〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務 【第11回】「原処分庁からの答弁書には何が書かれているか」
審査請求書が提出されて、形式審査の結果、それが適法のものである(却下事件ではない)と確認した場合、各地域国税不服審判所長(首席審判官)は、原処分庁に対して答弁書の提出を要求する。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第73回】「都市計画法による土地の買取と長期譲渡所得の特別控除事件」~最判平成22年4月13日(民集64巻3号791頁)~
都市計画法55条1項の事業予定地の指定を受けた土地を同法56条1項に基づいて都道府県知事等に売却したものの、土地所有者が具体的に建築物を建築する意思を欠いており、外形的に同項の形式を用いて売却したに過ぎない場合でも、その売却の対価について本件特例を適用することができるか。
monthly TAX views -No.110-「始まるか、独立財政機関の議論」
今年盛り上がるのではないかと考えられる議論の1つは、財政独立機関の設置だ。政府から独立性を保ち、中立的・専門的な観点から客観的なデータに基づいて経済や財政状況を評価・分析し、場合によっては政府に対して助言を行う公的機関で、欧米を中心にOECD加盟38ヶ国中26ヶ国が設立している。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例39】「役員退職給与の支払時における損金算入」
私は、中国地方において海産物の製造・販売業を営む株式会社Aにおいて経理部長を務めております。当社は大正時代に創業し、創業者のBが日本料理の味付けに必須のだしを取るのに便利な削り節を他社に先駆けて製造・販売したことから、戦前・戦後にかけてそれなりの企業規模にまで成長しました。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第16回】「経済活動基準のうちの実体基準にいう「固定施設」とは何か」
経済活動基準のうちの実体基準にいう「固定施設」とは、どのようなものを指すか、具体的にご教示ください。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第26回】「介護のために同居した場合の特定居住用宅地等の特例の適否」
被相続人である甲は、A土地及び家屋を所有し1人で居住していましたが、介護が必要となり、長男である乙は、相続開始の1年前から週の半分ぐらいはA土地及び家屋に寝泊まりするようになり、住民票もA土地及び家屋に移しました。
遺贈寄付の課税関係と実務上のポイント 【第8回】「不動産や株式等を遺贈寄付した場合の取扱い(その2)」~居住用財産の特別控除、相続空き家の特例、寄付金控除を利用する場合~
前回から、不動産や株式など(以下「不動産等」とする)の現物資産を遺贈寄付した場合の課税上の取扱いについて解説している。
不動産等の現物資産を遺贈寄付した場合には、みなし譲渡所得税が課税される可能性があることを前回述べた。
みなし譲渡所得税は寄付をした不動産等に含み益がある場合に課税されるが、含み益があれば必ず課税されるわけではない。含み益があっても課税されないケース、あるいは課税されても課税額が少なくなるケースについて今回は確認していくことにする。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第73回】
法人税基本通達2-1-14は、固定資産の譲渡に係る収益の帰属の時期について定めている。その内容を図表で示すと次のようになる。
《速報解説》 国税庁が“移転価格事務運営指針”及び“AOA指針”の一部改正を公表~グループ通算制度への移行に伴う経過的取扱い等を示す~
グループ通算制度は、完全支配関係にある企業グループ内の各法人を納税単位として、各法人が個別に法人税額の計算及び申告を行う制度となるため、今回、グループ通算制度への移行に伴い、令和4年2月14日において「移転価格事務運営要領」(※1)(以下「単体指針」という)及び「恒久的施設帰属所得に係る所得に関する調査等に係る事務運営要領」(※2)(以下「AOA指針」という)について、以下の改正が行われた。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第11回】「納税者に有利な「実質的」遡及課税とその問題性」-国税不服審判所平成31年3月25日裁決による法令解釈と閣議決定によるその変更-
第5回では、遡及課税は租税法律主義の下では原則として禁止されることを確認してきたが、このことは、遡及課税が納税者に不利な結果をもたらす場合についていえることである。つまり、逆にいえば、納税者に有利な遡及課税は許容されるのである。
この点に関して注目すべき動きが先月あった。