給与計算の質問箱 【第69回】「役員が入院のため役員報酬を減額した場合の注意点」
当社は12月決算です。代表取締役Aが病気のため9月から3か月程度入院することになりました。入院予定の9月~11月の3か月間の役員報酬を月額100万円から月額0円に減額した場合の注意点についてご教示ください。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第76回】
CARFにおいて、顧客から提出された自己証明書の妥当性を確認し(デューデリジェンス義務)、税務当局に報告義務を負うのはRCASP(Reporting Crypto-Asset Service Provider)と呼ばれる暗号資産サービスプロバイダーである。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第79回】「非居住者期間の所得を合算課税することの可否が問題となった事例(地判平28.5.13、高判平29.5.25、最判平30.4.12)(その1)」
納税者は日本で生まれたが出国し40年以上にわたり欧州(スウェーデン、デンマーク、英国、ハンガリー)で生活していた。デンマークに居住していた1987年にA社を設立し、ログハウスの輸入代行業を行っていた。
納税者は2000年に英国に移住したが、その際デンマーク税法の適用を受け、出国直前に有していた株式等を譲渡したものとみなしてこれを時価評価課税する出国税を課された(出国税は分割納付により2011年に完納)。2002年には英国からハンガリーに移住した。
2008年1月22日にA社はA社の所有するC社株式のすべてを第三者に売却する契約を締結し、同月31日に当該売買代金の80%に相当する金額の支払いを受け、残り20%相当の代金は同年3月31日に支払いを受けた。
納税者は2008年2月1日に日本に入国し東京都での居住を始めた。納税者は2008年分と2009年分の所得税確定申告書を法定期限までに提出したが、いずれの申告書にも外国子会社合算税制の適用が除外される旨を記載した書類は添付されていなかった。
東京国税局は2012年に納税者と面識する等の税務調査を実施し、2013年2月に外国子会社合算税制を適用する内容の更正処分をした。納税者は同年3月に異議申し立てを行ったが同年6月に異議申し立てを棄却された。さらに、同年7月に国税不服審判所に審査請求をしたが2014年7月に審査請求を棄却する旨の裁決が行われたため、同年10月に裁判を提訴した。
〈経理部が知っておきたい〉炭素と会計の基礎知識 【第12回】「サステナビリティ情報はどんな基準に従って開示されるの?」
サステナビリティ情報開示への関心が高まるなかで、さまざまな機関や団体により、自主的な開示基準やフレームワークが数多く策定されてきました。これらの基準の存在は、企業によるサステナビリティ情報開示を促進するうえで大きな役割を果たしてきたといえます。
一方で、複数の基準やフレームワークが並立することとなり、アルファベット・スープと揶揄されることがありました。
〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第47回】「別表6(24) 給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」及び「別表6(24)付表一 給与等支給額、比較教育訓練費の額及び翌期繰越税額控除限度超過額の計算に関する明細書」~繰越税額控除制度を適用した場合~
実務でも適用する企業が多いと思われる、いわゆる「賃上げ促進税制」のうち中小企業向けの記載の仕方を取り上げる。
令和7年4月1日以後に開始する事業年度では、令和6年度税制改正で新たに設けられた繰越税額控除制度を適用して税額控除することが考えられるため、その記載についてもあわせて確認する。
新リース会計基準における実務対応-会計処理と申告調整のポイント-【第3回】
令和6年9月、企業会計基準委員会から「リースに関する会計基準」(以下、リース会計基準)が公表されました(令和9年4月1日以後に開始する事業年度から適用)。従来のリース会計基準では、リース取引を「ファイナンス・リース取引」と「オペレーティング・リース取引」の2種類に分類し、前者は売買処理、後者は賃貸借処理を行うこととされていました。
新たに公表されたリース会計基準では、借り手の会計処理についてこの分類を廃止し、すべてのリースにつき同一の会計処理を適用することとされました。一方、貸し手の会計処理は従来どおり、2種類に分類し、会計処理を定めています。
〈令和7年度税制改正〉『物納制度における物納許可限度額の計算方法』の見直し
いわゆる「老老相続」や相続財産の構成の変化など、相続税を取り巻く経済社会の構造変化を踏まえ、納税者の支払能力をより的確に勘案した物納制度となるよう、延納制度も含め、物納許可限度額の計算方法について令和7年度税制改正において見直しが行われた。
Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第58回】「〔第5表〕子法人から親法人に土地を移転した場合の株式の価額の計算上の留意点」
経営者甲は、昭和50年から不動産販売業及び賃貸業を営んでいる甲社の株式を100%所有していましたが、平成24年3月1日に株式移転により乙社を設立し、甲社を完全子法人としています。甲社のA駐車場(帳簿価額2億円、相続税評価額8億円、時価10億円)を乙社に移転しようと思いますが、下記のいずれかの方法を検討しています。
① 時価10億円で譲渡する方法
② 帳簿価額2億円で譲渡する方法
③ 適格現物分配で移転する方法(原資は利益剰余金)
〈適切な判断を導くための〉消費税実務Q&A 【第13回】「自社で利用するソフトウエア製作にかかった消費税の取扱い」
当社は営業支援サービスを提供するソフトウエアを製作し、ウェブ上で利用者にサービスを提供しています。
このソフトウエアは設立直後から製作を開始しましたが、完成したのは第2期に入ってからでした。
製作期間中は売上がなく、製作資金を確保するために第1期に増資を行いました。その結果、第1期は消費税の免税事業者、第2期は課税事業者となりました。
また、研究開発にかかった労務費や経費も含めると、このソフトウエアの製作に要した金額は約2,000万円となります。
この製作に要した支出に係る消費税について、どのような点に注意すべきでしょうか。
