[子会社不祥事を未然に防ぐ]
グループ企業における内部統制システムの再構築とリスクアプローチ
【第9回】
「グループ企業への具体的な関与(その3)」
~監査機能の課題と重要性①~
公認会計士 松藤 斉
本稿では、企業グループで起こり得る不祥事や不正のリスク対応の観点で、監査機能を担う監査役(会)及び監査委員(会)、内部監査部門、会計監査人の個々の課題や状況、監査機能の強化について私見を述べる。その前に、不正リスク対策等について少し触れておく。
1 不正リスク対策
① 潜在不正
不正や不祥事はいつかは発覚するとも言えるが、発覚せずに断続的に再発したり、現在も継続している可能性がある。アンケート調査(有限責任監査法人トーマツ グループ「Japan Fraud Survey2014」)によると、回答企業の約25%で不正が発覚しているが、全ての企業にとって隠れた不正は知る由がなく、「当社ではそのようなことはない」という認識ではなく、「いつかは当社でも発覚する、すでに発生している恐れがある」との前提に立ち、不正リスクをどの程度削減できるか、起こった場合の対処を誤らないことが肝要である。
② 管理対象の不正動機
日本企業では、「自分の代で問題を作りたくない、会社や組織に迷惑をかけたくない、上司・先輩を裏切りたくない」という経営トップから従業員に至るまでの意識、心情が不祥事に発展する事例も多い。その結果、相談を受け事実を知った上司や後任が不正や損失を放置したり、関与を始めてダメージがますます膨らむのである。
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