公開日: 2014/08/07 (掲載号:No.81)
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法人税改革の行方 【第3回】「受取配当の益金不算入と租税特別措置」

筆者: 土居 丈朗

法人税改革の行方

【第3回】

「受取配当の益金不算入と租税特別措置」

 

慶應義塾大学経済学部教授
土居 丈朗

※本連載において意見にわたる部分は、あくまで筆者の個人的見解であって、筆者が関わる組織や会議等を代表するものではない。

 

本連載で取り上げる今般の法人税改革における課税ベースの見直しに関して、今回は、受取配当の益金不算入と租税特別措置を取り上げる。

 

《受取配当の益金不算入制度~保有目的による線引きは可能か?

まず、受取配当の益金不算入については、現行では持株割合が25%以上の株式の配当等の場合はその全額を、25%未満の場合はその50%を益金不算入としている(図1参照)。

そもそもこの仕組みは、法人間での受取配当に法人段階で益金算入すると二重課税になることに配慮して設けられた。政府税制調査会の「法人税の改革について」において、受取配当の益金不算入制度については、

 企業の株式保有は、支配関係を目的とする場合と、資産運用を目的とする場合がある。支配関係を目的とする場合は、経営形態の選択や企業グループの構成に税制が影響を及ぼすことがないよう、配当収益を課税対象から外すべきである。他方、資産運用の場合は、現金、債券などによる他の資産運用手段との間で選択が歪められないよう、適切な課税が必要である。

とされた。

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法人税改革の行方

【第3回】

「受取配当の益金不算入と租税特別措置」

 

慶應義塾大学経済学部教授
土居 丈朗

※本連載において意見にわたる部分は、あくまで筆者の個人的見解であって、筆者が関わる組織や会議等を代表するものではない。

 

本連載で取り上げる今般の法人税改革における課税ベースの見直しに関して、今回は、受取配当の益金不算入と租税特別措置を取り上げる。

 

《受取配当の益金不算入制度~保有目的による線引きは可能か?

まず、受取配当の益金不算入については、現行では持株割合が25%以上の株式の配当等の場合はその全額を、25%未満の場合はその50%を益金不算入としている(図1参照)。

そもそもこの仕組みは、法人間での受取配当に法人段階で益金算入すると二重課税になることに配慮して設けられた。政府税制調査会の「法人税の改革について」において、受取配当の益金不算入制度については、

 企業の株式保有は、支配関係を目的とする場合と、資産運用を目的とする場合がある。支配関係を目的とする場合は、経営形態の選択や企業グループの構成に税制が影響を及ぼすことがないよう、配当収益を課税対象から外すべきである。他方、資産運用の場合は、現金、債券などによる他の資産運用手段との間で選択が歪められないよう、適切な課税が必要である。

とされた。

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連載目次

筆者紹介

土居 丈朗

(どい・たけろう)

慶應義塾大学経済学部教授
HP http://web.econ.keio.ac.jp/staff/tdoi/index.html
Twitter @takero_doi

1970年生。1993年大阪大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。東京大学社会科学研究所助手、カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員、慶應義塾大学経済学部助教授などを経て、2009年4月から現職。

主著に『地方債改革の経済学』(日本経済新聞出版社、2007年日経・経済図書文化賞、サントリー学芸賞同時受賞)、『日本の財政をどう立て直すか』(編著・日本経済新聞出版社)、『日本の税をどう見直すか』(編著・日本経済新聞出版社)、『入門公共経済学』(日本評論社)等。

行政改革推進会議議員、政府税制調査会委員、社会保障制度改革推進会議委員、財政制度等審議会委員、社会保障審議会介護保険部会臨時委員などを務める。

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