[令和2年度税制改正における]ひとり親控除の創設と寡婦(寡夫)控除の見直し 【第1回】「改正の概要と改正前後の比較」
ひとり親控除とは、納税者がひとり親である場合に、その年分の総所得金額等から35万円を控除する制度である(所法81)。
ひとり親とは、次の要件を満たす者をいう(所法2①三十一)。
〔弁護士目線でみた〕実務に活かす国税通則法 【第1回】「国税通則法を学ぶ意味」
本誌読者の皆様は、「国税通則法」という法律名を耳にすると、どのようなイメージを持たれるであろうか。
税理士試験の受験にあたっては、各試験科目に共通して国税通則法が出題範囲に含まれてはいるものの、実際のところ、実務で活躍されている税理士である読者の中にも、国税通則法を苦手とされている方が一定程度いらっしゃるのではないだろうか。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例86(法人税)】 「再生計画の認可決定により、期限切れ欠損金を優先適用すべきところ、資産の評価換えについて誤った判断を行い、青色欠損金を優先適用してしまった事例」
再生計画が認可された平成X8年3月期の法人税において、再生計画においては、資産の評価換えを行い、期限切れ欠損金を優先適用することになっていたが、資産の評価換えを行うとかえって不利になると判断し、青色欠損金を優先適用して申告してしまった。
これにより、本来、青色欠損金が使用できた平成X9年3月期の法人税等につき過大納付が発生したとして賠償請求を受けた。
国外財産・非居住者をめぐる税務Q&A 【第41回】「課税当局は外国の課税当局からどのように情報を入手しているのか」
私は以前から海外に財産を分散して保有しています。国外財産調書の提出義務があるといっても、海外の財産まで調べることは難しいと思うので、適当に対応しておこうと思いますが、いかがでしょうか。
措置法40条(公益法人等へ財産を寄附した場合の譲渡所得の非課税措置)を理解するポイント 【第22回】「建物の寄附とその建築資金として借り入れた借入金の承継を同時に行った場合」
美術館の運営を目的とする特定一般法人を設立するため、私Xは所有する建物とその敷地を美術館として運営するために寄附し、この建物の建築資金として金融機関から借り入れた借入金も同時に承継させる予定です。
この場合、私は租税特別措置法第40条の規定の適用を受けられますか。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第48回】「仮想通貨の会計処理」
日本でも様々な仮想通貨が発行されている。この仮想通貨の会計処理について、基準がなかったため、2018年3月14日にASBJより実務対応報告第38号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」(以下、「仮想通貨取扱い」という)が公表された。今回は、この「仮想通貨の取扱い」について解説する。
税効果会計を学ぶ 【第5回】「繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に用いる税法及び税率」
税効果会計基準は、繰延税金資産又は繰延税金負債の金額は、回収又は支払が行われると見込まれる期の税率に基づいて計算すると規定している(税効果会計基準第二、二、2)。
当該税率について、税効果適用指針は、「法定実効税率」を定義し、連結納税制度を適用する場合を除いて、次の算式によると規定している(税効果適用指針4項(11))。
日本の企業税制 【第79回】「株主総会の延期と法人税の確定申告期限」
新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年3月期の決算では、企業や監査法人の在宅勤務等の感染防止策の徹底による決算及び監査の作業効率の低下、海外の子会社等からの決算情報の集約の遅れ等により、決算発表が45日内より遅れる上場企業が多数に上っている(5月13日現在で582社)。
これからの国際税務 【第19回】「令和2年度税制改正大綱における国際課税の焦点(その3)」-子会社配当益金不算入を利用した租税計画への対応-
平成21年度税制改正で我が国が導入した外国子会社配当についての益金不算入制度は、事業に関係する国外所得を法人税の課税対象所得から除外するものであり、それまでの間接外国税額控除制度の複雑さを解消するメリットに加え、グローバルスタンダードにも合致し、他国の多国籍企業との競争中立を保証する二重課税排除方式として評価され、実務に定着してきた。
