詳細な分析は今後行われることとなるが、アンケートの集計結果からは、次のような傾向が見られたとされる。 【1992年調査、2002年調査、2012年調査の3調査のいずれにも共通すること】   【2002年調査と2012年調査に共通すること】   【2002年と2012年調査とが異なること】   また、管理手法について、次のような実態が明らかになった。 なお、調査の詳細報告は、4月25日発行「産業経理 第73巻第1号」から4回に分けて掲載される。   (了)

#No. 15(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2013/04/22

小規模宅地等の課税特例の改正とワンポイント

小規模宅地等の 課税特例の改正とワンポイント   税理士 笹岡 宏保   〔1〕 規定の概要(改正前の取扱い) 個人が相続又は遺贈により取得した財産のうちに、当該相続の開始の直前において、当該相続若しくは遺贈に係る被相続人又は当該被相続人と生計を一にしていた当該被相続人の親族(被相続人等)の事業(注1)の用若しくは居住の用に供されていた宅地等(注2)で一定の建物又は構築物の敷地の用に供されているもので一定のもの(注3)がある場合には、当該相続又は遺贈により財産を取得した者に係るすべての特例対象宅地等のうち、当該個人が取得した特例対象宅地等又はその一部でこの特例の規定の適用を受けるものとして選択したもの(選択特例対象宅地等)については、限度面積要件を満たす場合の当該選択特例対象宅地等(小規模宅地等)について、相続税の課税価格に算入すべき価額は、当該小規模宅地等の価額に下記に掲げる図表-1に掲げる小規模宅地等の区分に応じて、それぞれに定める割合を乗じて計算した金額とされている。 (注1) 事業に準ずるものとして相当の対価を得て継続的に行う不動産(土地等又は建物等)の貸付けを含む。 (注2) 土地又は土地の上に存する権利をいう。 (注3) 特定事業用宅地等、特定居住用宅地等、特定同族会社事業用宅地等及び貸付事業用宅地等(特例対象宅地等)に限る。 図表-1 小規模宅地等の区分と課税価格算入割合等   〔2〕 平成25年度における改正項目 (1) 特定居住用宅地等に係る適用限度面積の引上げ ① 改正の内容 特定居住用宅地等に係る特例の適用対象面積(上限)が330㎡(改正前は、240㎡(上記図表-1の(ロ)を参照))に引き上げられることとなった。 ② 適用時期 平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について適用される。 ③ ワンポイント (イ) 特定居住用宅地等の要件を充足する宅地の地積が240㎡超である場合には、改正後の取扱いを適用すると有利となる。 (ロ) 上記(イ)に該当しない場合であっても、特定事業用等宅地等と貸付事業用宅地等を小規模宅地等とする場合には、改正後の取扱いを適用すると有利になる場合が生じる(下記(2)①を参照)。   (2) 選択特例対象宅地等の区分に応ずる適用限度面積の引上げ ① 改正の内容 特例の対象として選択する宅地等のすべてが特定事業用宅地等又は特定同族会社事業用宅地等(これらを総称して、特定事業用等宅地等)及び特定居住用宅地等である場合には、それぞれの適用対象面積(400㎡+330㎡=730㎡)まで適用可能(注)とする。 (注) 改正前は、下記に掲げる【算式-1】に示す要件を充足していることが必要とされていた。 【算式-1】 改正前における限度面積要件(選択特例対象宅地等の区分が複数に及ぶ場合) なお、貸付事業用宅地等を選択する場合における適用対象面積の計算については、改正前における取扱いと同様に調整を行うことが求められており、この取扱いを示すと、下記に掲げる【算式-2】の要件を充足していることが必要とされる。 【算式-2】 改正後における限度面積要件(貸付事業用宅地等を含めて選択特例対象宅地等が複数の区分で選択される場合) ② 適用時期 平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について適用される。 ③ ワンポイント (イ) 小規模宅地等の課税特例の適用上限地積は、改正前は400㎡であったが、改正後は最大730㎡(特定事業用等宅地等(400㎡)及び特定居住用宅地等(330㎡)を選択)となる。 (ロ) 貸付事業用宅地等を選択特例対象宅地等とする場合には、従来どおり、一定の調整計算が求められることから、改正後における小規模宅地等の選択は、従前以上に変動要素が増加し、納税者に有利な選択肢を巡って、慎重な判断が求められることになる。   (3) 1棟の二世帯住宅の敷地に係る特定居住用宅地等の適用 ① 改正の内容 1棟の二世帯住宅で構造上区分のあるものについて、被相続人及びその親族が各独立部分に居住していた場合には、その親族が相続又は遺贈により取得したその敷地の用に供されていた宅地等のうち、被相続人及びその親族が居住していた部分に対応する部分を特例の対象とする旨の取扱いを条文として新設する。 ② 適用時期 平成26年1月1日以後に相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について適用される。 ③ ワンポイント 戸建型(1棟)の二世帯住宅については、改正によって特定居住用宅地等に該当する事例(又は該当する部分の面積)の増加が想定される。   (4) 被相続人が老人ホームに入所していた場合における留守宅の敷地に対する特例の適用 ① 改正の内容 老人ホームに入所したことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋の敷地の用に供されていた宅地等は、次の要件が満たされる場合に限り、相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものとして特例を適用する旨の取扱いを条文として新設(注)する。 (イ) 被相続人に介護が必要なため入所したものであること (ロ) 当該家屋が貸付け等の用途に供されていないこと (注) 改正前の取扱いでは、条文としての明確な取扱いは規定されておらず、下記【参考】に掲げる課税実務上の取扱い(運用)が示されていた。   ② 適用時期 平成26年1月1日以後に相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について適用される。 ③ ワンポイント 従来より論点とされていた被相続人が老人ホームに入所していた場合の留守宅の敷地問題(これに関しては、裁決及び裁判例が多数存在する)が条文化され、かつ、いわゆる所有権(又は終身利用権)の取得を要件とはしないこととされたため、実務上では大きな前進であると考えられる。 (了)

