現代金融用語の基礎知識 【第7回】「イスラム金融」
イスラム金融とは、イスラム法(シャリア)の教えに沿った金融のことである。イスラム教圏の社会では、シャリアの教えに沿った秩序が形成されているが、経済も同様である。イスラム経済を形成している産業をハラル産業というが、イスラム金融もそれに含まれる。なお、ハラルというと、豚肉などを使わない食品を思い浮かべるかもしれないが、ハラル産業は食品産業だけではなく、様々な分野にわたっている。
エコ関連(環境・エネルギーに関する)助成金・補助金とはどういうものか? 【第2回】「大幅拡充された『エネルギー使用合理化等事業者支援補助金』について」
前回、環境に関する助成金・補助金について紹介させていただいたが、今回はその中でも大注目の補助金である「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」を紹介したい。
何が注目かといえば、その予算額。実に約190億円もの予算が組まれている。
補助金の限度額としても、1事業あたりの補助金がなんと「50億円」とされているのだ。
エコ関連(環境・エネルギーに関する)助成金・補助金とはどういうものか? 【第1回】「関連する助成金・補助金の特徴と留意点」
よく「助成金」というと、雇用関係のものがイメージされやすいが、エコ関連(いわゆる環境・エネルギーに関する)助成金にも多様な種類のものがある。
会社を成長させる「会計力」 【第10回】「終わりなきリスクマネジメントへの取組み」
総合商社5社の2014年3期の連結純損益は、三菱商事4,477億円、三井物産4,221億円、伊藤忠商事3,102億円、住友商事2,230億円、丸紅2,109億円となり、各社のROEも資本コストを大幅に上回る、高パフォーマンスだった。
総合商社が業績を伸ばしてきた背景として、資源・エネルギー関連の収益が大きく寄与していることが指摘されるが、2000年初めからのダイナミックな経営改革の実行により総合商社の収益力が改善されたことに注目すべきであろう。
現代金融用語の基礎知識 【第6回】「影の銀行」
もともと「影の銀行」(シャドーバンキング:shadow banking)とは、銀行を通さずに行われる金融取引一般を指したが、現在では、通常、中国におけるそうした金融取引を指す。しかし、後述するように、銀行がまったく関与していないわけではなく、間接的には関与している。
中国においては、その「影の銀行」の規模が近年急激に拡大している。中国人民銀行によると、企業や政府系機関などが1年間に調達した資金のうち、銀行融資以外によるものの割合は、2003年は18.9%だったが、2013年は48.6%に達したとのことである。それは影の銀行の拡大を反映したものである。
会社を成長させる「会計力」 【第9回】「グローバル連結経営の『深化』」
少々古い話になるが、2007年11月に東京で「第4回IOSCO(証券監督者国際機構)国際コンファレンス」が開催され、IFRS関連のパネルディスカッションで当時のIASB(国際会計審議会)議長Sir David Tweedieと同席したことがあった。
現代金融用語の基礎知識 【第5回】「日本版スチュワードシップ・コード」
日本版スチュワードシップ・コードとは、金融庁に設置された「日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」が2014年2月26日に公表した「責任ある機関投資家の諸原則」のことであり、以下の7つの原則によって構成されている。機関投資家の投資先企業への適切な関与の仕方についての指針を示すものといえる。
会社を成長させる「会計力」 【第8回】「企業が永続する条件」
企業にとって「環境変化への適切な対応」は、企業として生き残る、さらには、持続的な成長を遂げるために必須の条件である。
現存する多くの老舗企業はこの「変化への対応」ができたからこそ現在も事業を続けているのだが、一方で企業の永続と成長は「変わってはならない経営の軸」を守り続けてきた結果でもある。
つまり、「変えていくべきもの」と「守り続けるべきもの」とがあるということだ。
現代金融用語の基礎知識 【第4回】「ビットコイン」
最近よく耳にするビットコインとは、インターネット上で流通する仮想通貨であり、その実体は暗号データである。「仮想通貨」と混同しがちな言葉に「電子マネー」があるが、それとは異なる。JR東日本のSuicaなどを思い浮かべるとわかるように、電子マネーは事前あるいは事後に入金する必要があり、あくまで円など実物のある通貨の裏付けを伴うものである。それに対して、ビットコインは、そうした通貨とは別の独立した仮想通貨なのである。
〈中小企業も気をつけたい〉 産業廃棄物に関する企業対応と不正業者による不法投棄リスク
数年前、大規模な産業廃棄物の不法投棄がニュースとなった。
その廃棄物の量は、実に約150万トン。廃棄物処理業者2社が首都圏などから運び込み、複数回にわたって不法投棄していたのだ。
2社は既に解散や破産しているが、不法投棄された自治体ではこれらの撤去や原状回復に数百億円かかっており、その費用に関して投棄を依頼した業者や関係者に請求する方針である。