〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第47回】「再販売価格基準法と無形資産の差異調整」
独立企業間価格の算定方法の1つである再販売価格基準法が適切に用いられているかどうかの判断枠組みはどのようなものでしょうか。
決算短信の訂正事例から学ぶ実務の知識 【第9回】「配当金総額に含まれる役員報酬BIP信託への配当額」
今回は、「配当の状況」の誤記載を取り上げます。
【第6回】で、「配当の状況」はなぜか誤りが発生しやすいと述べました。【第6回】では、配当金総額の集計の考え方について、基本的な部分を確認しました。配当金総額は、その会計年度に基準日が属する配当を集計するということがポイントでした。
今回は、これとは違う理由による誤記載です。ただし、誤記載の箇所は全く同じです。配当金総額の金額です。
今回の誤記載は、役員報酬BIP信託という制度を導入している企業で起こる可能性があります。役員報酬BIP信託とはどのようなものかということも含めて、訂正事例から学んでいきましょう。
〔中小企業のM&Aの成否を決める〕対象企業の見方・見られ方 【第55回】「中小M&Aガイドライン(第3版)の活用」~第三者に支払う手数料~
【第54回】に続き、「中小M&Aガイドライン(第3版)」(以下、「本ガイドライン」といいます)から、買い手・売り手の見方・見られ方に関する内容に絞って解説します。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第44回】「会計的意味における包括的所得概念と法人税法上の包括的所得概念」-未計上資産無償譲渡[相互タクシー]事件・最判昭和41年6月24日民集20巻5号1146頁-
所得税や法人税は「所得」を課税物件とする租税であり(所税7条、法税5条以下)、所得税及び法人税の課税は「所得課税」と称される。ただ、所得税法や法人税法は、課税物件としての所得(課税所得)の概念を定義することなく、実際の経済生活の中に存在する「所得」という経済的事実を課税物件として取り込んで課税所得を定めていることから、その意味内容を明らかにするには、所得税法や法人税法の個々の規定の解釈だけでなく、それらの全体構造やそれを支える基礎理論としての所得概念論の検討・解明も必要である(拙著『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)【167】参照)。
〈令和6年分〉おさえておきたい年末調整のポイント 【第3回】「年調減税事務に関する実務Q&A」
定額減税の適用には、令和6年分の合計所得金額が1,805万円以下という所得制限がある。しかし、月次減税事務においては、この所得制限を超える人についても、6月以後の給与等に係る源泉徴収税額から減税額を控除している。
この場合、年末調整でどのように処理するのか。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例140(所得税)】 「土地を家屋とともに譲渡しなければならない旨の説明をしなかったため、結果として居住用財産の譲渡にならず、居住用財産の譲渡の特例が適用できなくなってしまった事例」
令和Y年分の所得税につき、相続により取得した居住用財産の譲渡に際して「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」(以下単に「3,000万円の特別控除の特例」という)及び「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」(以下単に「軽減税率の特例」という)の適用を相続人2人(被相続人の自宅に同居していた配偶者と長男)とも受けるべく、自宅の土地を相続人2人で2分の1ずつ相続したが、土地を家屋とともに譲渡しなければならない旨の説明をしなかったため、家屋は配偶者1人で相続してしまった。これに相続税申告後に気付いたことから、配偶者の家屋の持分2分の1を長男に贈与してから譲渡したが、贈与を受ける前に長男が引越していたため、居住用財産の譲渡にはならず、上記居住用財産の譲渡の特例が受けられなくなってしまった。これにより、上記特例が受けられなくなった所得税等につき過大納付が発生したとして賠償請求を受けた。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第43回】「同族会社の薬局建物の敷地部分につき「土地の無償返還に関する届出書」の対応範囲ではないことから、相続税評価額は自用地評価の80%ではなく、借地権相当額を控除した価額が認められた事例」
同族会社のオーナーが土地を有し、その上の建物を同族会社が所有し利用している場合のオーナーの土地の相続税評価額の算定方法は、実務上悩ましい問題である。このような場合、同族会社が当初、権利金を支払ったり、相当の地代を支払っているケースは少なく、通常の地代程度を支払っているケースが多いのではないだろうか。しかし、通常の地代を支払ったとしても、本来、支払うべき権利金を支払わなかった場合は権利金の認定課税が潜在的に存在する(法基通13-1-3)。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第56回】
本信託は主として特定資産に対する投資として運用することを目的とする信託ではない点を除けば、委託者指図型投資信託に類似するとし、金融庁が、前述のような総合勘案を経て本信託を投信法上の外国投資信託に該当すると判断する可能性もあるのであろうか。
学会(学術団体)の税務Q&A 【第11回】「学術集会の懇親会(法人税)」
本学会は、毎年総会のタイミングに合わせて、学術集会を開催していますが、その際、会員相互の交流を目的として情報交換会(懇親会)を開催しており、参加料として数千円程度徴収しています。当該情報交換会(懇親会)の参加料は、法人税法上の収益事業に該当するのでしょうか。