中小企業経営者の[老後資金]を構築するポイント 【第10回】「様々な不動産投資の種類とメリット・デメリット」
本連載では、中小企業経営者の老後資金の収入源を様々な角度から確認しているが、今回は近年過熱気味となっている不動産投資を取り上げる。
引退を控えている中小企業経営者の中には、1980年代後半からのバブル景気及びその後の崩壊を経験した者も多いことから、不動産投資に対しネガティブな印象を抱いている人も多いかもしれないが、老後資金の運用の1つとしては、不動産投資を無視することはできないであろう。
税務争訟に必要な法曹マインドと裁判の常識 【第3回】「税務訴訟における裁判所の役割」
税務訴訟における裁判所の役割は何であろうか。これに一言で答えるとすれば、裁判所の役割は、「課税庁と納税者間の争いに対する最終的な判断を行うこと」である。
本連載は、税務争訟に必要な法曹マインドを解説するものであるが、この法曹マインドを理解する上で最も重要なのは、最終権者たる裁判所(裁判官)の考え方を理解することであると言っても過言ではない。
そこで、【第3回】以降は、法曹の中でも特に裁判所に焦点を当て、税務訴訟における裁判所の役割、価値判断、さらには事実認定や法律解釈の傾向等を順次分析してみたい。
〔“もしも”のために知っておく〕中小企業の情報管理と法的責任 【第11回】「情報漏えいの原因・傾向から見た対策の要点」
-Question-
自社でも顧客情報の漏えいを防ぐ施策を検討していますが、他社で発生した様々な漏えい事故を調べるにつれて、何から始めればよいか分からず、途方にくれてしまいます。漏えい防止の取組みにあたってポイントとなる事項を教えていただけますか。
「働き方改革」でどうなる? 中小企業の労務ポイント 【第1回】「年次有給休暇が取得できる仕組みづくり(その1)」-法改正による有給休暇取得義務化の概要-
昨年(2018年)の6月29日に各種労働法の改正を行う法律、いわゆる「働き方改革関連法」が参議院本会議で可決・成立し、一部の法律は、今年(2019年)の4月1日から早くも施行が始まります。
中小企業は、これらの法改正に対し企業として手当てが必要となる一方で、ここ数年は、そもそも人手不足などの社会問題を背景に、従業員の働き方の見直しの必要性にせまられています。
例えば、生産性・効率性を上げるための有給休暇取得推進や残業時間の見直しをはじめ、人材の獲得・離職防止等を目的とした従業員のライフスタイルに合わせた制度(副業・兼業の容認、テレワーク・フレックス制度の導入等)の整備、また、今後ますますの拡大が予想される海外人材の採用・管理への対応など、労務において検討すべきことが数多くあります。
そこでこの連載では、改正法への対応だけではなく、中小企業における上記のような広い意味での「働き方改革」を進めるにあたって押さえておきたい労務上のポイントについて、わかりやすく解説をしていきます。
空き家をめぐる法律問題 【事例11】「成年被後見人が所有する空き家の処分問題」
母は、父の死後、しばらく自宅で一人暮らしをしていましたが、認知症の程度がひどくなったため自宅を出て、老人ホームに入居することを検討しています。私は、母の成年後見人に選任され、日常の世話も含めて対応していますが、母の預貯金も目減りして、老人ホームに要する費用をどのように確保するか考えています。
そこで、次のような方法を考えていますが、法律上どのような問題がありますか。
① 空き家となる母名義の土地と建物を売却する
② 空き家となる母名義の土地と建物を担保に融資を受ける
また、母の相続発生後、相続した空き家を処分する場合の税務上の留意点はありますか。
改正相続法に対応した実務と留意点 【第2回】「持ち戻し免除の意思表示の推定に関する留意点」
持ち戻し免除の意思表示が推定されるということは、被相続人が現実には何の意思表示もしていなければ、持ち戻し免除の意思表示があったと扱われるということである。現行法では、「持ち戻し免除の意思表示があったこと」について、受益者側に立証責任があるが、改正後民法では受益者以外の相続人に「持ち戻し免除の意思表示がなかったこと」の立証責任があるということになる。
今から学ぶ[改正民法(債権法)]Q&A 【第5回】「保証(その2)」
現行法においては、主債務者や債権者による保証人への情報提供義務が定められておらず、債権者の財産状況や借入れ状況等を正確に把握しないまま保証人となってしまうケースや、主債務者が履行遅滞に陥っているにも関わらず、保証人への情報提供がないため遅延損害金が膨らんでしまうというケースがあった。
改正法では、これらの問題点を解消するために、次の3段階において、主債務者や債権者による保証人への情報提供義務を定めた。
〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例31】RIZAPグループ株式会社「連結業績予想及び配当予想の修正、当社グループの構造改革に関するお知らせ~持続的成長に向けた抜本的な構造改革に着手へ~」(2018.11.14)
今回取り上げる適時開示は、RIZAPグループ株式会社(以下「RIZAP」という)が平成30年11月14日に開示した「連結業績予想及び配当予想の修正、当社グループの構造改革に関するお知らせ~持続的成長に向けた抜本的な構造改革に着手へ~」である。
「構造改革」により業績予想と配当予想を修正することになったという内容であり、業績予想の修正は、親会社の所有者に帰属する当期利益(同社はIFRS適用会社)の予想値を15,940百万円の黒字からマイナス7,000百万円の赤字に修正するというもの、配当予想の修正は無配への修正である。