退職金制度の作り方 【第2回】「退職金制度の種類」
退職金制度を導入する場合、制度そのものをどのような仕組みにすべきが考えなければならない。
具体的には、勤続年数だけで支給額を決定するのか、一定の人事評価基準を影響させるのかなど、いくつかの方法がとられている。
退職金制度の作り方 【第1回】「退職金制度の現状」
退職金制度はどこの企業にもあるものと思われるかもしれないが、中小企業では必ずしも制度があるとは限らない。
従業員数10人~300人未満の東京都内の中小企業のみを対象とした「中小企業の賃金・退職金事情(平成24年版)」(東京都産業労働局)によると、「退職金制度がある」と回答した企業が77.7%、「退職金制度がない」と回答した企業が21.1%となっている。
調査結果より、中小企業の80%近くで制度が導入されているが、労働基準法では退職金制度を必ず導入するよう求めているものではなく、退職金制度がなくても、労働法令上は特段の問題はない。労働基準法が求めているのは、退職金制度を設けた時点で賃金債権となり得るため、就業規則に規定をし支給ルールを明確にすることである。
活力ある会社を作る「社内ルール」の作り方 【第8回】「企業文化を体現した就業規則の作成へ」
このシリーズも終盤に入ってきたが、今回は、企業文化や価値観が体現された就業規則の作成方法を見ていきたい。
就業規則の構成は、基本的には2部に分かれる。
ひとつは、労働時間や休日・休暇、給与体系などの労条件を定めている部分。そしてもうひとつは、従業員が遵守すべき義務やルールを定めた服務規律と言われる部分である。
年俸制と裁量労働制 【第4回】「年俸制と裁量労働制の運用上のポイント」
年俸制を導入する際に、年俸額に一定の割増賃金分も含めたい場合は、「この程度含んでおけば問題ないであろう」といった推測で決めるのではなく、過去1年間でどの程度の残業時間が発生しているのか、法定時間を超えている勤務状況を確認し、これを元に算出された割増賃金を含んだものとして年俸額を計算すべきである。
あらかじめ想定していた時間外勤務時間を超えて勤務した場合には、当然に割増賃金の支払いが必要となるのであり、始めから残業時間分を年俸額に含んでいるから問題ないということではない点を十分に認識しておく。
活力ある会社を作る「社内ルール」の作り方 【第7回】「企業文化を就業規則に落とし込んだ会社の実例②」
今回も前回に引き続き、企業文化を就業規則に落とし込んだ会社の事例を見ていきたい。
今回もアメリカの企業の事例から入っていこう。
この事例は、会社が大切にしている文化や価値観を直接ルールに落とし込んだものではないが、文化や価値観への“こだわり”が徹底しているからこそ導入できたルールの一例として見てほしい。
年俸制と裁量労働制 【第3回】「2種類の裁量労働制の特徴」
裁量労働制とは、業務の遂行手段や時間配分について、使用者が細かく指示するのではなく、労働者本人の裁量に任せ、実際の労働時間数とは関係なく、労使の合意で定めた労働時間数を働いたものとみなす制度である。
裁量労働制には、「専門業務型」と「企画業務型」という2つの種類がある。
年俸制と裁量労働制 【第2回】「年俸制の支払方法」
年俸制は、文字通り「年」を単位として給与を支払うというものであるが、支払方法は企業によっていくつかの方法に分けられる。
年俸制と裁量労働制 【第1回】「給与の支払方法(年俸制)と労働時間管理の方法(裁量労働制)は別物」
「うちは年俸制で給与を支払い、裁量労働制を導入しているので残業代を支払っていない」という声をよく耳にする。特に設立間もない企業や、比較的小規模な企業で顕著であるように感じられる。
年俸制とは月給制・日給月給制など賃金の支払方法の一つであり、裁量労働制は労働時間管理方法の一つである。
年俸制は賃金の支払方法の一つであるために規制はないが、裁量労働制は労働基準法に定められた内容に基づいて運用する必要がある。基本的には、裁量労働制適用者には年俸制を適用するという関連性を持たせてもよいものではあるが、いわゆる固定費=人件費を削減する目的だけで年俸制を導入し、割増賃金が適正に支払われないという状況は避けなければならない。
活力ある会社を作る「社内ルール」の作り方 【第6回】「企業文化を就業規則に落とし込んだ会社の実例①」
前回は、企業文化を就業規則に落とす方法について述べてみた。
今回と次回を使って、企業文化を就業規則に落とした会社の実例を紹介したい。
まずは、アメリカの例から。すでにご存じの方も多いかもしれないが、アメリカで靴の通信販売サイトを運営している会社でZappos(ザッポス)社という会社がある。
この会社は、戦略的な企業文化の構築とその定着で業績を伸ばしている会社だ。
活力ある会社を作る「社内ルール」の作り方 【第5回】「企業文化による統治へどう取り組むか」
企業文化中心の社内ルールをつくるためには、(当たり前のことであるが)最初に企業文化を戦略的につくることから始めなければならない。
つまり、企業文化の構築を通じて「社内の価値観統一」を図っていくということだ。
そのためには、会社が大切にしている「気持ち」、「心がけ」、「行動」などを具体化していくことが必要となる。
この時に大事なのは、経営者が企業文化を戦略的につくり、それをベースにして経営を行うということに腹をくくることである。つまり、営業方針から採用、人事制度などなど、至るところで「ブレなく企業文化が価値判断の基準となる会社をつくる」という腹決めをするということだ。