法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例39】「役員退職給与の支払時における損金算入」
私は、中国地方において海産物の製造・販売業を営む株式会社Aにおいて経理部長を務めております。当社は大正時代に創業し、創業者のBが日本料理の味付けに必須のだしを取るのに便利な削り節を他社に先駆けて製造・販売したことから、戦前・戦後にかけてそれなりの企業規模にまで成長しました。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第16回】「経済活動基準のうちの実体基準にいう「固定施設」とは何か」
経済活動基準のうちの実体基準にいう「固定施設」とは、どのようなものを指すか、具体的にご教示ください。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第26回】「介護のために同居した場合の特定居住用宅地等の特例の適否」
被相続人である甲は、A土地及び家屋を所有し1人で居住していましたが、介護が必要となり、長男である乙は、相続開始の1年前から週の半分ぐらいはA土地及び家屋に寝泊まりするようになり、住民票もA土地及び家屋に移しました。
遺贈寄付の課税関係と実務上のポイント 【第8回】「不動産や株式等を遺贈寄付した場合の取扱い(その2)」~居住用財産の特別控除、相続空き家の特例、寄付金控除を利用する場合~
前回から、不動産や株式など(以下「不動産等」とする)の現物資産を遺贈寄付した場合の課税上の取扱いについて解説している。
不動産等の現物資産を遺贈寄付した場合には、みなし譲渡所得税が課税される可能性があることを前回述べた。
みなし譲渡所得税は寄付をした不動産等に含み益がある場合に課税されるが、含み益があれば必ず課税されるわけではない。含み益があっても課税されないケース、あるいは課税されても課税額が少なくなるケースについて今回は確認していくことにする。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第73回】
法人税基本通達2-1-14は、固定資産の譲渡に係る収益の帰属の時期について定めている。その内容を図表で示すと次のようになる。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第11回】「納税者に有利な「実質的」遡及課税とその問題性」-国税不服審判所平成31年3月25日裁決による法令解釈と閣議決定によるその変更-
第5回では、遡及課税は租税法律主義の下では原則として禁止されることを確認してきたが、このことは、遡及課税が納税者に不利な結果をもたらす場合についていえることである。つまり、逆にいえば、納税者に有利な遡及課税は許容されるのである。
この点に関して注目すべき動きが先月あった。
組織再編成・資本等取引の税務に関する留意事項 【第7回】「試験研究を行った場合の税額控除(後半)」
平均売上金額とは、適用年度及び当該適用年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度の売上金額の平均額をいう(措法42の4⑧十一)。具体的には、適用年度の売上金額及び当該適用年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度(以下、「売上調整年度」という)の売上金額の合計額を当該適用年度及び当該各売上調整年度の数で除して計算した金額により算定される(措令27の4㉙)。
〔令和4年3月期〕決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第4回】「「所得拡大促進税制の見直し(大企業)」「所得拡大促進税制の見直し(中小企業者等)」「法人税の軽減税率」」
令和3年度税制改正における改正事項を中心として、令和4年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。第3回は「研究開発税制の見直し」及び「大企業に対する租税特別措置の適用除外の見直しと延長」について解説した。
最終回となる第4回は「所得拡大促進税制の見直し(大企業)」、「所得拡大促進税制の見直し(中小企業者等)」及び「法人税の軽減税率」について解説する。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例107(法人税)】 「役員給与の定期同額給与につき、業績悪化改定事由による減額改定に該当しないとして税務調査で否認された事例」
平成X9年3月期の法人税につき、依頼者の資金繰りが悪化したため、期中に2回、役員給与を減額したが、税理士は業績悪化改定事由に該当するとの判断から、何のアドバイスもしないまま、そのまま申告書を作成して提出した。
しかし、税務調査によりこれが認められず、減額された役員給与のうち1,700万円が損金不算入となってしまった。これにより、法人税等につき過大納付が発生したとして賠償請求を受けた。
