フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第36回】「連結財務諸表における税効果会計(回収指針対応版)」
個別財務諸表で集計したものだけが一時差異ではない。連結手続によっても一時差異は生じる。連結手続により生じる一時差異のことを連結財務諸表固有の一時差異という。
連結財務諸表固有の一時差異についても税効果会計を適用する必要があるため、まず、連結財務諸表固有の一時差異を連結会社(納税会社)ごとに集計する(連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針(以下、「連結実務指針」という)10)。
また、連結財務諸表固有の一時差異も個別財務諸表における一時差異と同様に、将来減算一時差異と将来加算一時差異に分類することができる(連結実務指針5)。ただし、連結財務諸表固有の一時差異は、連結手続上で発生するだけで、実際の課税所得の計算には関係しないということに留意が必要である。
〔判決からみた〕会計不正事件における当事者の損害賠償責任 【第3回】「「取締役」の損害賠償責任」
今回は、首謀者ではない、または会計不正の事実を知らなかったと主張する取締役を被告として、株主らがその損害賠償責任を追及した2つの事件の判決を比較検討するかたちで、裁判所の判断の過程を考えてみたい。取り上げる判決は、前回に引き続き、ニイウスコー事件第1審判決(東京地方裁判所平成26年12月25日判決)とアーバンコーポレイション事件第1審判決(東京地方裁判所平成24年6月22日判決)である。
ファーストステップ管理会計 【第13回】「設備投資の経済性計算の要素」~ベーカリーはオーブンが決め手①~
企業が意思決定をする際に役立つ情報を提供するための会計が、意思決定会計です。今回からは、意思決定のうち、既存の枠組み自体を大きく変更するような「構造的意思決定」について考えます。
「構造的意思決定」の代表例は、新しい設備を導入するか、初期投資の必要なプロジェクトを実行するか、などの意思決定です。こうした大きな意思決定は、関係する金額が多額で、その影響が長期間に及びます。そのため、前回まで説明した日常的な意思決定(「業務的意思決定」)の場合とは異なる考え方をします。
電子マネー・仮想通貨等の非現金をめぐる会計処理と税務Q&A 【第12回】「トレーディング目的で仮想通貨を保有する場合の会計・税務」
トレーディング目的で仮想通貨を保有しようと考えています。取得時及び譲渡時、交換時並びに期末評価において、それぞれ会計処理はどのようにすればよいでしょうか。また、税務上、気をつけなければならないことはありますか。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第60回】株式会社ながの東急百貨店「第三者委員会調査報告書(平成29年6月13日付)」
ながの東急のカスタマーセンター担当者(マネージャー職)が、「ワールドジュエリー&ウォッチフェア」という名称の催事において、適正に顧客に販売をしたように装い、商品を転売するなどの不正な取引行為を行っていたことが発覚したため、ながの東急は、日弁連の第三者委員会ガイドラインに基づき選任した外部の専門家による、第三者委員会を設置した。
連結会計を学ぶ 【第7回】「連結決算日と決算日の変更」
連結財務諸表の作成において、連結財務諸表の作成に関する期間は1年であり、親会社の会計期間に基づいて、年1回一定の日をもって連結決算日とすると規定されている(「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号。以下「連結会計基準」という)15項)。
ただし、親会社と子会社は、その決算日が必ずしも一致するとは限らないので、連結会計基準などでは一定の規定を設けている。
電子マネー・仮想通貨等の非現金をめぐる会計処理と税務Q&A 【第11回】「仕入の対価として仮想通貨を支払った場合の会計・税務」
仕入取引を行った際、その対価の支払について仮想通貨による決済を行いました。会計処理はどのようにすればよいでしょうか。また、税務上、気をつけなければならないことはありますか。
〔判決からみた〕会計不正事件における当事者の損害賠償責任 【第2回】「「監査役」の損害賠償責任」
そこで、今回は、社外監査役である非常勤監査役を被告として、破産管財人らがその損害賠償責任を追及した2つの事件判決、セイクレスト事件控訴審判決(大阪高等裁判所平成27年5月21日)及びニイウスコー事件第1審判決(東京地方裁判所平成26年12月25日)におけるそれぞれの裁判所の判断と比較しながら、損害賠償責任について、裁判所がどのような判断を行ってきたのかを検討したい。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第134回】引当金の会計処理⑦「修繕・特別修繕引当金」
Q 当社は鉄鋼メーカーであり、大型の製造設備について法律に基づく定期点検や定期的・臨時的な修繕が発生しています。このような場合に必要な会計処理について教えてください。