日本の企業税制 【第103回】「本年度末で適用期限を迎える「長期保有土地等の買換え特例」」
本年度末(令和5年3月31日)で適用期限切れとなる法人税関係の主要な租税特別措置のうち、試験研究を行った場合の法人税額の特別控除(研究開発税制)と並んで減税規模の大きい措置として、所有期間が10年を超える国内にある土地等、建物又は構築物から、国内にある一定の土地等、建物又は構築物への買換え特例(以下、「長期保有土地等の買換え特例」)がある(措法65の7①四)。
これからの国際税務 【第31回】「ミニマム税とEUにおける今後の法人税改正の方向性」
EUの経済・財務閣僚理事会(ECOFIN)は近年、パンデミック後の加盟国の回復予算を中心議題として協議し続けている。しかし、昨年12月に、第2の柱に基づくグローバルミニマム税構想を実現するためのEU指令案が、欧州委員会から提案されてからは、ECOFINは、全加盟国の合意が必要な同指令の成立に向けた協議にも焦点を当てている。
〈判例評釈〉ユニバーサルミュージック最高裁判決
本件は、国際的な企業グループであるユニバーサルミュージックの日本法人X(被上告人)が、同グループの日本における組織再編成のため、グループ内の外国法人から多額の資金を借り入れ(本件借入れ)、本件借入れに係る支払利息の額を損金に算入して申告したところ、処分行政庁が、当該支払利息の損金算入は、法人税の負担を不当に減少させるものとして、同族会社の行為計算の否認の規定を適用して更正処分等を行ったため、これを不服として出訴した事例である。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第38回】「M&Aにおける役員給与・役員退職給与の支給」
当社はM&Aの対象会社となっており、現在、株主と買手候補の間で基本合意契約書が締結され、株式譲渡の最終合意に向かって進んでいます。
現状において、役員報酬について留意すべき税務上の論点があれば教えてください。
基礎から身につく組織再編税制 【第40回】「適格現物出資(共同事業)」
前々回は「完全支配関係」、前回は「支配関係」がある場合の適格現物出資の要件を確認しました。
今回は、「共同事業」を行うための適格現物出資の要件について解説します。
相続税の実務問答 【第71回】「相続人に被相続人の死亡を知らせなかった場合の相続税の課税」
母は、2年前から施設に入所しています。1人で食事や入浴をすることが困難な状態で、多少、認知症の症状は認められるものの、私たち家族とは日常会話をすることはできます。
昨年8月2日に、父が亡くなりました。相続人は母、姉及び私の3名です。父の死を母に知らせると、母が落胆し、生きる気力を失ってしまうのではないかと思われましたので、姉と相談し、これまで母には父の死を知らせていませんし、今後もしばらくは、母には知らせないつもりです。新型コロナウイルス感染症がまん延してからは、施設の入所者との面会が制限されましたので、母とゆっくり話をする機会もなくなり、父の死を母に感づかれることもありませんでした。
姉と私は、相続税の申告期限である6月2日までに相続税の申告書を提出し、納税するつもりですが、母の申告はどうすればよいのでしょうか。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第37回】「新たに貸付事業の用に供された宅地等の判定(貸付事業用宅地等の判定)」
平成30年度税制改正により、貸付事業用宅地等の範囲から、被相続人等の貸付事業の用に供されていた宅地等で相続開始前3年以内に「新たに貸付事業の用に供された宅地等(相続開始の日まで3年を超えて引き続き特定貸付事業を行っていた被相続人等の当該貸付事業の用に供されたものを除く)」が除かれることになりましたが、次に掲げるA宅地からF宅地のうち、3年以内に「新たに貸付事業の用に供された宅地等」に該当するものを教えてください。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第107回】「節税商品取引を巡る法律問題(その1)」
税理士に節税義務なるものが当然に一般的に課されているのかという素朴な疑問を出発点として、これまでいくつかの事例を基に税理士の責任を論じてきた。結論めいたことを述べるのは早計であると思われるが、税理士法1条《税理士の使命》のみから直接に節税義務なるものを導出することは難しいといわざるを得ず、個々の事案ごとで異なる、納税者と税理士との契約内容等に踏み込んで、個別に判断すべきものであるという点を指摘できよう。
谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」 【第2回】「国税通則法1条」-国税通則法の目的と国税通則法制定の趣旨-
国税通則法1条は、同法の「目的」を定める規定(以下「目的規定」という)である。国税徴収法1条や「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」1条も同様に目的規定である。