#No. 15(掲載号)
#笹岡 宏保
2013/04/18

所有権移転外リース取引に係る会計と税務の取扱い

所有権移転外リース取引に係る 会計と税務の取扱い   公認会計士 浅野 充昌   Question 当社は、製造業を行っている3月決算法人であり、平成24年4月1日に、事務用に使用するコピー機1台を、リース料総額300万円(税抜)で取得しました。これはリース期間が5年で、企業会計上の「所有権移転外ファイナンス・リース取引」、税務上の「所有権移転外リース取引」に該当するものです。 当社は企業会計基準に則り、次のように賃貸借処理を行っていますが、税務上の取扱い等について、会計と異なる点があれば教えて下さい。 Answer 企業会計上、所有権移転外ファイナンス・リース取引は売買処理を行うことが原則とされている。ただし、一定の重要性のないリース取引である場合は、賃貸借処理をすることも認められており、ご質問のリース取引は、賃貸借処理が認められる取引となる。 一方、法人税法上では、所有権移転外リース取引は、売買があったものとして取り扱われる。なお、ご質問の取引のリース資産に係る減価償却については、結果として賃借料と金額が一致するため、申告調整は不要である。 また、消費税の取扱いについては、資産の譲渡しがあった期に一括して課税仕入れを計上することとなる。ただし、所有権移転外リース取引については、国税庁の質疑応答事例において、リース料を支払った期の課税仕入れとすることも差し支えないとされている。   1 企業会計上の取扱い 企業会計上、所有権移転外ファイナンス・リース取引により取得した資産は、原則として、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行うこととされている(リース取引に関する会計基準(以下「基準」)9)。 したがって、リース取引開始時に、リース物件とこれに係る債務を、リース資産及びリース債務として計上する必要がある。 しかし、賃借人においては、所有権移転外ファイナンス・リース取引により取得した資産であっても、次の要件のいずれかを満たす場合には、個々のリース資産に重要性が乏しいと認められ、例外的にオペレーティング・リース取引の会計処理に準じて、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことができる(リース取引に関する会計基準の適用指針(以下「適用指針」)34・35)。 ここで、①の要件の「重要性が乏しい減価償却資産」とは、減価償却資産のうち、企業が社内規程で消耗品費や備品費等として費用で処理するとした少額な資産であり、その基準額は、企業独自の重要性の判断により設定できるが、申告調整等の兼合いから、一般的に税法上一括費用処理ができる金額以下とされることが多い。また、基準となる金額の判断に関しては、個々の物件単位で判断される(適用指針34・118)。 一方、③の要件の「企業の事業内容に照らして重要性の乏しいリース取引」とは、コピー機やプリンターなどの事務用機器等で、資産の性質的に重要性が低いものを示しており、基準となる金額の判断に際しては契約単位で判断される(適用指針34・117)。 ご質問の取引は、リース契約のリース料総額が300万円以下であり、また、事業内容に照らして重要性が低い事務用機器のリース取引であるため、上記要件③に該当し、賃借人側で賃貸借処理することが認められる。   2 法人税法上の取扱い (1) 取扱い 法人税法においては、税務上の所有権移転外リース取引のうち「実質的に金銭の賃借と認められる」もの以外のリース取引は、賃貸人と賃借人のいずれにおいても売買があったものとして取り扱われる(法法64の2①②、法令48の2⑤五、法基通7-6の2-1~7-6の2-8)。また、企業会計とは異なり、賃貸借処理を認める規定はない。 