〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第76回】「外国証券会社への売委託による株式譲渡損失に関する繰越控除の適用可否(地判平27.7.3、高判平28.3.17)(その2)」~租税特別措置法37条の12の2、日本国憲法13条・14条・84条・98条2項、 日米租税条約1条2項(a)~
憲法14条(平等原則)の違憲を対象とする争点①が最も重要な論点であると考えるが、その際の納税者の主張の背景には、争点④での納税者の繰越控除制度に関する根本的な考えがあると考える。そのため、この報告においては、争点④・争点①・争点③の順で検討を行いたい。
連結会計を学ぶ(改) 【第1回】「連結会計の全体像」
2017年4月から連載していた「連結会計を学ぶ」シリーズについて、その後の会計基準等の改正を踏まえてアップデートし、新たに「連結会計を学ぶ(改)」として解説を行う。
例えば、従来、日本公認会計士協会の実務指針として公表されていた「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」(会計制度委員会報告第7号)は、企業会計基準委員会に移管されて、「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針(移管指針第4号)となっている。
有価証券報告書における作成実務のポイント 【第13回】
今回は、有価証券報告書のうち、【経理の状況】の【注記事項】税効果会計関係と企業結合等関係の作成実務ポイントについて解説する。
令和7年度税制改正の基礎控除の見直し等による源泉徴収事務への影響
令和7年度税制改正では、所得税の基礎控除及び給与所得控除に関する見直し、特定親族特別控除の創設等が行われた。これらの改正は、源泉徴収事務(月々の給与・賞与からの源泉徴収及び年末調整)に大きく影響する。
本稿では、改正事項の源泉徴収事務に対する影響を実務的な観点から解説する。
国家安全保障から見る令和7年度及び近年の税制改正-防衛特別法人税等の企業への影響- 【第1回】
本稿では、11回にわたり国家安全保障に関連する税制措置について、防衛特別法人税を中心に政策税制の解説を行い、企業活動への影響を検討する。
令和7年度税制改正における『グループ通算制度』改正事項の解説 【第4回】
改正後の分割割合及び分配割合の計算方法は次のとおりとなる(法令8①十五・十七・②、23①二・三・②、119の8、119の8の2、法規8の2の3②、8の5の2②)。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例148(法人税)】 「代替資産を資産計上して「収用等の特別控除」を適用すべきところ、修繕費として譲渡経費に計上したため、税務調査で指摘を受け、修正申告で修繕費を資産計上したが、当初申告で資産計上していなかったため、「収用等の特別控除」も「代替資産の圧縮記帳」も適用できなくなってしまった事例」
土地区画整理事業により収用される建物等につき移転補償金を5,000万円とする建築物等移転補償契約を施行者であるA市と締結した。税理士は移転補償金につき、収用換地等の場合の所得の特別控除(以下「収用等の特別控除」という。)を適用すべきところ、依頼者が移転補償金を超える金額を収用等に係る経費等として修繕費に計上していたため、特別控除を適用しないで申告をした。
その後、税務調査を受け、上記修繕費は資産計上すべきものであるとして修正申告することになった。
これにより、移転補償金につき、収用等の特別控除も、修正申告により資産計上された資産について、収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例(以下「代替資産の圧縮記帳」という。)も適用できなくなってしまった。そして、依頼者より、修繕費の内容を事前に精査してもらえれば収用等の特別控除は適用できたとして、当初申告において修繕費を資産計上して収用等の特別控除を適用した場合と、修正申告との差額につき損害が発生したとして賠償請求を受けたものである。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第51回】「食堂の冷房のために設置されたクーラーは簡単に取り外すことができ、7組の室内機と室外機が各々稼働又は休止しているから建物附属設備ではなく、単体の冷房用機器(器具及び備品)の集合体とされた事例」
大きなスペースを冷房するためにいくつもの冷房装置があり、室内機は天吊り式であり、配管が天井内を伝わっているものは建物附属設備に該当するのか、それとも、器具及び備品となるのか。この件で争われた事案を検討する。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第72回】
ニューヨーク州法曹協会(NYSBA)のレポート38頁は、連邦所得税法上、納税者は、次の場合に限り、ラップ、アンラップ又はラップドトークンの保有者が市場取引によりそのラップドトークンと原トークンの交換を行う場合の交換取引に関する損益を認識しなければならない(財務省規則1.1001-1(a)参照)とする。