公開日: 2016/03/10 (掲載号:No.160)
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[子会社不祥事を未然に防ぐ]グループ企業における内部統制システムの再構築とリスクアプローチ 【第11回】「グループ企業への具体的な関与(その5)」~グループ内部通報が親会社を救う~

筆者: 遠藤 元一

[子会社不祥事を未然に防ぐ]
グループ企業における内部統制システムの再構築とリスクアプローチ

【第11回】

「グループ企業への具体的な関与(その5)」
~グループ内部通報が親会社を救う~

 

弁護士 遠藤 元一

 

1 不正に気づく可能性が最も高いのは「不正が行われている現場」である

筆者は以前、非上場ではあるがその業界では比較的大手企業の子会社の役職員から、当該子会社で不審な取引が繰り返されているという匿名の内部通報を受けたことがある。

通報に基づき親会社のコンプライアンス部門の役職員と連携して通報のあった子会社を調査したところ、子会社のトップが地場の取引先企業からキックバックを受けている可能性が極めて強いという事実が明らかとなった。

この不正取引は、親会社の取締役がかつてその子会社のトップを長年務めていた時代から始まり、子会社のトップが変わっても引き継がれ、交替した子会社のトップはキックバックで還流を受けた金銭の全部又は一部を親会社の取締役に渡していたらしいことも判明した。

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[子会社不祥事を未然に防ぐ]
グループ企業における内部統制システムの再構築とリスクアプローチ

【第11回】

「グループ企業への具体的な関与(その5)」
~グループ内部通報が親会社を救う~

 

弁護士 遠藤 元一

 

1 不正に気づく可能性が最も高いのは「不正が行われている現場」である

筆者は以前、非上場ではあるがその業界では比較的大手企業の子会社の役職員から、当該子会社で不審な取引が繰り返されているという匿名の内部通報を受けたことがある。

通報に基づき親会社のコンプライアンス部門の役職員と連携して通報のあった子会社を調査したところ、子会社のトップが地場の取引先企業からキックバックを受けている可能性が極めて強いという事実が明らかとなった。

この不正取引は、親会社の取締役がかつてその子会社のトップを長年務めていた時代から始まり、子会社のトップが変わっても引き継がれ、交替した子会社のトップはキックバックで還流を受けた金銭の全部又は一部を親会社の取締役に渡していたらしいことも判明した。

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連載目次

「[子会社不祥事を未然に防ぐ]グループ企業における内部統制システムの再構築とリスクアプローチ」(全12回)

  • 【第1回】
    子会社の不祥事が親会社・親会社役員にもたらすインパクト
    ~場合によっては親会社の屋台骨をゆらがしかねない子会社の不祥事~
    (遠藤元一)
  • 【第2回】
    周辺エリアで生じやすい不祥事
    ~子会社で不祥事が生じやすいのには、様々な要因がある~
    (松澤公貴)
  • 【第3回】
    子会社管理についての判例・裁判例と平成26年改正会社法の影響
    ~グループ企業経営が会社法の本体に格上げされたことで親会社の責任はどのように変わるのか?~
    (遠藤元一)
  • 【第4回】
    グループ企業管理に関わる基本的方針(その1)
    ~親会社は全社的な統制とグループ会社の自主・独立性をどのように調和させるのか?~
    (遠藤元一)
  • 【第5回】
    グループ企業管理に関わる基本的方針(その2)
    ~リスクベースドアプローチの重要性~
    (遠藤元一)
  • 【第6回】
    グループ企業管理に関わる基本的方針(その3)
    ~早期不正対処の重要性~
    (松澤公貴)
  • 【第7回】
    グループ企業への具体的な関与(その1)
    ~法令遵守に係る基本的・具体的アプローチ~
    (遠藤元一)
  • 【第8回】
    グループ企業への具体的な関与(その2)
    ~リスク管理に係る基本的・具体的アプローチ~
    (遠藤元一)
  • 【第9回】
    グループ企業への具体的な関与(その3)
    ~監査機能の課題と重要性①~
    (松藤 斉)
  • 【第10回】
    グループ企業への具体的な関与(その4)
    ~監査機能の課題と重要性②~
    (松藤 斉)
  • 【第11回】
    グループ企業への具体的な関与(その5)
    ~グループ内部通報が親会社を救う~
    (遠藤元一)
  • 【第12回】
    海外子会社の内部統制システムとコンプライアンス強化
    ~親会社視点での国内子会社との相違点・留意点等~
    (遠藤元一)

筆者紹介

遠藤 元一

(えんどう・もとかず)

弁護士
東京霞ヶ関法律事務所 パートナー弁護士(第二東京弁護士会)
立教大学法科大学院講師

東京大学法学部卒。

指定住宅紛争処理機関紛争処理委員、社団法人グローバルビジネスロー研究会理事を務める。
日本私法学会、日本内部統制研究学会、著作権法学会等所属。

主な取扱分野は、倒産法、危機管理対応、コーポレート・ガバナンス関連、監査・会計と法律との業際問題、国内訴訟事件、企業法務全般、講演活動等。

【主な著作】
・『循環取引の実務対応』(民事法研究会、2012)
・『倒産と担保・保証』(共著・商事法務、2014)
・『会計不正 平時における監査役の対応』(共著・LABO、2015)
・「『監査における不正リスク対応基準』が取締役に及ぼし得る影響(上)(下)」旬刊商事法務2023、2024号(2014)

関連書籍

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公認会計士 鈴木広樹 著

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EY新日本有限責任監査法人 編

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