したがって、ご質問の取引の賃借人側の処理は、リース資産の取得時にリース料総額である300万円の資産を取得したものとして(法基通7-6の2-9)、次の①の処理をすることとなる。 なお、リース期間中のリース料の支払いは、未払金債務の支払いとして次の②の処理となる。 (2) 減価償却 ① 償却方法 上記(1)の売買とされるリース取引を行った場合、取得した資産についての減価償却方法は、所有権移転外リース取引については、リース期間定額法しか認められていない(法令48の2①六・⑤四)。 したがってご質問のリース取引により取得した資産の場合、耐用年数を5年、残存価額をゼロとして減価償却費を計算するため、次のようになる。 なお、所有権移転外リース取引により取得した資産については、圧縮記帳や特別償却等の制度の適用はできない。ただし、取得価額が30万円未満の減価償却資産を一括して損金経理した場合は、中小企業者の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例は適用が可能である。 ② 企業会計上賃貸借処理を行った場合の申告調整 企業会計上において賃貸借処理をしているご質問のような場合には、減価償却費として処理されている金額がないことになってしまうが、複雑な申告調整が生じないように、リース資産につき賃借人が賃借料として損金経理した金額は、償却費として損金経理をした金額に含まれるものとされている(法令131の2③)。 また、「減価償却に関する明細書」の添付について、賃借料の額と償却費が一致している場合には、提出義務はないこととされている(法令63①括弧書)が、リース料の支払額が均等払いでない場合など、償却限度額に相違がある場合には申告調整が必要となるため、当然に添付が必要である。 ご質問のケースは、上記①で示したように、賃借料とリース期間定額法により計算される償却限度額とが一致しており、課税所得に影響を与えないため、申告調整の必要はない。   3 消費税法 (1) 取扱い 消費税法においては、上記2(1)のリース取引に係る資産の課税仕入れの時期は、リース資産の引渡し等を受けた日の属する課税期間とされている(以下「一括控除」とする)(消法30①、消基通11-3-2)。 ご質問の取引を一括控除で考えた場合、仮払消費税を次のように処理し、コピー機(300万円)を取得した日の属する課税期間において、15万円の課税仕入れを認識することになる。 ただし、所有権移転外リース取引については、国税庁の質疑応答事例において、賃借人が賃貸借処理をしている場合で、そのリース料について支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れ等として消費税の申告しているときには、そのリース料について支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れとして処理する(以下「分割控除」とする)ことは差し支えないとしている。 したがって、ご質問の取引については、賃貸借処理をしているので、各課税期間において支払ったリース料を課税仕入れとして認識することも可能である。 その場合には、リース料(60万円)の支払いを行った日の属する課税期間において仮払消費税を次のように処理し、その期の課税仕入れを認識する。 (2) 消費税法改正の影響 消費税法が一部改正され、平成26年4月1日(以下「施行日」という)以降に適用される税率が5%から8%に変更されることとなった。 上記(1)で言及した分割控除を認めている国税庁の質疑応答の趣旨は、「事業者の経理実務の簡便性という観点」であり、賃貸借処理を認めたわけではない。したがって、ご質問のリース取引を分割控除で処理した場合であっても、法人税法上は売買取引となるため、リース資産の引渡しが施行日前であるときは、リース期間を通して、資産の引渡し等を受けた日の属する課税期間の税率である5%を適用することになると考える。 (了)

