企業経営と
メンタルアカウンティング
~管理会計で紐解く“ココロの会計”~
【第13回】
「「現状維持」という名の怠けグセ」
公認会計士 石王丸 香菜子
《登場人物》
PN社は、文具や雑貨の製造・販売を手がけるメーカーです。
今日は、第2事業部で利用する設備についての会議が行われています。
〈第2事業部長〉
・・・現在第2事業部で利用している包装用の設備ですが、間もなくリース契約が満了となりますので、同種の設備を再びリース契約したいと考えています。
〈経理部長〉
わかりました。
新しいリース契約の内容は現状とほぼ同じですか?
〈第2事業部長〉
はい。
これまで大きな問題はなかったので、引き続き同じようにリースする方針です。
〈社長〉
・・・ふむ。リース料も総額ではかさむね。
いっそのこと自社で購入してはどうだろうか。
〈第2事業部長〉
私が事業部長になるずっと前から、包装設備については継続してリースしているんですよね。
特に問題もないし、リース以外に考えたことはないんですが・・・。
〈経理部長〉
設備を購入するために資金を借り入れると利息が生じますよ。
現状通りリースでいいんじゃないでしょうか。
〈社長〉
従来の契約が満了になるなら、ちょうどいい機会だから、改めてゼロベースで考えてみてはどうだろう。
経理部のカズノ君に頼めば、きっとすぐに計算してくれるよ。
〈経理部長〉
それもそうですね!
さっそくカズノ君にお願いしてみます。
*資料*
● 第2事業部では、商品の包装設備を利用している。現在利用している設備はリース会社よりリースしているものであり、間もなく契約が終了する。その後に利用する新設備について、以下の2つの案が考えられる。どちらの案も設備自体は同じであり、性能等に違いはない。
従来同様、リース会社より設備を5年契約でリースする(賃貸借取引として処理する)。
年間のリース料は600千円であり、毎年度末に支払う。設備は、リース期間満了時にリース会社に返却する。
2,400千円で設備を購入する。そのために、2,400千円を借り入れる。
借入の元金は、各年度末に5回の均等払いで返済する。借入の利息は、各年度初めの未返済額に対して年5%の利率で計算した金額を、各年度末に支払う。
設備の耐用年数は5年であり、残存価額をゼロとして定額法で減価償却を行う。5年経過後の設備に処分価値はない。
● PN社の資本コストは税引後10%、法人税率は30%として計算する。
* * *
1 電力会社を変えるのって、面倒?
2016年に電力が全面自由化されました。みなさんのご家庭では、電力会社を切り替えましたか? 電力会社を切り替えると電気代が安くなることが多いと言われているものの、実際に電力会社を切り替える家庭は多数派ではないようです。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。