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〔会計不正調査報告書を読む〕【第34回】株式会社東芝「第三者委員会調査報告書(平成27年7月21日付)」(後編)

第三者委員会によって提言された再発防止策は、認定した発生原因に対応するものとはいえ、残念ながらあまり具体的なものではない。
唯一実効性がありそうな施策として、「経営監査部を発展的に解消」したうえで、「各事業部門・カンパニー等から独立した立場」で、「社外取締役などを統括責任者とする」「強力な内部監査部門」を新設することが挙げられている。

#No. 131(掲載号)
# 米澤 勝
2015/08/06

〔会計不正調査報告書を読む〕【第33回】株式会社東芝「第三者委員会調査報告書(平成27年7月21日付)」(前編)

株式会社東芝(以下「東芝」という)は、平成27年7月20日に第三者委員会調査報告書を受領した旨、及びその要約版(以下「要約版」という)を公表し、翌21日には約300ページの大部となった調査報告書全文(以下「全文」という)を公表するとともに、取締役代表執行役社長以下8名の取締役と相談役で元社長の辞任が伝えられた。
この問題を、東芝が初めて公表したのは4月3日「特別委員会の設置に関するお知らせ」と題するリリースだった。それから3ヶ月半。特に7月に入ってからは、加熱するマスコミ報道、これを打ち消すような会社側のリリースが連日のように出されてきた。

#No. 130(掲載号)
# 米澤 勝
2015/07/30

〔会計不正調査報告書を読む〕【第32回】株式会社リソー教育「当社元取締役等に対する損害賠償請求の提起に係る意見書」

第三者委員会から調査報告書を受領したリソー教育は、そのわずか4日後、会計不正に主体的な役割を果たしていたとされた2名の取締役及び1名の子会社取締役の辞任を発表した。
すなわち、当時、リソー教育代表取締役社長であったI氏及び常務取締役であったA氏並びに名門会代表取締役社長であったO氏の3名が、取締役についても辞任したうえで、当時の代表取締役会長が代表取締役社長を兼務するというものであった。

#No. 124(掲載号)
# 米澤 勝
2015/06/18

〔会計不正調査報告書を読む〕【第31回】ジャパンベストレスキューシステム株式会社・「内部調査委員会調査報告書(平成27年4月28日付)」

平成26年、3次にわたり第三者委員会を設置して子会社の不正売上の調査を行い、調査報告書を公表したジャパンベストレスキューシステム株式会社は、平成27年3月12日、東京証券取引所に「改善状況報告書」を提出した。しかし、同時に、「内部調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表し、再度、社外取締役、社外監査役を委員とする調査を行うこととなった。本稿では、一連の経緯を確認するとともに、調査結果を検証することとしたい。

#No. 119(掲載号)
# 米澤 勝
2015/05/14

〔会計不正調査報告書を読む〕 【第30回】株式会社かわでん「第三者委員会調査報告書(平成27年3月13日付)」

平成26年秋ころ、山形工場購買外注グループの担当者は、別の担当者に対し、平成24年9月に退職した元従業員X1から発注依頼の電話がかかってくることに疑問を抱き、チームリーダーに相談したものの、チームリーダーは問題ないとの認識を示すのみであった。その後、12月になって、グループマネージャーが、X1からの依頼に基づく発注が多額であることを知り、社内の職制上の上位者である工場長を通じ、情報を経営トップに報告する。

#No. 118(掲載号)
# 米澤 勝
2015/05/07

〔会計不正調査報告書を読む〕 【第29回】株式会社アイセイ薬局「第三者委員会調査報告書(平成27年1月30日付)」

調査報告書冒頭に掲げられた「当委員会設置の経緯」によれば、アイセイ薬局は、証券取引等監視委員会開示検査課による金融商品取引法第26条に基づく開示検査を受け、過去の一部の工事請負契約、土地賃貸借契約及び不動産売買契約等に基づく取引(以下「本件疑義取引」という)につき、会計処理の適正性に関し疑義を呈された。
これを受けて、アイセイ薬局は、本件疑義取引に係る事実解明及び会計処理の適正性に係る事実解明を目的として、平成26年11月28日に取締役会を開催し、アイセイ薬局と利害関係を有しない中立・公正な外部の専門家から構成される第三者委員会を設置することを決議した。

#No. 115(掲載号)
# 米澤 勝
2015/04/16

〔会計不正調査報告書を読む〕 【第28回】オカモト株式会社「第三者委員会調査報告書(平成26年12月10日付)」

平成26年8月中旬頃、オカモト静岡工場に勤務する従業員から、静岡工場長に対し、帳簿在庫の数量や金額を不正に操作していることを示唆する告白があり、静岡工場における内部調査、本社経理部の管理職による内部調査により、詳細な金額は不明であるものの、棚卸資産の在庫金額が約4億円過大計上されており、過年度決算の訂正が生じる可能性の高いことが判明した。
その後、社内調査を行ってきた役職員に顧問弁護士を加えた社内調査委員会の設置を経て、社外の独立した弁護士及び公認会計士のみからなる第三者委員会による調査、再発防止策の提言を受けることを決定し、平成26年11月4日、適時開示を行った。

#No. 114(掲載号)
# 米澤 勝
2015/04/09

〔会計不正調査報告書を読む〕 【第27回】株式会社クワザワ「第三者委員会調査報告書(平成26年12月12日付)」

本件調査の対象となった会計不正は7つの事案を数えるが、そのうち5件について、その発覚の経緯として「外部からクワザワ従業員口座に不適切な金員が流入しているとの指摘があった」こととされている。
しかし、「外部」が具体的に何を意味するのかについては、調査報告書に言及はない。

#No. 110(掲載号)
# 米澤 勝
2015/03/12

〔会計不正調査報告書を読む〕 【第26回】株式会社エナリス 「第三者調査委員会調査報告書(平成26年12月12日付)」

エナリスが、「一部WEBサイトへの書込みについて」と題するリリースを公表したのは、平成26年10月24日であった。そこでは、エナリスの平成25年12月期有価証券報告書に記載のあるテクノ・ラボ株式会社(以下「テクノ・ラボ」と略称する)に対する売掛金10億500万円の実在性に関する疑義が書き込まれていることに対し、同社との契約解除を認めたうえで、同じ発電設備を東証一部の金融機関に販売し、12月末までに入金予定であることが説明されていた。

#No. 106(掲載号)
# 米澤 勝
2015/02/12

J-SOXの経験に学ぶマイナンバー制度対応のイロハ 【第3回】「安全管理措置は企業ごとの状況に応じたリスクを認識して構築する」

ところで、事業者によって、扱う個人番号の規模や特定個人情報等の取扱い事務の特性は異なる。上記の取扱規程等の趣旨をくみ取るならば、実際に個人情報ファイルの取扱規程等を作成するためには、各事業者の具体的な事務の流れを整理する必要があろう。

すなわち、ひな型となるモデル規程があったとしても、それは参考にするにとどまり、そのまま利用することはガイドラインの趣旨と異なると言える。この点は、ガイドライン策定の過程で特定個人情報保護委員会から公表されていた「取扱規程等について統一的なモデルを提示する予定はない」との考え方にもつながる。

#No. 105(掲載号)
# 金子 彰良
2015/02/05
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