#No. 15(掲載号)
#浅野 充昌
2013/04/18

企業不正と税務調査 【第6回】「経営者による不正」 (3)不正防止・発見のための手法と防止策

企業不正と税務調査 【第6回】 「経営者による不正」 (3) 不正防止・発見のための 手法と防止策   税理士・公認不正検査士(CFE) 米澤 勝   ここまで2回にわたり、経営者による典型的な脱税・裏金作りスキームとして、売上の一部を除外する事例と、架空(水増し)人件費を計上する事例を、これらの手口と税務調査により発覚するプロセスを中心に見てきた。ここでは、こうした経営者・組織トップが主導する不正について、 の3つのパターンで、税務調査により不正が発覚する前に、こうした行為を止めさせるためにはどうすべきかを検討したい。 もちろん、上記1から3の発見者たちには、「質問検査権」という税務調査における大きな武器はなく、経営者の不正を暴くことが自らの収入を途絶えさせることを意味する場合も少なくない。しかし、不正(脱税)が発覚して、資金繰りや風評被害により、事業継続が困難になってしまうことも十分に考えられ、決して看過しておいていいというものではない。   1 管理部門社員による経営者不正の発見 経営者である社長、又はその一族が、出納業務をはじめ、一切の経理業務を行っている場合、他の従業員には、経営者の不正を発見することは困難である。 一方、出納業務を任されている従業員であれば、遅かれ早かれ、社長による売上除外や架空人件費の計上に気付くことになる。説明のつかない入出金、不可解な金銭の流れなどを目にしたとき、彼らはどうすべきか。 そうした端緒に気付いたとしたら、経営者の不正を止めさせることができる者・部門に対して、これを通報することを検討したい。親会社の管理部門・内部監査部門に話を持ちかける、あるいは、監査役や顧問税理士に相談することも有用であるかもしれない。 心がけたいのは、 の2点である。   2 顧問税理士・会計士による不正発見 中小企業の経営者不正の発見に最も近い位置にいるのが、顧問税理士・会計士である。とはいえ、顧問税理士といっても、月次決算などの業務のため月1回会社を訪問するくらいでは、経営者による売上の一部除外を発見するのは容易ではない。 まずは、経営者に対し、脱税が割に合わない犯罪であることを訴え、あるいは、新聞で報道されている事例を解説するなどして、たとえ、顧問税理士の目をごまかすことはできても税務調査では発覚することを理解させることにより、不正を未然に防ぐことが肝要である。 (1) 売上除外を防ぐ対策 売上除外などの不正防止のためには、原価管理、在庫管理を適正に行わせることを推進したい。 上記に示したような一連の提案は、経営者に対しては、取扱品目ごとの損益分析、在庫の適正化が損益改善につながることを説明し、あくまで会社の利益を増加するための施策であること理解させる必要がある。 結果として、経営者不正の防止・抑止効果が発現されることを期待したい。 (2) 架空・水増し人件費による不正を防ぐ対策 架空・水増し人件費の計上による不正については、従業員の給与計算や年末調整を通じて不審な点・違和感がないかを常に問いかける必要がある。 前回説明したように、この類型の不正は税務調査によって間違いなく発見され、仮装・隠ぺい行為に該当するとして、重加算税の賦課決定処分が課されるためである。 こうした確認は、不正発見のためというよりは、顧問税理士として当然の注意義務であることは言うまでもない。 (3) 従業員からの通報を受けた場合 不正に気付いた従業員から相談を持ちかけられた場合には、公益通報者保護法の趣旨を鑑み、従業員に被害が及ばないような(従業員の匿名性を守る)方法で、従業員の証言の裏付けを取り、経営者不正の証拠を収集する必要がある。 まずは、経営者に秘して、関連する資料の提示を求め、不審感を抱いた点を聞き、不正が行われているかどうか、判断を行う必要がある。その結果、経営者不正の疑いが濃いという結論を得た場合には、あくまでも、税理士自身が業務の中で得た違和感に基づき、不審点を質問するという形で、経営者と対峙しなければならない。 (4) 経営者をどう追及するか 不正であることを確信できる証拠を得た場合には、いかにして経営者に正を認めさせ、不正を改めさせるかが課題となる。 そのとき、強調しなければならないのは、 である。そして、税務調査で発覚する前に過去の不正を改めれば、刑事罰はもちろん、加算税などの行政罰も緩和され、また、変な噂(風評被害)にさらされることも避けられる。 このように、過去の申告内容を訂正しなかった場合のデメリットと、訂正した場合のメリットを説明し、訂正による負担額の見積を示したうえで、説得を行うことになろう。 経営者が頑として不正の存在を認めないとき、不正を認めても過年度決算の修正に応じないときは、辞任することを決断せざるを得ない事態になるかもしれない。   3 内部監査部門による不正発見 金融商品取引法に規定する内部統制システムの構築・運用が浸透するにつれ、企業不祥事の発生は、上場している親会社ではなく、その子会社、海外子会社によるものが多くなっている。親会社の内部監査部門には、自社のみならず、グループ企業の経営者による不正を防止し、早期に発見することが求められていることを念頭に置いて、監査を行う必要がある。 そこでの視点は、やはり、「機会があれば、人間は不正を働くものだ」という考えに立って、どこに不正を働く余地があるかを見きわめ、どういう牽制機能があるのか、不正の兆候はないかといったことを発見することを考えるべきであろう。 管理部門の人員構成に余裕のある上場会社と比べ、子会社では、経営トップに権限が集中していたり、一人の人間が受注・発注業務の双方をこなしていたりするなど、職務分掌ができていない場合も多い。子会社における業務プロセスのどこにリスクがあるかを往査前に分析しておき、統制が効かなくなる場面を想定して、往査に臨みたい。 例えば、税務調査を真似して、無予告で監査を行うことは検討に値する。すべての監査を無予告で行う必要はないが、現金を扱う機会が多い部門に対して、「無予告で監査が来るかもしれない」と思わせるだけで、十分な牽制機能が発現されることもあり得よう。 また、不正が発覚した上場会社が公表している「調査報告書」は、格好のテキストであり、ぜひ、監査部門全体で報告書を読み、ディスカッションを通じて、自社(自社グループ)に同様の不正が行われている可能性はないか、あるとすればどこの部署か、当該部署に対する監査はどのように行われてきたかなどを、具体的に検討することにより、不正発見につなげることが可能である。 次回より、従業員による不正の手法とその防止策について取り上げる。 (了)

