公開日: 2013/06/20 (掲載号:No.24)
文字サイズ

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載24〕 判決により取扱いが変更となった通達改正に係る事案の更正の請求

筆者: 小林 磨寿美

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載24〕

判決により取扱いが変更となった

通達改正に係る事案の更正の請求

 

税理士 小林 磨寿美

 

平成25年2月28日、東京高裁(平成24年3月2日東京地裁)において、平成16年の相続事案について、平成2年の通達改正において定めた大会社における株式保有特定会社の判定基準を株式保有割合25%以上とした取扱いを適用することは、平成9年の独禁法改正以後の平成15年の大法人の株式保有割合の実情16.31%(平成元年度7.38%)であることを考慮すると、合理的でないとした判決が確定した。

国税庁はこの判決を受け財産評価基本通達189(2)を改正し、大会社の株式保有特定会社の判定基準を株式保有割合「25%以上」から「50%以上」とした改正通達を、平成25年5月28日に発遣し、ホームページ上にて5月31日に公表した。

 

1 通達の有利改正と更正の請求

『「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)(平成25年5月28日)(平成25年5月31日)』の別添の「あらまし」では、この改正通達の適用時期として、「本改正に係る改正後の評価通達(大会社の判定基準)は、平成25年5月27日以後に相続、遺贈又は贈与(以下「相続等」という。)により取得した財産を評価する場合に適用するほか、本改正が判決に伴うものであり、過去の相続税等についても、通則法第23条第2項第3号の規定に基づき更正の請求をすることができる(注)ことを踏まえ、平成25年5月27日以後に相続税等の申告をする者が、平成25年5月27日前に相続等により取得した財産を評価する場合にも適用することができる。」としている。

つまりは、平成25年5月27日以後の相続税等の申告について、この改正を適用することができることに加え、通則法第23条第2項第3号の規定に基づき、過去の相続税等についても更正の請求をすることができることを明らかにしている。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載24〕

判決により取扱いが変更となった

通達改正に係る事案の更正の請求

 

税理士 小林 磨寿美

 

平成25年2月28日、東京高裁(平成24年3月2日東京地裁)において、平成16年の相続事案について、平成2年の通達改正において定めた大会社における株式保有特定会社の判定基準を株式保有割合25%以上とした取扱いを適用することは、平成9年の独禁法改正以後の平成15年の大法人の株式保有割合の実情16.31%(平成元年度7.38%)であることを考慮すると、合理的でないとした判決が確定した。

国税庁はこの判決を受け財産評価基本通達189(2)を改正し、大会社の株式保有特定会社の判定基準を株式保有割合「25%以上」から「50%以上」とした改正通達を、平成25年5月28日に発遣し、ホームページ上にて5月31日に公表した。

 

1 通達の有利改正と更正の請求

『「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)(平成25年5月28日)(平成25年5月31日)』の別添の「あらまし」では、この改正通達の適用時期として、「本改正に係る改正後の評価通達(大会社の判定基準)は、平成25年5月27日以後に相続、遺贈又は贈与(以下「相続等」という。)により取得した財産を評価する場合に適用するほか、本改正が判決に伴うものであり、過去の相続税等についても、通則法第23条第2項第3号の規定に基づき更正の請求をすることができる(注)ことを踏まえ、平成25年5月27日以後に相続税等の申告をする者が、平成25年5月27日前に相続等により取得した財産を評価する場合にも適用することができる。」としている。

つまりは、平成25年5月27日以後の相続税等の申告について、この改正を適用することができることに加え、通則法第23条第2項第3号の規定に基づき、過去の相続税等についても更正の請求をすることができることを明らかにしている。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議〕 第1回~第50回

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議〕 第51回~

筆者紹介

小林 磨寿美

(こばやし ますみ)

税理士

昭和55年3月 横浜国立大学経営学部卒業
平成 8年 7月 税理士登録

平成13年6月~ 小林磨寿美税理士事務所

【著書】
・『これからの相続不動産と税務』(清文社)
・『税理士が知っておきたい兄弟姉妹の相続』(清文社)
・『【個人・法人/地主・借地人】の取引主体で解きほぐす/借地権の税務判断』(清文社)
・『相続税申告で迷いがちな債権・債務』(清文社)
・『修正申告・更正の請求Q&A』(中央経済社)
・『勘定科目別法人税完全チェックマニュアル』(ぎょうせい)
・『個人間利益移転の税務』(共編著 大蔵財務協会)
・『関係会社間取引における利益移転と税務』(共編著 大蔵財務協会)
・『平成24年版地方税Q&A』(共編著 大蔵財務協会)
・『検証判例・裁決例等からみた消費税における判断基準』(共編著 中央経済社)
・『小規模宅地・住宅取得資金の特例』(共著 法令出版)
・『平成26年度どこがどうなる!?税制改正の要点解説』(共著 清文社)
・『新版 検証 納税者勝訴の判決』 (共著 新日本法規出版)
・『Q&A 自己株式の実務』 (共著 新日本法規出版)
・『事例からみた法人税の実務解釈基準』(共著 税務経理協会)
ほか

関連書籍

株式評価実務必携

信永 弘 編

土地・株式等の財産評価

税理士 香取 稔 著

中小企業の運営・承継における理論と実務 ファミリービジネスは日本を救う

大阪弁護士会・日本公認会計士協会近畿会・ファミリービジネス研究会 著

非公開会社における少数株主対策の実務

弁護士法人ピクト法律事務所 代表弁護士 永吉啓一郎 著

精選Q&A 相続税・贈与税全書〔財産評価編〕

税理士法人チェスター 編著 税理士 香取 稔 編著

非上場株式 評価の論点

税理士 田川嘉朗 著

非上場株式の評価実務

東京タックスコンサルティング 税理士 柴田健次 著

Q&A 中小企業における「株式」の実務対応

東京中小企業投資育成株式会社 公認会計士・税理士 中野威人 著
#