空き家をめぐる法律問題 【事例59】「区分所有法の改正要綱案を踏まえた専有部分の管理方法」
私が区分所有するマンションの一室は、区分所有者が行方不明になっており、管理費の滞納が続いています。玄関ドアの郵便受けから室内を見ると、ごみが散乱した状態となっており、住環境の悪化が懸念されます。空き家となった専有部分等の管理を適正化し、滞納管理費を回収するために、どのような方法がありますか。
事例で検証する最新コンプライアンス問題 【第28回】「J事務所の性加害問題(上)」
J事務所の代表取締役社長であったJ氏は、男性アイドルタレントをプロデュースする類まれな才能を有するカリスマ的芸能プロデューサーとの評価のもと、一世を風靡する男性アイドルタレントを数多く世に輩出した。
ところが、同氏が2019年に亡くなって4年後の2023年3月18日、イギリスBBCがJ氏による性加害についてのドキュメンタリー番組「J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル」を配信し、以後、様々な報道機関がJ氏による性加害を報道するようになった。
〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例91】株式会社スノーピーク「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」(2024.2.20)
今回取り上げる開示は、株式会社スノーピーク(以下「スノーピーク」という)が2024年2月20日に開示した「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」である。同社の開示を取り上げるのは、本連載【事例76】に続いて2回目になる。
能登半島地震の被災地で必要な法務アドバイス 【第2回】「被災により納品ができない場合における不可抗力条項の活用(1)」~契約書に記載がない場合の対応~
令和6年1⽉1⽇に発⽣した能登半島地震によって現地では甚大な被害が生じ、未だに生活するにも苦労を強いられており、また、事業活動においても従前のような活動が再開できていない事業者も多い。
例えば、事業者が製造メーカーであり、既に取引先から製品の発注を受けていたとしても、今回の地震によって事業所や生産設備、在庫商品などが毀損し、また、役員及び従業員の方も被災されて避難生活を余儀なくされている状況においては、物理的な面だけでなく、人的な面でも生産活動が困難な状況と言える。さらには、流通経路自体も十分に復旧されておらず、材料が入っていないことによって生産を行いたくても行えない状態が続いている事業者も多いかと思われる。
このような場合、受注に際して取り決められていた納期を遵守することが難しくなるところ、発注者側が任意に納期の変更や義務の免除を認めてくれる場合もあるが、発注者がこれらを承諾しない場合に受注者として検討すべきものが契約書の不可抗力条項である。
本連載では、2回にわたって不可抗力条項の基本的な理解や活用しやすい不可抗力条項への見直しに関するアドバイスを行いたい。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第51回】「減価の査定にそれなりの判断を伴う土地(その5)」~がけ条例の適用を受ける場合~
数多い土地のなかには、がけに隣接しているものも見られます。例えば、以下のようなイメージの土地がこれに該当します。
《税理士のための》登記情報分析術 【第10回】「登記の優先順位」~同一区内の優先順位~
不動産に関する登記記録の権利部は「甲区」と「乙区」から構成されている。「甲区」には主に所有権に関する事項が登記され、「乙区」には担保権などの所有権以外の権利に関する事項が登記されている。「甲区」内、「乙区」内にそれぞれ複数の権利が登記されることもあり、権利の対立が起きた場合に優先順位が問題になることがある。
2024年株主総会における実務対応のポイント
本年は、株主総会実務に直接的に影響のある制度改正は特段ないものの、株主総会資料の電子提供制度への対応が2年目となり、新型コロナが「5類」となってからも2年目の総会運営となる。株主総会プロセスの電子化の定着と、アフターコロナの総会対応という、引き続き新たな取組みに向けた模索が続くこととなる。
ハラスメント発覚から紛争解決までの企業対応 【第47回】「ハラスメント研修のすすめ」~パワハラ編~
当社においては年に2回ハラスメント研修を実施していますが、ハラスメントの相談、特にパワハラの相談がなかなか減りません。パワハラについて、ハラスメント研修における注意点があれば教えてください。
〈Q&A〉税理士のための成年後見実務 【第4回】「一人取締役の会社の社長が認知症になった場合の対応(その1)」~成年被後見人になっても取締役でいられるのか~
顧問先に取締役が社長1人の会社があります。先日、経理を務めている奥さんから相談があり、社長さんが認知症を患われたそうです。今後どのような点に気を付けていくべきでしょうか。
空き家をめぐる法律問題 【事例58】「不可抗力が生じた場合の建物賃貸借契約の諸問題」
最大震度7の地震が発生したため、賃借していた自宅建物から親戚宅に避難しています。自宅は地震で部分的に損傷し、今後の居住に支障が出る可能性があります。そこで、賃貸借契約を終了させることを考えていますが、可能でしょうか。
また、賃貸借契約書を見ると、敷引特約の条項が記載されています。引越しをする場合、転居費用に充てるため敷金を使用したいと考えています。このような場合でも敷引特約は適用されますか。