#No. 15(掲載号)
#米澤 勝
2013/04/18

〔平成25年4月1日以後開始事業年度から適用〕 過大支払利子税制─企業戦略への影響と対策─ 【第7回】「他規定との調整方法」

〔平成25年4月1日以後開始事業年度から適用〕 過大支払利子税制 ─企業戦略への影響と対策─ 【第7回】 「他規定との調整方法」   アースタックス税理士法人 税理士 中村 武   前回までにおいて、本制度における「損金不算入額」計算と、本制度のもう一つの特徴である、翌年度以降の「超過利子額(損金不算入額の繰越額)の損金算入」の規定に関するポイントを解説した。 今回は、本制度の導入に伴う、他規定との主要な調整項目である「外国子会社合算税制等との二重課税調整」及び「過小資本税制との調整」について解説を行う。   1 外国子会社合算税制等との調整I(損金不算入額の調整) 法人の事業年度における本制度により損金不算入とされる金額のうちに調整対象金額がある場合において、その事業年度(以下「調整事業年度」)に特定外国子会社等に係る課税対象金額又は部分課税対象金額(その課税対象金額に係る適用対象金額又はその部分課税対象金額に係る部分適用対象金額の計算上、その調整対象金額に係る関連者支払利子等の額が含まれるものに限る)があるときは、調整事業年度において本制度により損金不算入とされる金額のうち、その調整対象金額と、その特定外国子会社等に係る課税対象金額又は部分課税対象金額のうちいずれか少ない金額を、調整事業年度において本制度により損金不算入とされる金額から減算する(措法66の5の2⑧、措令39の13の2⑲)。 〈ポイント1〉 調整の趣旨 外国子会社合算税制の適用の対象となる特定外国子会社等に支払う利子を有する法人において、本制度により損金不算入とされる金額がある場合、その利子の支払いを受けた特定外国子会社等の所得相当額が外国子会社合算税制による合算課税の対象となり、かつ、法人が支払う利子について損金算入が認められないこととなり、二重課税の状態が生じるため、本制度との調整が必要となる。 〔イメージ図〕 上記イメージ図のとおり、内国法人Aから特定外国子会社等Bに支払う関連者支払利子等は、本制度により損金不算入とされ、また、当該利子を受けた特定子会社等の所得金額が合算課税の対象となり、二重課税が生じるため調整が必要となる。 〈ポイント2〉 調整後の損金不算入額 本制度の規定により計算をした損金不算入額のうちに調整対象金額があり、かつ、特定外国子会社等に係る合算対象金額がある事業年度における本制度の損金不算入額は、次の算式により計算した金額となる。 (注) 調整対象金額とは、次の算式により計算した金額となる   2 外国子会社合算税制等との調整Ⅱ(調整対象超過利子額の損金算入) 法人の各事業年度開始の日前7年以内に開始した事業年度において生じた超過利子額のうちに調整対象超過利子額がある場合において、その法人のその各事業年度にその特定外国子会社等に係る課税対象金額又は部分課税対象金額があるときは、その調整対象超過利子額と、調整事業年度における特定外国子会社等に係る課税対象金額又は部分課税対象金額のうちいずれか少ない金額を、その法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する(措法66の5の2⑧、措令39の13の2⑲)。 〈ポイント1〉 調整の趣旨 次のイメージ図にあるように、対象事業年度に係る超過利子額を有する内国法人Aが、その対象事業年度の期間を含む特定外国子会社等Bの特定子法人事業年度について外国子会社合算税制等の適用を受けるときは、二重課税が生じるため、所要の調整が必要となる。 〔イメージ図〕 〈ポイント2〉 損金算入額 特定子法人に係る合算対象金額がある事業年度において、その調整事業年度開始の日前7年以内に開始した事業年度に生じた超過利子額のうちに調整対象超過利子額がある場合には、以下のうちいずれか少ない金額を、損金の額に算入する。 (注) 調整対象超過利子額とは、次の算式により計算した金額となる 〈ポイント3〉 適用要件 この措置は、前回解説した超過利子額の損金算入の規定と同様に、以下の申告要件を満たす必要があり、この規定の適用を受けようとする事業年度だけでなく、超過利子額が発生した過年度の申告書に超過利子額に関する明細書の添付が必要とされていることに留意が必要である。 この規定は、超過利子額に係る事業年度のうち最も古い事業年度以後の各事業年度の確定申告書にその超過利子額に関する明細書の添付があり、かつ、この措置の適用を受けようとする事業年度の確定申告書に、適用を受ける金額の申告の記載及びその計算に関する明細書の添付がある場合に限り適用する。 この場合において、これらの規定の適用を受ける金額は、当該申告に係るその適用を受けるべき金額に限るものとする(措法66の5の3⑧)。   3 過小資本税制との調整 法人のその事業年度に係る過大支払利子税制により計算された金額が、その事業年度に係る過小資本税制により計算された金額以下となる場合には、過大支払利子税制の規定の適用はない(措法66の5の2⑦)。 また、過小資本税制により計算された金額が、その事業年度に係る過大支払利子税制により計算された金額を下回る場合には、過小資本税制の適用はない(措法66の5④⑩)。 〈ポイント1〉 損金不算入額が大きい制度が適用 過大支払利子税制と過小資本税制の双方で損金不算入額が計算される場合には、いずれか損金不算入金額が大きい制度が適用されることとなる(過大支払利子税制は過小資本税制を補完するものであるため)。 したがって、両規定の適用が考えられる場合には、それぞれの損金不算入額を計算する必要がある。 〈ポイント2〉 超過利子額の繰越しについて 過大支払利子税制の損金算入額が過小資本税制の損金不算入額より大きい場合には、過大支払利子税制が適用されるため、その損金不算入額の全額について繰越しができる。 反対に、過小資本税制の損金算入額が過大支払利子税制の損金不算入額より大きい場合には、過小資本税制が適用されるため、超過利子額の繰越しの適用はないことに留意が必要である。 *  *  * 以上の通り、今回は本制度導入に伴う、他規定との主要な調整項目について解説を行った。 本連載の最終回となる次回(第8回)においては、本制度導入による既存案件への影響及び対策について考察を行う。 (了)

