[子会社不祥事を未然に防ぐ]
グループ企業における内部統制システムの再構築とリスクアプローチ
【第4回】
「グループ企業管理に関わる基本的方針(その1)」
~親会社は全社的な統制とグループ会社の自主・独立性をどのように調和させるのか?~
弁護士 遠藤 元一
親会社は、親会社の企業理念・価値観に基づいて経営を行う必要から、コード・オブ・コンダクト(行動規範)を策定し、グループ会社にも親会社の企業理念・価値観を共有してもらうことがグループ会社経営の出発点となる。
そしてその次に問題となるのは、「どのようにグループ会社を管理すべきか」である。
1 グループ会社管理規程を定めて全社的な統制を図る
親会社も子会社の管理業務を行う役職員の人数が限られており、全てのグループ会社に対して逐一個別の監視・監督を及ぼすことは現実的ではない。また、子会社を親会社内の各部門と同様に位置付けて、一律にマイクロマネジメントを及ぼし、管理者が子会社に直接的な指揮命令を行い細部にまで干渉すると、子会社の独自性・自立性が損なわれるうえに、親会社としての管理責任を問われる法的リスクを抱えることにもなりかねない。
管理自体が目的化し、形式的・ルーチンな報告要求が繰り返されたり、子会社が親会社に情報を提供し、あるいは事前承諾を求めても、親会社の管理担当者が多忙で手が回らない等の理由から迅速に反応できないと、子会社の事業を停滞させ、モチベーションを低下させることも生じる。
親会社が全社的な観点からどこまで統制を及ぼし、どこまで自律性・独立性を尊重すべきか、そのバランスをどこで図るのか、メリハリの利いた管理をどのように実現するかは難問である。
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