現代金融用語の基礎知識 【第6回】「影の銀行」
もともと「影の銀行」(シャドーバンキング:shadow banking)とは、銀行を通さずに行われる金融取引一般を指したが、現在では、通常、中国におけるそうした金融取引を指す。しかし、後述するように、銀行がまったく関与していないわけではなく、間接的には関与している。
中国においては、その「影の銀行」の規模が近年急激に拡大している。中国人民銀行によると、企業や政府系機関などが1年間に調達した資金のうち、銀行融資以外によるものの割合は、2003年は18.9%だったが、2013年は48.6%に達したとのことである。それは影の銀行の拡大を反映したものである。
メンタルヘルス不調と労災 【第3回】「業務上の出来事と心理的負荷の関係」
心理的負荷の評価は、発病前おおむね6ヶ月の間にあった具体的出来事の内容により、以下の3つの方法のいずれかを用いて行う。
① 「特別な出来事」に該当する出来事がある場合の評価方法
発病前おおむね6ヶ月の間に、「特別な出来事」に該当する業務による出来事が認められた場合には、心理的負荷の総合評価を「強」と判断する。
② 「特別な出来事」に該当する出来事がない場合の評価方法
「特別な出来事」に該当する出来事がない場合は、以下の手順により心理的負荷の総合評価を行い、「強」、「中」、又は「弱」に評価する。
リゾート会員権をめぐる法律問題とトラブル事例 【第1回】「権利関係による代表的類型と複数の関連法規」
アベノミクスによる脱デフレ・景気回復の兆しが見えてきたことの影響もあり、バブル経済崩壊以来、長年にわたり低調に推移してきた会員権市場が再び賑わいを見せつつある。
「会員権」というとき、「ゴルフ会員権」はその内容や権利関係について比較的イメージが湧きやすいが、「リゾート会員権」は漠然としたイメージしか持てず、具体的な権利関係や法律上の処理については曖昧な理解しか有してない場合が多い。
そこで本連載では、リゾート会員権をめぐる法律関係やトラブルにつき整理・解説したい。
事例でわかる消費税転嫁対策特別措置法のポイントQ&A 【第7回】「公正取引委員会及び中小企業庁による書面調査への対応」
Q 当社あてに、公正取引委員会と中小企業庁長官の連名による調査票が送られてきました。どのように対応したらよいのでしょうか。
メンタルヘルス不調と労災 【第2回】「精神障害の労災認定基準と労基署の調査」
前回は、精神障害による労災認定の現状やその背景及び労災が認められた場合の企業活動への影響や企業の責任等について解説した。今回は、精神障害が労災と認められる要件(基準)と実際の事案が発生したときに労働基準監督署が行う調査について解説する。
なお、今回の内容は「心理的負荷による精神障害の認定基準について(平成23年12月26日付基発1226第1号)」を参考にしているため、より詳しい内容を知りたい場合は、この認定基準を参考にされたい。
事例でわかる消費税転嫁対策特別措置法のポイントQ&A 【第6回】「買いたたきに当たらない「合理的な理由」」
Q 買いたたきに関して初の勧告事例が出たところですが、買いたたきに当たるか否かは、どのように判断されるのでしょうか。基本的な考え方を教えてください。
常識としてのビジネス法律 【第11回】「手形・小切手に関する法律知識(その1)」
手形・小切手(以下「手形」と略す)には、「何を記載すべきか」「何を記載してはならないか」が厳格に法で決められている。したがって、法に定められたことが記載されていなかったり、禁じられたことが記載されていたりすると、手形自体が無効になる可能性がある(要式証券性)。
手形は、券面に記載された事項だけで債務内容が決定されるので、100万円の債務の支払いであるのに誤って手形に「1,000万円」と記載すれば、手形を取得した第三者に対して1,000万円を支払わねばならなくなる(文言証券性)。
メンタルヘルス不調と労災 【第1回】「メンタルヘルス不調者の増加と企業の責任」
労災申請・認定の増加の原因を考えるうえで、まず注目しなければいけないのが、我が国の自殺者の問題である。
我が国は、平成10年から平成23年にかけて、14年連続で年間自殺者が3万人を超えていた。幸いにも平成24年にはその数が2.7万人に減少し、平成25年も微減となっているが、それでも世界的にみて、自殺者が多い国であることに変わりはない。
自殺の原因は様々であるが、1位は健康問題であり、その割合は原因全体の50%程度になる。そして、その多くがうつ病などの精神疾患によるものである。
事例でわかる消費税転嫁対策特別措置法のポイントQ&A 【第5回】「初の勧告事例」
Q 大規模小売事業者が買いたたきを行ったとして、公取委が消費税転嫁対策特別措置法に基づく初の勧告を行ったと聞きました。指導に止まらず勧告を受けるに至ってしまったポイントは、どのような点にあるのでしょうか。
会社を成長させる「会計力」 【第9回】「グローバル連結経営の『深化』」
少々古い話になるが、2007年11月に東京で「第4回IOSCO(証券監督者国際機構)国際コンファレンス」が開催され、IFRS関連のパネルディスカッションで当時のIASB(国際会計審議会)議長Sir David Tweedieと同席したことがあった。