酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第105回】「節税義務が争点とされた事例(その8)」
本件は、医療法人であるX(原告)設立の際、X代表者である甲野が、当時自身の顧問税理士であったY(被告)との間で、その設立手続の一部をYが行う旨の契約(以下「本件契約」という。)を締結したことに端を発する事案である。
〔疑問点を紐解く〕インボイス制度Q&A 【第12回】「電子インボイスとデジタルインボイスの違い」
電子インボイスとデジタルインボイスの違いは何ですか。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q73】「前年に確定申告をしなかった譲渡損失がある場合の繰越控除の可否」
私(居住者たる個人)は、証券会社に源泉徴収を選択した特定口座を開設し、上場株式等を保有しています。2020年にこの源泉徴収選択口座で保有しているA株式について譲渡損失が発生していましたが、特に確定申告の手続きはしていませんでした。
2021年は、B株式について譲渡益が発生しましたが、源泉徴収選択口座で保有しているということもあり、確定申告は行わなくてよいと思っていたところ、上場株式等の譲渡損失は、翌年以後3年間繰越控除ができることを知りました。
2020年に発生したA株式に係る譲渡損失を、2021年に発生したB株式の譲渡益から控除することはできますか。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第27回】「区分登記がされていない場合の特定居住用宅地等の特例の適用(同居親族と別居親族の「居住していた」の要件の留意点)」
被相続人である甲(相続開始日:令和4年3月1日)は、下記の土地及び家屋を所有していました。土地建物の生前の利用状況は、下記の通り、1階部分は甲が居住の用に供し、2階部分は長女である乙家族が居住の用に供しています。区分登記はされていませんが、建物の各階ごとに玄関があり、構造上区分された建物で甲は1階で1人で生活をしていました。また、甲は乙から賃料を収受していませんでした。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第39回】「受益者連続型信託における登録免許税及び不動産取得税」
私Aは個人事業主として不動産賃貸事業をしていますが、80歳を迎え最近は物忘れが多くなりました。また、私の二男Cは障害があり(配偶者・子供なし)、将来、経済的に安定した生活を過ごせるか不安を感じています。賃貸事業は会社Xを経営している長男Bに承継してほしいと考えています。
〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務 【第11回】「原処分庁からの答弁書には何が書かれているか」
審査請求書が提出されて、形式審査の結果、それが適法のものである(却下事件ではない)と確認した場合、各地域国税不服審判所長(首席審判官)は、原処分庁に対して答弁書の提出を要求する。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第73回】「都市計画法による土地の買取と長期譲渡所得の特別控除事件」~最判平成22年4月13日(民集64巻3号791頁)~
都市計画法55条1項の事業予定地の指定を受けた土地を同法56条1項に基づいて都道府県知事等に売却したものの、土地所有者が具体的に建築物を建築する意思を欠いており、外形的に同項の形式を用いて売却したに過ぎない場合でも、その売却の対価について本件特例を適用することができるか。
monthly TAX views -No.110-「始まるか、独立財政機関の議論」
今年盛り上がるのではないかと考えられる議論の1つは、財政独立機関の設置だ。政府から独立性を保ち、中立的・専門的な観点から客観的なデータに基づいて経済や財政状況を評価・分析し、場合によっては政府に対して助言を行う公的機関で、欧米を中心にOECD加盟38ヶ国中26ヶ国が設立している。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例39】「役員退職給与の支払時における損金算入」
私は、中国地方において海産物の製造・販売業を営む株式会社Aにおいて経理部長を務めております。当社は大正時代に創業し、創業者のBが日本料理の味付けに必須のだしを取るのに便利な削り節を他社に先駆けて製造・販売したことから、戦前・戦後にかけてそれなりの企業規模にまで成長しました。