会計上の『重要性』判断基準を身につける~目指そう!決算効率化~ 【第5回】「ガラス片は小さくても危ない」~質的重要性の話
【第4回】で取り上げた「砂場の話のたとえ」を再び使います。
これは、砂場の砂をふるいにかけてきれいにする話でした。子供が安全に遊べるように、大きな石が混じっていたら取り除いてあげるというのが、砂をふるいにかける目的です。
砂をふるいにかけると、ふるいの目を通り抜けていかないような石が網の上に残ります。その程度の大きさの石が取り除かれれば、目的は達成されるとします。
しかし、本当にそれで砂場の砂は安全になるでしょうか?
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第85回】繰延資産③「創立費・開業費」
Q 当社はX1年4月に設立され、同年6月に営業を開始しました。会社の負担に帰すべき設立費用及び開業準備に要した費用の会計処理について教えてください。
〈検証〉IFRS適用レポート~IFRS導入企業65社の回答から何が読み解けるか?~ 【第5回】「IFRS導入プロジェクトの進め方について」
当該企業の多くは、2011年の当時の自見金融担当大臣によるIFRS適用に関する発言を踏まえ、IFRS導入プロジェクトを中断もしくは規模を大幅に縮小した企業が該当すると推察される。
IFRS導入経験という意味では「新規導入型」よりもアドバンテージがあり、短期での導入が可能かと考えがちである。ところが、IFRSの基準そのものの改定、基幹システムの刷新、M&Aを通じたグループ会社の増加、グループ全体の事業ポートフォリオの変化等の社内外の環境変化により、拠り所としていた経験と検討結果が思ったように活用できない状況も想定される。
金融商品会計を学ぶ 【第6回】「金融資産の消滅時に何らかの権利・義務が存在する場合」
例えば、譲渡人が自己の所有する金融資産を譲渡した後も回収サービス業務を引き受けるなどの取引が行われることがある。
このような取引については、財務構成要素アプローチにより、金融資産を財務構成要素に分解して会計処理することになる。
金融資産の一部が消滅の認識要件を充たすケースでは、次のように会計処理を行うことになる(金融商品会計基準12項~13項)。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第84回】繰延資産②「社債発行費・開発費」
Q 当社はX1年10月に、社債を発行しました。社債発行にあたって支出した金融機関の取扱手数料等、社債発行のために直接支出した費用の会計処理について教えてください。
また、当社は、X2年1月に生産能率の向上を目的として工場設備の大規模な配置替えを行いました。これに係る費用の会計処理について教えてください。
〈検証〉IFRS適用レポート~IFRS導入企業65社の回答から何が読み解けるか?~ 【第4回】「決算日統一・決算早期化への対応」
先ほど、より「能動的」にメリットを追求する必要があると述べたが、もちろん統一のモノサシたるIFRSを適用すること自体にも価値がある。それを最大限に活用するための仕掛けを作ることが重要である。
例えば、経営者から「IFRS適用できた。今月から意味ある情報を持って来い。」と言われて対応できる経理部門(または経営企画部門)がどれくらいあるだろうか。
経営管理(内部報告)にせよIR(外部報告)にせよ、標準化された数字そのものの価値は限定的であり、それらを様々な視点から分析し、導出されたメッセージにこそ大きな価値がある。IFRSという統一的なモノサシは、その分析精度の高度化と導出されるメッセージの意味合いを高めるツールに他ならない。
会計上の『重要性』判断基準を身につける~目指そう!決算効率化~ 【第4回】「ふるいの目の粗さと重要性の話」
これまで見てきたように、経理業務における重要性判断というのは、事務負担の軽減等の実務的要請から必要とされています。誤解を恐れずに言えば、これは会計理論の話ではないのです。
したがって、重要性の基準値について、はっきりとした定義は会計基準にはありません。
定義のネックになっているのは、あらゆるケースに当てはまる具体的な金額基準を一律に示すことができないという点です。企業会計原則でも、その他の会計基準でも、基本的にはそうした金額基準を明示していません。これが会計の基本的スタンスです。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第83回】繰延資産①「株式交付費」
Q 当社はX1年10月に、企業規模の拡大に必要な資金の調達を目的として、新株を発行しました。株式募集のための広告費等、株式発行のために直接支出した費用の会計処理について教えてください。
〈検証〉IFRS適用レポート~IFRS導入企業65社の回答から何が読み解けるか?~ 【第3回】「システムへの対応」
IFRSは連結財務諸表に適用され単体決算には適用されないことから、連結決算のみでIFRS対応する方法が成り立つことになる。この場合、システム対応においては、連結仕訳での調整中心の対応になることから、前者に比べてIFRS導入期間やコストがかからない。しかし、中長期的に、グループガバナンスの高度化や管理コストの低減を図ることを考えると、図表1に示すグループ経営管理基盤の統合を図ることも検討に値する。