#No. 15(掲載号)
#中村 武
2013/04/18

法人税の解釈をめぐる論点整理 《寄附金》編 【第3回】

法人税の解釈をめぐる論点整理 《寄附金》編 【第3回】   弁護士 木村 浩之   (前回はこちら) 5 対価性の有無等 (1) 総論 法人が行う取引のうち、対価性のない取引によって支出等するものについては、広告宣伝費等の営業経費に属するもの及び貸倒損失等の任意性のないものを除き、寄附金に該当することになる。対価性はあるとしても、それが不均衡な取引(低廉取引)によって負担することになる適正な対価との差額部分についても、それが実質的な贈与であるとみられる場合には、同様に寄附金に該当することになる。 ここでいう対価性とは、相手方からの反対給付を意味しており、取引に伴う相手方からの反対給付が何もない場合(これには反対給付の経済的価値が極端に小さい場合も含まれる)には、対価性のない取引として、自己が支出等するものの全額が寄附金に該当する。また、反対給付があるとしても、その経済的価値が自己の支出等よりも小さい場合には、その差額が寄附金に該当する。 この対価性の有無及び対価の相当性を判断するに当たっては、一般には、取引における一側面のみを切り出して形式的にとらえるのではなく、取引全体を実質的にみて判断すべきであるといえる。その際のポイントをいくつか挙げるとすれば、次のようなものとなる。 以下、それぞれについて解説する。   (2) 牽連関係について 単体取引でみれば、対価性のない、あるいは対価の均衡の取れない不均衡な取引であったとしても、複数の取引全体でみれば、対価の均衡が取れている場合がある。そのような場合には、それらの複数の取引に牽連関係があると認められる限りにおいては、実質的な対価性が肯定されるのであり、寄附金には該当しないと考えられる。 例えば、部品の製造販売を受発注する場合、材料を安く供給する代わりに、製品を安く販売するということがある。この場合、各取引を単体でみれば対価の均衡は取れていないが、取引全体でみれば対価の均衡が取れていることがあり得るのであり、そのような場合には、各取引がそれぞれ低廉取引として寄附金に該当するものではないと解される。 ただし、この牽連関係の有無については、実務上、非常に問題となりやすいといえることから、通常は、単体の取引ごとに対価の均衡の取れた契約等をした上で、必要に応じて代金の相殺処理をすることが望ましいといえる。契約等で明確に対価を設定することができず、相殺処理が可能でない場合であっても、複数の取引に牽連関係があることを説明できるように契約書等で明らかにしておくことが望ましい。 このように、対価性の有無等を判断するに当たっては、牽連関係がある取引全体を観察することが第一のポイントとなる。   (3) 実質的な反対給付について 形式的にみれば反対給付がないようにみえる場合であっても、実質的な観点から支出等に見合うだけの便益を享受するものとみられるのであれば(裏を返せば、相手方に相応の負担があるとみられるのであれば)、反対給付を観念できるのであり、寄附金には該当しない。 一見すれば無償行為であるかのようにみえても、通常の営利を目的した法人の場合は、何らの合理的な理由なくして第三者に対して無償行為をすることは考えにくいのであり、実際には何らかの反対給付を受けていることが多い。税務調査などにおいては、そのような場合に、実質的な反対給付の有無をめぐって争われることが多い。 そこで、対価性の有無等を判断するに当たっては、取引に伴う権利義務関係を詳細に分析し、実質的な反対給付の有無を検討することが第二のポイントとなる。以下では、参考までに、そのような例をいくつか挙げることとしたい。 ア 不動産賃貸借に関連した便益の提供 不動産の賃借人が当該不動産の価値を向上させる改良工事の費用を一部又は全部を負担する場合には、所有者である賃貸人の利益になる無償行為として、寄附金に該当するようにもみえる。しかしながら、実際には、改良工事によって賃料が増額されるわけでもない限り、相手方においても改良部分の無償使用を認めるという実質的な反対給付を観念できるのであるから、その便益と負担とが均衡している限り、寄附金には該当しないと考えられる(ただし、便益が将来にわたって継続する場合には、繰延資産等として償却処理することになる)。 逆に、賃貸人が賃借人に便益を提供するものとして、例えば、一定のフリーレント(無料賃貸)期間を設定する場合がある。これについても、何らの対価も得ない無償行為として、寄附金に該当するようにもみえる。しかしながら、実際には、その設定に伴い、賃借人に対する一定の拘束がなされる(例えば、中途解約時にはフリーレント期間の賃料相当の返還義務が規定される)ことが通常であるので、そのような場合には、実質的な反対給付を観念できるのであるから、寄附金には該当しないことになる。 イ 出向者給与の負担 関連会社に出向した者に対する給与について、出向元法人がその一部を負担する場合がある。出向者に対する給与については、本来、出向先法人が負担すべきものであり、その一部を出向元法人が負担することは、出向元法人から出向先法人に対する寄附金に該当するようにもみえる。 しかしながら、出向元法人としても、出向者との雇用契約に基づいて便益を受け得る立場にあることから、その負担に合理的な理由がある場合には、それはまさに出向者に対する実質的な給与であり、寄附金には該当しない。ここでいう合理的な理由には、出向元法人が直接的な利益を受けることに対する負担であること、雇用関係に基づく義務的な支出としての負担であることなどが挙げられる。 この点、通達では、出向元法人と出向先法人との給与条件に較差がある場合に、出向元法人が較差補てんのために支給する給与の損金算入を認めている(法基通9-2-47参照)。もっとも、必ずしもそのような場合に限られず、雇用関係から派生して、従前の労働条件を保持すべき義務に基づいて負担するもの(雇用関係に基づく義務的な支出としての負担)と認められる限りにおいては、出向者に対する給与として寄附金には該当しないと考えられる。 ウ 会費等の拠出 同業者団体や地域団体に対する会費、負担金、分担金などの名目で支出するものについて、その対価関係が不明確な場合には、無償行為として寄附金に該当するようにもみえる。しかしながら、その支出が事業遂行上の必要に基づき、一定の便益を享受するためのものであれば、実質的な反対給付を観念できるのであるから、その便益と負担とが均衡している限り、寄附金には該当しないことになる。 ただし、会費等の支出が単に親睦を図ることを目的とする場合には、交際費等に該当することになる(【第1回】3(2)参照)。また、便益が将来にわたって継続する場合には、繰延資産等として償却処理することになる。 次回は対価性の有無をめぐる3つ目のポイントとなる「価格設定の合理性」について整理したい。 (了)

