基礎から学ぶ統合報告 ―IIRC「国際統合報告フレームワーク」を中心に― 【第5回】「7つの「指導原則」とは?(その2)」
「重要性」の定義は、「情報の結合性」と同様にシンプルなものですが、フレームワークの「指導原則」の中では最も紙面を割いて説明しています。
なぜ、フレームワークでは「重要性」を大事なポイントして扱っているのでしょうか。
統合報告の主たる目的は、企業の長期にわたる価値創造のプロセスや見通しをステークホルダーに簡潔明瞭に伝えることであったと思います。ところが、価値創造につながる事象は、企業活動の様々な領域において、直接的または間接的に広範囲に存在しており、どれをどの程度伝えれば良いかを判断するのが非常にやっかいです。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第53回】人件費に関する会計処理②「役員退職慰労引当金」
Q 当期(X1年3月期)において役員(取締役、監査役)に対する退職慰労金に係る内規を設けました。当期の決算に際して、この内規を設けたことにより必要となる役員退職慰労金に係る会計処理について教えてください。
また、その後、役員のうち1名(A氏)が退任し、株主総会の決議を得て退職慰労金を支払った場合の会計処理について教えてください。
仮に、将来において役員退職慰労金制度を廃止することとした場合に必要となる会計処理について教えてください。
monthly TAX views -No.19-「中小企業優遇税制の見直しは実現するか?」
6月に「骨太の方針」が閣議決定され、政府税制調査会(以下「政府税調」)の「法人税の改革について」という取りまとめも公開された。
法人税改革はこれから各論に移る。
筆者は従来から、法人税減税問題は、安倍内閣の消費税率10%へのコミットメントと同時セット、と言ってきたが、その展開になりつつある。
法人税改革の行方 【第3回】「受取配当の益金不算入と租税特別措置」
法人の株式保有の目的が、単なる資産運用であれば、銀行預金に対しては法人にも利子所得税が課税されるが、株式なら配当に(一部)課税されないことで、資産選択に有利不利を生じさせる。その観点から、資産運用目的で保有する株式についての受取配当は益金算入(割合を拡大)する(図中の下向き矢印)と、この問題を解消するとともに、法人税の課税ベースを拡大するという考え方もある。
事業者等から質問の多い項目をまとめた「生産性向上設備投資促進税制」の『Q&A集』について 【第1回】「A類型・B類型に共通する留意点」
本税制は、対象業種や企業規模に制限がなく、対象資産の範囲も広く、税制措置として即時償却と税額控除が選択適用できるという非常に大胆な税制となっており、産業競争力強化法が施行された平成26年1月20日以降、既に半年間で延べ2万件を超える本税制による質の高い設備投資が見込まれている。
この度、本税制の理解を深め更なる利用を促す観点より、特に事業者等から質問の多い項目を「Q&A集」という形でまとめたので、その内容について解説を行いたい。
建築物の『耐震改修工事』に伴う税務上の留意点~耐震改修促進税制を中心に~ 【第1回】「耐震改修法の改正により『耐震診断』が義務づけられた建築物」
このような状況の中、さらなる耐震化の促進を目的として、平成25年(2013年)に同法が改正された。
この改正により、これまでは特定建築物に限り課されていた耐震診断及び耐震改修の努力義務が、耐震基準を満たしていないすべての建築物(既存耐震不適格建築物)に拡大されるとともに、特に耐震化が急がれる一定規模以上の建築物(以下2参照)については耐震診断(及びその結果報告)を義務化するとともに、その結果についても公表されることとなった。
〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載61〕 国税庁文書回答事例「連結親法人が連結承認取消後に決算期変更を行った場合の事業年度について」の解説
平成26年6月10日付け、大阪国税局より『連結親法人が連結承認取消後に決算期変更を行った場合の事業年度について』の文書回答事例が公表された。本稿ではその内容について解説する。
〈条文解説〉地方法人税の実務 【第5回】「中間申告(第16条~第18条)の取扱い」
課税事業年度が平成28年4月1日~平成29年3月31日の法人であれば、平成28年10月1日から平成28年11月30日の間に中間申告書を提出しなければならない。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第7回】「みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)⑦」
前回までは【争点1】についての評釈を行った。筆者の立場としては、【争点1】については積極的に賛成するものではないが、積極的に反対するものでもない。しかしながら、【争点2】については、数多くの疑問点が存在し、控訴審、上告審において、少なくてもその理論構成については、異なる判断が下されることを期待している。
第7回目に当たる本稿においては、【争点2】についての評釈を行うこととする。