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残業代の適正な計算方法 【第1回】 「労働時間の基本をおさえる」

本連載では、「残業時間の適正な計算方法」について、5回にわたって解説する。
まず、残業代を適正に計算するうえで大切なことは何であろうか。
それは、次の式の内容を正しく理解することである。
「残業代 = 残業単価 × 残業時間」
残業代が残業単価に残業時間を乗じて計算される以上、そのどちらかの数字が間違っていれば、当然「適正」な計算結果は得られない。
労使問題として頻繁に発生する未払賃金(未払残業)トラブルは、会社が残業代を全く支払わないという理由で生じることもあるが、多くの場合は、使用者が残業単価や残業時間を正しく理解しておらず、適正な計算が行われないために起こるのである。

#No. 17(掲載号)
# 井下 英誉
2013/05/02

〔時系列でみる〕出産・子を養育する社員への対応と運営のヒント 【第1回】「出産・育児に関する制度の全体像」

少子高齢化の進行に伴い、労働力人口は今後減少していくことが見込まれている。
企業による有能な人材の獲得競争は、ますます激しくなっていくであろう。
こうした状況の変化のなかで企業が人材を確保し、活用・定着を図っていくためには、従来の働き方や職場環境を見直し、従業員の仕事と家庭の両立を支援(以下、当連載では「両立支援」とする)するための取組みが不可欠といえる。
つまり、企業による両立支援の取組みは、一部の従業員を優遇するための福利厚生としてではなく、「重要な人的資源の活用のための経営戦略の一環」として実施する必要がある。
働く意欲のある女性が増えているなかで、出産を機に会社を辞めざるを得ないというのは、社員にとってだけではなく、会社にとっても大きな損失である。
当連載では、妊娠・出産・育児をする従業員に対し企業がすべきこと(又はしてはいけないこと)、仕事と家庭との両立を実現しやすくする支援策、企業が有能な人材を確保・活用していく際のヒントを、「妊娠」→「出産」→「育児」→「職場復帰」といった時系列で触れていくこととする。

#No. 17(掲載号)
# 佐藤 信
2013/05/02

改正労働契約法──各企業への適用に当たっての注意点 【第4回】「不合理な労働条件の禁止規定の創設」

今回の改正による規定で禁止されるのは、労働者の職務内容、当該職務の内容・配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、労働条件が不合理と認められるものであってはならないとされる。不合理とされた労働条件の定めは無効となり、不法行為(故意・過失による権利の侵害)として損害賠償が認められうると解されている。この規定により無効となった労働条件は、原則的に無期契約労働者と同じ労働条件が認められることとなる。

#No. 16(掲載号)
# 奥田 エリカ
2013/04/25

会社が取り組む社員の健康管理【第8回】「衛生管理体制・業務上傷病への補償」

業務に起因する疾病については、労災補償や損害賠償の訴訟による法的制裁だけでなく、会社の信用失墜による経営への悪影響など多大な社会的責任を負うことがあるため、会社の規模にかかわらず、安全・衛生面での対策は十分に行っておく必要がある。
「会社が取り組む社員の健康管理」の最終回は、法に基づく衛生管理体制の整備、業務上傷病への補償について触れていくこととする。

#No. 16(掲載号)
# 佐藤 信
2013/04/25

会社が取り組む社員の健康管理【第7回】「過重労働に伴う健康障害の防止」

長時間労働による健康問題のうち、致命的なものには脳・心臓疾患があり、労働災害として取り扱われている。
2001(平成13)年に公表された脳・心臓疾患の労災認定基準では、業務の過重性を評価する具体的な負荷要因(労働時間、交替制勤務・深夜勤務、精神的緊張を伴う業務など7つの項目)が示され、長期間の過重業務の負荷要因としては、労働時間が最も重要であると判断された。

#No. 15(掲載号)
# 佐藤 信
2013/04/18

改正労働契約法──各企業への適用に当たっての注意点 【第3回】「雇止め法理に関する実務対応」

雇止め法理とは、有期労働契約の労働者が、引き続き有期労働契約の申込みをした場合には、使用者が申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、従前の有期労働契約と同一の労働条件で申込みを承諾したものとみなされるというものである。
つまり、雇止めが無効となってしまうのである。
この場合、対象となる有期労働契約は、次のとおりである。

#No. 15(掲載号)
# 奥田 エリカ
2013/04/18

改正労働契約法──各企業への適用に当たっての注意点 【第2回】「無期労働契約転換ルールの適用とその効力」

実務上、無期労働契約の転換申込権が発生する有期労働契約の更新に際して、会社側には、労働者に転換申込権があることを通知する必要があるのだろうか。
この点については、厚生労働省労働基準局労働条件政策課が策定した質疑応答では、「法第18条には、そのような説明をする義務は定められていない」とされている。つまり、無期労働契約への申込権について対象労働者に説明をするか否かは任意であり、黙っていても問題はないこととなる。
しかし、無期転換の申込みは、労働者が行使すれば会社はこれを承諾したものとみなされるため、当事者双方が確認をする見地からも、また無用のトラブルを避けるためにも、制度について説明をする方がよいだろう。

#No. 14(掲載号)
# 奥田 エリカ
2013/04/11

会社が取り組む社員の健康管理【第6回】「メンタルヘルス対策」

近年、経済・産業構造が変化する中で、仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合が高くなってきた。
精神障害等に係る労災補償状況をみると、請求件数、認定件数とも近年、増加傾向にあり、社会的にも関心を集めている。
このようなことから、心の健康問題が労働者、その家族、事業場及び社会に与える影響がますます大きくなってきたといえる。
今回はメンタルヘルスの予防策を中心に、職場で取り組んでいくことが望ましいものについて触れていくこととする。

#No. 14(掲載号)
# 佐藤 信
2013/04/11

改正労働契約法──各企業への適用に当たっての注意点 【第1回】「法改正のポイントと無期転換ルール」

平成19年に公布された労働契約法が、昨年初めて改正された。
改正の主な目的は、簡単にいうと、不安定な有期雇用の労働者をより手厚く保護しよう、というものである。
いわゆる契約社員のみならず、パートタイマーやアルバイトを雇う場合も、かなりの場合、有期労働契約を締結しているだろう。したがって、多くの企業にとって、今回の改正には十分な理解と対策が不可欠である。
そこで、本連載の第1回及び第2回では、もっとも注目される無期転換ルールの検証と対応を検討する。さらに第3回、第4回では、雇止め法理の法定化、有期労働契約の不合理な労働条件の禁止について、今後想定される問題点とその対応をまとめることとする。

#No. 13(掲載号)
# 奥田 エリカ
2013/04/04

会社が取り組む社員の健康管理【第5回】「快適な職場環境作り」

労働者の多くは、1日のうちおよそ3分の1を仕事に関する時間として費やしているが、劣悪な環境、不自然な体勢など不快な状況での作業は心身へのストレスを大きくし、健康障害や作業能率の低下を生じさせる原因となることがある。
労働災害の減少、健康障害の防止のほか従業員の不満・不快な要因を取り除きながら事業活性化につなげていくためにも、快適な職場環境の形成は必要である。
作業環境や施設・設備などのハード面、人間関係その他のソフト面について現状を的確に把握し、優先順位を掲げながら職場の環境改善を図っていきたい。

#No. 13(掲載号)
# 佐藤 信
2013/04/04

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