税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第40回】「新規地代を求める新しい考え方」~賃貸事業分析法という手法~
前回は、事業用不動産、すなわちその収益性が事業の経営動向に強く影響を受けるものにつき、建物施設等の支払賃料等相当額を売上高をベースに求める手法について解説しました。そこでは、数ある事業形態のうち、賃貸・運営委託方式(=不動産の賃借人が事業経営を行い、運営をマネジメント会社に委託する方式)を前提とした場合に、賃借人の売上高から推してどれだけの賃料の支払いが可能か(=負担可能賃料はどこまでか)という視点から考え方を紹介しました(この手法は、不動産鑑定評価基準では「収益分析法」という手法の一つに含まれますが、前回の解説ではこの用語そのものは取り上げませんでした)。
今回は、(これも非常に紛らわしい概念で恐縮ですが)事業者が土地を賃借し、その契約内容に基づく予定建物(敷地を含む)を一括してテナントに新規に貸付けること(イメージは〈資料1〉)を想定した場合の期待家賃を出発点として新規地代相当額を試算する考え方を紹介します(この手法を「賃貸事業分析法」と呼んでいます)。
ハラスメント発覚から紛争解決までの企業対応 【第37回】「就活ハラスメント対策における注意点」
就活シーズンが始まり、当社でも会社説明会や採用選考の準備などが進められていますが、いわゆる就活ハラスメントについて、注意するべきポイントがあれば教えてください。
電子書類の法律実務Q&A 【第7回】「メールで業務指導をする場合の注意点とは」~最新裁判例で読み解くメールでのパワハラ防止策~
在宅勤務との関係で、業務上の連絡等をメールで行うことが増えてきています。メールで注意指導をする場合、口頭での注意指導と異なり、口調や表情等による細かいニュアンスを伝えるのが難しく、部下とトラブルになることが懸念されます。メールによる業務指導がパワーハラスメントにならないようにするためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
空き家をめぐる法律問題 【事例49】「借地上の建物所有者が行方不明の場合に賃貸人がとり得る対応」
Aは、Bから賃借した土地上に老朽化した建物を所有して居住していましたが、行方不明となっています。Bは、敷金額を超える未払賃料を回収するとともに、賃貸借契約を終了することや借地権を第三者に譲り受けさせることも検討しています。また、Aは、Cから借入れをしており、Cは貸付金の回収をしたいと考えています。このような場合に、BやCは、誰に対して、どのような請求等を行うべきでしょうか。
〔相続実務への影響がよくわかる〕改正民法・不動産登記法Q&A 【第16回】「新設された具体的相続分による遺産分割の時的限界の概要」
相続開始から長期間が経過した場合の遺産分割について、どのような見直しが行われたのか教えてください。
2023年株主総会における実務対応のポイント
いよいよ本年3月より、株主総会資料の電子提供制度に対応した株主総会が開催され、令和元年改正会社法での対応事項の仕上げの年となる。また、本年5月8日には新型コロナが季節性インフルエンザと同様の「5類」に見直されることが予定されており、これまでの株主総会運営にも影響が想定される。
ここでは、制度改正対応だけではなく運営面での対応についても留意が必要となった、本年株主総会における実務対応のポイントについて解説する。
〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例81】フジテック株式会社「臨時株主総会決議の結果等に関するお知らせ」 (2023.2.24)
今回取り上げる開示は、フジテック株式会社(以下「フジテック」という)が2023年2月24日に開示した「臨時株主総会決議の結果等に関するお知らせ」である。タイトルどおり同日開催された臨時株主総会の決議結果が記載されているのだが、それだけではない。タイトルをよく見ると、「臨時株主総会決議の結果」の後に「等」が付されている。この「等」は何かというと、2023年2月21日に開示された「社外取締役辞任及び当社臨時株主総会付議議案の一部撤回に関するお知らせ」の一部訂正である。
給与計算の質問箱 【第39回】「非居住者の給与計算」
当社は4月1日に海外に支店を開設します。現在東京の本社に在籍している取締役A(45歳)と従業員B(30歳)に1年以上にわたり海外の支店で勤務してもらう予定です。4月以降の給与は、これまでと同様に東京の本社からそれぞれの銀行口座へ振り込む予定です。給与計算において注意点があればご教示ください。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第39回】「事業用不動産の賃料はどのように求めるか」~相場がつかみにくい施設の場合~
本連載でも賃料の評価に関連する内容を取り上げたことがありますが、そこでは、マンションやオフィスビル、倉庫等をはじめ、周辺に類似する物件の賃貸事例があり、その地域での相場がひととおり把握できるということを暗黙の前提としていました。
しかし、なかには汎用性の低い建物施設で、それと類似する物件の賃貸事例を探すのが困難なものがあります。
ハラスメント発覚から紛争解決までの企業対応 【第36回】「逆パワハラの申告があった場合の対応のポイント」
当社の社員Bから、上司であるA部長からパワハラを受けているとの申告があったため、A部長のヒアリングを実施したところ、A部長はパワハラの事実を否定するとともに、むしろ自分が部下Bから逆パワハラを受けていると主張しました。
逆パワハラとは、部下から上司に対するパワハラのことを意味すると理解していますが、A部長は自分にかかったパワハラの嫌疑をそらすため、逆パワハラにあっているなどと虚偽の主張をしているのではないかと疑っています。A部長の申告に対して、どのように対応するべきでしょうか。