収益認識会計基準(案)を学ぶ 【第2回】「基本となる原則」
「収益認識に関する会計基準(案)」(以下「収益認識会計基準(案)」という)は、会計処理を行うに際して、「基本となる原則」を規定している。
今回は、この「基本となる原則」について解説する。
〔判決からみた〕会計不正事件における当事者の損害賠償責任 【第6回】「コーポレートガバナンスと社外取締役・社外監査役」~まとめに代えて~
本連載では、複数の判決を比較しながら、有価証券報告書虚偽記載により損害賠償請求訴訟を提起された監査役、取締役、会計監査人、引受証券会社の責任について、裁判所の判断を検討してきた。
判決の言い渡し時期が異なるため、単純な比較はできないものの、取締役や監査役による、粉飾決算の防止や早期発見に対する株主などのステークホルダーの期待の高まりに呼応するかのように、裁判所の視線も厳しさを増しているように感じられるところである(たとえば、架空循環取引事件などについては、アイ・エックス・アイ事件の発覚後、内部監査部門や会計監査人に課される注意義務のレベルが一気に高くなっている)。
最終回となる本稿では、こうした株主等の期待に応えるために、社外取締役・社外監査役が果たすべきコーポレートガバナンスについて、最近の動向を紹介して、連載を締め括りたい。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第37回】「連結納税における税効果会計(回収指針対応版)」
税効果会計は大きく「個別財務諸表における税効果会計」、「連結財務諸表における税効果会計」、「連結納税における税効果会計」に分けることができる。今回は「連結納税における税効果会計」について解説する。なお、本解説では3月末決算の会社を前提に解説している。
連結納税における税効果会計は、個別財務諸表から連結財務諸表まで、以下の10のステップに分けることができる。
収益認識会計基準(案)を学ぶ 【第1回】「範囲と定義」
本シリーズでは、平成29年7月20日から意見募集が開始された「収益認識に関する会計基準(案)」(以下「収益認識会計基準(案)」という)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針(案)」(以下「収益認識適用指針(案)」という)についての解説を行う。
収益認識会計基準(案)は、わが国における収益認識に関する包括的な会計基準の開発として公表されたものである。意見募集は平成29年10月20日までである。
ファーストステップ管理会計 【第14回】「設備投資の経済性計算の方法」~ベーカリーはオーブンが決め手②~
ベーカリーに欠かせない設備はオーブンです。オーブンの容量や性能などは、パンの品質や製造量に大きな影響を与えますので、ベーカリー経営では、オーブン設備が重要な鍵をにぎります。
そのため業務用オーブンには、多額の投資が必要となります(高価であるためオーブンの中古市場があるほどです)。また、投資の効果は長期間に及びます。
こうした設備投資の経済性を判断する方法は、複数あります。前回に引き続き、ベーカリーの経営者になったつもりで、新オーブン導入プロジェクトについて意思決定してみましょう。
〔判決からみた〕会計不正事件における当事者の損害賠償責任 【第5回】「「引受証券会社」の損害賠償責任」
第5回目となる本稿では、上場申請にあたって審査を行った引受証券会社の責任について、【第1回】で取り上げた株式会社エフオーアイ(以下「FOI社」と略称する)の会計不正により損害を受けた個人株主らを原告とする損害賠償請求事件における、東京地方裁判所の判断を詳細に検討することとしたい。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第61回】富士フイルムホールディングス株式会社「第三者委員会調査報告書(平成29年6月10日付)」
富士フイルムホールディングス株式会社(以下「FH」と略称する)は、1934(昭和9)年設立。2016年10月1日付で、富士写真フイルム株式会社から商号変更して、持株会社へ移行。傘下に「イメージングソリューション」「インフォメーションソリューション」事業の中核会社である富士フイルム株式会社(以下「FF」と略称する)、「ドキュメントソリューション」事業の中核会社である富士ゼロックス株式会社(以下「FX」と略称する)をはじめ、多数の連結子会社を有する。
〔判決からみた〕会計不正事件における当事者の損害賠償責任 【第4回】「「会計監査人」の損害賠償責任」
本稿では、監査報告書において無限定適正意見を表明してきた会計監査人を被告として、株主らがその損害賠償責任を追及した2つの事件の判決を検討するかたちで、裁判所の判断の過程を考えてみたい。
取り上げる判決は、【第2回】【第3回】に引き続きニイウスコー事件第1審判決(東京地方裁判所平成26年12月25日判決)と、アイ・エックス・アイ事件第1審判決(大阪地方裁判所平成24年3月23日判決)である。
法務・会計・税務からみた循環取引と実務対応 【第3回】「会計からみた循環取引」
そこで、本稿においては、循環取引において主に問題となる収益の認識(計上)について理論的な整理を行った上で、実際に循環取引が発覚した場合に実務上しばしば問題となる過年度決算修正(循環取引が複数事業年度にわたり継続された場合における会計処理の修正方法)等について解説を行う。