#No. 15(掲載号)
#木村 浩之
2013/04/18

組織再編税制における不確定概念 【第6回】「意図的な含み損の実現」

組織再編税制における不確定概念 【第6回】 「意図的な含み損の実現」   公認会計士 佐藤 信祐   平成22年度税制改正によりグループ法人税制が導入され、完全支配関係のある内国法人間で資産を譲渡した場合には、譲渡損益が繰り延べられることになった。 そのため、完全支配関係のある内国法人間で含み損のある資産を譲渡することにより譲渡損失を実現する行為については、グループ法人税制の導入により制約を受けることになった。 しかしながら、グループ法人税制は、完全支配関係のある内国法人の間で資産を譲渡した場合にのみ適用されるため、それ以外の者に対する資産の譲渡については適用されない。 本稿では、グループ法人税制が導入された後における資産の含み損の実現について、租税回避行為として認定されるか否かについて解説を行う。   1 基本的な論点 資産の含み損を実現させる目的で、グループ会社に対して資産を譲渡することにより譲渡損失を認識する行為に対応するために、平成22年度税制改正により、グループ法人税制が導入され、完全支配関係のある内国法人間における資産の譲渡については譲渡損益が繰り延べられることになり(法法61の13①)、非適格組織再編成に伴う資産の譲渡についても同様に譲渡損益が繰り延べられることになった。 さらに、完全支配関係のある内国法人間における非適格株式交換や非適格株式移転についても、時価評価課税の対象から除外されることになった(法法62の9)。 そのため、現行法上、含み損を実現させるためだけの資産の譲渡や組織再編成については一定の制約が設けられているものの、50%超100%未満グループ内における内国法人間の資産の譲渡、支配関係又は完全支配関係のある外国法人に対する資産の譲渡、自然人に対する資産の譲渡については、グループ法人税制の対象外となっていることから、資産の含み損を実現させるためだけの資産の譲渡が行われる可能性は否めない。 そのため、そもそも資産の含み損を実現させるためだけの行為について、税務上、租税回避行為に該当するのか否かという点が問題となり得る。 まず、考えられる否認手法としては、形式的な事実関係と真実の事実関係が異なるものとして否認する手法が考えられる。具体的には、形式的には資産が移転しているように見えるが、実際には、資産が移転していないとして否認する手法である。 さらに、考えられる手法としては、同族会社等の行為計算の否認により否認する手法である。   2 一般的な否認手法 (1) 形式的な事実関係と真実の事実関係が異なるものとして否認する手法 まず、課税当局が否認をするとしたら、形式的な事実関係と真実の事実関係が異なるものとして否認をすることになると考えられる。 すなわち、実質主義や私法上の法律構成による否認論を利用した否認である。 しかしながら、金子宏教授がその著書で解説したように、「納税者が行ったと主張する、税負担の免除・軽減をもたらす私法上の行為ないし取引が、私法上の真実の法律関係に合致しているように見える場合であっても、疑問のある場合には私法上の真実の法律関係に立ち入って、その行為が本当に行われたか否か、行われなかったとした場合に真実にはどのような行為が行われたのかを認定しなければならないことはいうまでもない。たとえば、税負担を軽減すると目される行為や取引が仮装行為であって、真実には存在しないと認定される場合には、それに即した法的効果は生じず、したがって税負担の免除ないし軽減の効果も生じない。したがって、この場合には法現象として租税回避の否認と同じ結果が生ずるが、法理論上は、これは私法上の真実の法律関係に即した課税であって、租税回避の否認ではない。