競業避止規定の留意点 【第1回】「競業避止規定の重要性」
終身雇用制の崩壊に伴い「就社」という「入社から定年まで一企業で労働」という思考から、労働者自身のライフプランの実現、グローバル化や情報化の傾向により、社内外問わず適材適所を求めた人の流動性が活発化している。
一方、企業にとってはポテンシャルの高い優秀な人材(取締役や支配人(会社法14条等)幹部労働者)、知識・ノウハウ・情報を持った労働者の流動は大きな痛手である。
活力ある会社を作る「社内ルール」の作り方 【第2回】「就業規則を作る時に必要な視点」
前回は、「権利と義務で統治することの限界」というテーマで「権利と義務」での統治はどんどん窮屈な会社を作っていくということを述べさせていただいた。
このやり方が進んでいくと「目的達成のために「自分たちがやるべきこと」をやる。」という積極前向きな姿勢ではなく、「決まったことだけやればいい。」「(組織にとって好ましくないとわかっていても)決まりがないからやってもかまわない。」という消極的な組織が出来上がってしまう。
そんな社員の集まりでは、スピードが要求される現在に対応できない。
有効な解雇手続とは 【第4回】「適正な解雇プロセス」
前回は解雇事由の必要性と解雇手続の実務ポイントについて解説したが、最終回である今回は、実際に解雇事案が発生したときに、その事案がトラブルに発展しないようにするための適正なプロセスについて解説する。
活力ある会社を作る「社内ルール」の作り方 【第1回】「権利と義務で統治することの限界」
複数の人間がひとつの場所でひとつの目的に向かって同じ方向を見るには、一定のルールが必要となってくる。
ルールがなければ、それぞれの人が自分なりの考えに基づいて行動することになり、一定基準以上の高い成果を継続的に上げつづけることが難しくなるからだ。
集団を効率的、効果的に動かすには、ルールが存在し、また、そのルールが社員に理解されている必要がある。
この理解というプロセスに極めて重要なのが、「文書によるルールの明文化」である。
有効な解雇手続とは 【第3回】「就業規則の作成と運用」
前回は解雇に関する法規制について解説した。
今回は、解雇手続を適正に行うために必要な就業規則の記載内容と実務上のポイントについて解説する。
新たな高速バスの法規制と労働問題 【第3回】「バス運転手の健康管理をめぐる問題と今後の法改正の動向」
バス事業者には、他の事業者と同様に雇入れ時及び1年以内ごとに1回(深夜業務に従事する場合には6ヶ月以内ごとに1回)の健康診断の受診が義務付けられている(労働安全衛生法第66条)が、国土交通省のホームページに公表されているネガティブ情報(行政処分歴情報)を見る限り、運転者の健康状態を把握していないバス事業者が存在していることが分かる。
このような状況下、てんかんなどの意識障害を起因とする交通事故を踏まえ、平成25年6月に改正道路交通法が公布された。
有効な解雇手続とは 【第2回】「解雇に関する法規制」
前回では、解雇トラブルを予防するには、「対象者」「理由」「手続」の3つの要素が適正であることが重要であるとお伝えした。
今回は、解雇に関する法律を取り上げて、それぞれの法律がどの要素の判断基準になっているかを解説する。
新たな高速バスの法規制と労働問題 【第2回】「過労運転防止対策としての交替運転者の配置基準の見直し」
新高速乗合バスは、乗合バス事業の許可を受けた事業者に限り運行が認められるが、国土交通大臣の許可を受けた場合には、その運行の一部の便数(事業計画の原則1/2)を、他の貸切バス事業者に委託することができる。
つまり、道路運送法35条に定められた「事業の管理の受委託」としての許可を取得した貸切バス事業者だけしか、新高速乗合バスの運行に携わることができないことから、高速ツアーバスに見られた取引の多重構造はなくなることになる。
有効な解雇手続とは 【第1回】「解雇の基礎知識」
本連載のテーマは「有効な解雇手続」である。
なぜタイトルに“有効”と“手続”という言葉を入れたのか、それは、解雇をめぐるトラブルの多くが感情論からスタートし、労使間で収拾できないまま大きなトラブルへと発展するケースが非常に多いからである。
解雇めぐるトラブルでは、手段の相当性(手続的理性)が重視される。つまり、会社が正しい手続を経て解雇を行えば“有効”になる可能性が高まり、正しい手続を経ないで行えば無効になる可能性が高いということである。
本連載では、4回にわたって解雇トラブルを防ぐための考え方や手続方法をお伝えするが、まず第1回目は、解雇をめぐる基本的な知識をお伝えする。
新たな高速バスの法規制と労働問題 【第1回】「業界を取り巻く状況」
本稿の公開日となる平成25年8月1日より、「高速ツアーバス」の運行は廃止され、「新高速乗合バス」に移行し、一本化された。
これは平成24年4月29日に関越道で発生した高速ツアーバス事故を契機に、国土交通省が事故の再発防止と高速バス及び貸切バスへの信頼回復のために策定した「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」に基づき、当初の計画を前倒して、「新高速乗合バス」をスタートさせたものである。
本連載では3回にわたり、高速バス業界を取り巻く状況と併せて、新たな高速バスの法規制と労働問題を取り上げていく。