税効果会計を学ぶ 【第7回】「一時差異等に係る税効果の認識」
一時差異等に係る税金の額は、将来の会計期間において回収又は支払いが見込まれない税金の額を控除し、繰延税金資産又は繰延税金負債として計上しなければならない(個別税効果会計実務指針16項)。
個別税効果会計実務指針21項では、大きく①収益力に基づく課税所得の十分性、②タックスプランニングの存在、③将来加算一時差異の十分性を規定している。
我が国では、税法上、将来加算一時差異をもたらすケースはそれほど多くはない。このため、繰延税金資産の可能性を判断する際には、上記①収益力に基づく課税所得の十分性がポイントになることが多いと考えられる。
税効果会計を学ぶ 【第6回】「対象となる税金と一時差異等」
Ⅰ 税効果会計の対象となる税金
法人税等とは、法人税、都道府県民税及び市町村民税(以下「住民税」という)並びに事業税(収入金額その他利益以外のものを課税標準とする事業税を除く)である。外国法人税等も法人税等に含まれる(「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第10号。以下「個別税効果会計実務指針」という)3項)。
税効果会計の対象となる税金をまとめると、次のようになる(個別税効果会計実務指針36項)。
税効果会計を学ぶ 【第5回】「繰延税金資産及び繰延税金負債等の表示方法並びに注記事項」
「税効果会計に係る会計基準」第三及び「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第10号。以下「個別税効果会計実務指針」という)28項から30項、45項は、繰延税金資産及び繰延税金負債等の表示方法を次のように規定している。
平成25年4月1日以降に適用される会計基準等のポイント
平成25年4月1日以降適用の会計基準等としては、次のものがあげられる。
本稿ではこれらの概要を述べており、適用忘れのないように注意が必要である。
税効果会計を学ぶ 【第4回】「適用する法定実効税率」
1 法定実効税率
「税効果会計に係る会計基準」第二、二、2は、繰延税金資産又は繰延税金負債の金額は、回収又は支払いが行われると見込まれる期の税率に基づいて計算すると規定している。
「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第10号。以下「個別税効果会計実務指針」という)は、税効果会計で使用する税率を「法定実効税率」と呼び、次のように算定すると規定している(個別税効果会計実務指針17項)。
税効果会計を学ぶ 【第3回】「繰延税金資産の回収可能性の判断ポイント」
一時差異等に係る税金の額は、将来の会計期間において回収又は支払いが見込まれない税金の額を除いて、繰延税金資産又は繰延税金負債として計上しなければならない(「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第10号。以下「個別税効果会計実務指針」という)16項)。
税効果会計を学ぶ 【第2回】「資産負債法と繰延法」
税効果会計の適用は、会計基準等に準拠して行うこととなる。
ただし、次のように税効果会計に関連する会計基準等は多数あるので、実務上、関連する規定を探すのに苦労することがある。そこで、データベース化された会計基準等を用いて、検索機能を活用することが考えられる。