企業経営と
メンタルアカウンティング
~管理会計で紐解く“ココロの会計”~
【第17回】
(最終回)
「会計で「ココロのマニュアルモード」をオンにする」
公認会計士 石王丸 香菜子
《登場人物》
PN社は、文具や雑貨の製造・販売を手がけるメーカーです。
昼休みに、経理部のカズノ君が熱心にスマホを見ています。
〈経理部長〉
カズノ君、新しいゲームでも始めたのかい?
〈経理部のカズノ君〉
経理部長、僕だって、スマホをゲームのためだけに使っているわけじゃありませんよ!
東証一部に上場している同業他社の決算書を見ていたんです。
〈経理部長〉
ゴメン、ゴメン!
しかし、カズノ君も経理マンらしくなったなぁ~。
〈経理部のカズノ君〉
やはり大企業は収益性が高いですね。
利益の金額がうちの会社とはケタ違いで、完敗だなぁ。
〈経理部長〉
カズノ君、我が社の利益は、金額ベースでは大手企業には及ばないけれど、収益性は決して悪くないよ。
・・・あっ、社長!
〈社長〉
経理部長、例の件の資料を渡しに来たよ。
それとカズノ君、経理部長の言う通り、我が社は比較的効率よく利益をあげているほうだと思うよ。
〈経理部のカズノ君〉
確かに、つい利益の総額に注目しがちですけど、効率も大事ですよね。
そういえば、「ROEを重視すべき」って何かで読んだことがあります!
〈経理部長〉
そうだね。
決算書からROEを概算すると、資本効率がよくわかるよ。
* * *
1 電子レンジのオートモードは万能か
最近の電子レンジは高性能ですね。ご飯や飲み物を温める際、出力や時間を考えることなく、スイッチ1つ押して電子レンジのオートモードにお任せです。しかし、オートモードに頼ってばかりいる主婦は(・・・誰ですか?)、たまにミスをしてしまうのです!
ほんの少量残ったご飯を電子レンジに入れて、うっかりオートモードを押すと・・・、アチチ、やけどするくらい熱い! ほかにも温めすぎで固くなってしまうこともありますよね。温めるものが極端に少量の場合、電子レンジが温度を正しく検知できず過度に加熱してしまうことがあるようです。たいていの場合はオートモードに任せてよいのですが、場合によっては、マニュアルモードを使う必要があるのですね。
電子レンジと同じように人のココロにも、「オートモード」と「マニュアルモード」のような2つのシステムがあると考えられています。
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