ただし、何が私法上の真実の法律関係であるかの認定は、取引当事者の効果意思に即して、きわめて慎重に行われるべきであって、「私法上の法律構成」の名のもとに、仮にも真実の法律関係から離れて、法律関係を構成しなおすことは許されない」(金子宏著『租税法(第17版)』弘文堂、125頁)という点に留意が必要である。 すなわち、登記上だけ資産が移転しており、実際には資産が移転していないのであれば、形式的な事実関係と真実の事実関係が異なるものとして否認することは可能であろうが、真実の事実関係として、資産が移転しているのであれば、たとえ、法人税の負担を減少させる目的で行われた取引であっても、実質主義や私法上の法律構成による否認論により否認することはできない。 したがって、税務調査においても、譲渡価額の妥当性については議論になりやすいものの、租税回避行為として否認するという議論は生じにくい。 この点については、会計上、「関係会社間の取引に係る土地・設備等の売却益の計上についての監査上の取扱い(監査委員会報告第27号)」において、譲渡益の計上が認められるか否かについては、以下の点を総合的に判断すべきであることが明らかにされているため、法人税法上の判断も、これを満たしていれば、形式的な事実関係と真実の事実関係が異なるものとして否認を受けることがないと考えることが多い。 (2) 同族会社等の行為計算の否認の検討 形式的な事実関係と真実の事実関係が異なるものとして否認することが困難である場合には、法人税法132条に規定する同族会社等の行為計算の否認が課されるリスクがどのくらいあるのかを検討することになる。 すなわち、経済合理性が認められない資産の譲渡については、経済人として不合理不自然であることから、譲渡損の計上を認めるべきではないという否認がなされるか否かという点である。 しかしながら、形式的な事実関係だけでなく、真実の事実関係においても、資産が移転しているという状態であるにもかかわらず、資産が移転していなかったものとして否認することは可能であろうか。 同族会社等の行為計算の否認については、納税者の法律行為を引き直す(私法上、真正に成立している法律関係を別のものに組み替えた上で、租税法を適用する)効果があるとはいえ、資産が移転しているという事実関係を否定するのであれば、将来において、どのような事実関係が積み重ねられれば資産の移転が行われたものとみなすことができるのか(すなわち、認容減算することができるのか)については、資産を譲り受けた法人が転売した時点と言わざるを得ない。 同族会社等の行為計算の否認が設けられた当初においては、会計制度が未発達であり、かつ、法人税法に係る条文が未整備だったこともあり、そのような否認も考えられたであろうが、現在においては、法人税法に係る裁決事例、判例が積み重ねられてきていることから、それと比較したとしても、このようなケースについてまで経済人として不合理不自然な行為であるとして否認を行うことは難しいと考えられる。 そのため、実務上は、「関係会社間の取引に係る土地・設備等の売却益の計上についての監査上の取扱い」による判断に委ねざるを得なくなるのではないかと考えられる。   3 100%外しに対する否認手法 グループ法人税制は、完全支配関係のある内国法人間における資産の譲渡のみに対して適用されるものであることから、譲渡法人又は譲受法人の発行済株式の一部をグループ外の者に取得させることにより、完全支配関係を外した上で、資産を譲渡するという手法が考えられ、従業員持株会などはその場合に有効に機能すると考えられる。 しかしながら、名義株と認定されてしまった場合には、実際の所有者により判定を行うことになり、結果として否認を受けてしまう可能性があるという点に留意が必要である(法基通1-3の2-1)。 (了)

#No. 15(掲載号)
#佐藤 信祐
2013/04/18
#