居住用財産の譲渡損失特例[一問一答] 【第37回】「離婚に伴う財産分与とその譲渡損失」-特殊関係者に対する譲渡-
X(夫)は、離婚に伴い、7年前から家族で居住の用に供してきた居住用家屋とその敷地をY(妻)に財産分与しました。
その際、Yが長女Zを養育し、Xは、Yに対しZの養育費として毎月20万円を交付することで合意しました。Yには他に収入がなく、Yは、Xから受け取る養育費によりZと共に暮らしています。
Xが分与する土地は、現在、取得価額以下に値下がりし、時価を基にして譲渡所得を計算すると譲渡損失が発生しました。
他の適用要件を満たしている場合に、Xは当該譲渡損失について「居住用財産買換の譲渡損失特例(措法41の5)」を受けることができるでしょうか。
〔疑問点を紐解く〕インボイス制度Q&A 【第4回】「「適格請求書発行事業者の登録申請書」の記載に関する注意点」~提出時は課税事業者であるが、インボイス制度開始時に免税事業者となる場合~
令和3年10月1日に資本金1,000万円で9月決算の法人を設立しました。主な売上先は事業者なので、インボイス制度のスタート時より適格請求書発行事業者になることを考えています。適格請求書発行事業者の登録申請書の提出期限と、申請書の書き方の注意点を教えてください。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第31回】「複数後継者、資産保有型会社等の場合の事業承継税制」
私は不動産賃貸業等を行うA社の代表取締役社長です。先代からA社株式の70%を相続しています。なお、30%は取締役副社長である私の弟Zが所有しています。A社の財政状態は下記の通り健全です。
〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務 【第3回】「再調査の請求(異議申立て)制度の基礎知識」
再調査の請求は、税務署長などが行った更正・決定や差押えなどの処分に不服がある納税者が、審査請求をする前に自ら選択して、当該処分を行った税務署長などに対して、処分の取消しや変更を求めて不服を申し立てる制度である。
平成28年4月1日以後の処分に係るものが対象であり、その前日以前の処分に係るものについては「異議申立て」というが、後者よりも不服申立期間の延長など若干の権利の拡充が図られている。
令和3年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第3回】「連結欠損金の控除上限の特例の創設」
連結納税制度においても、コロナ禍の厳しい経営環境の中、赤字であっても果敢に前向きな投資(カーボンニュートラル、DX、事業再構築・再編等)を行う大企業の連結グループに対し、コロナ禍の影響を受けた2年間に生じた連結欠損金額について、その投資額の範囲内で、最大5年間、連結欠損金の控除限度額を最大100%とする特例を創設している。
具体的には以下の取扱いとなる(新措法68の96の2、新措令39の121の4)。
monthly TAX views -No.102-「米国の富裕層増税、所得税か富裕税か」
米国では、非営利団体のプロパブリカが、IRS(内国歳入庁)から納税記録を非公式に入手し、次のようなタイトルで、アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏ら富裕層が、莫大な資産に比べて所得税をほとんど払っていないことを公表した。
令和3年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第2回】「DX投資促進税制の創設」
連結納税制度においても、デジタル技術を活用した企業変革を進める観点から、「つながる」デジタル環境の構築(クラウド化等)による企業変革に向けた投資について、税額控除又は特別償却ができる措置が創設されている(2年間の時限措置)。
連結納税制度におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)投資促進税制は、各連結法人を計算単位として税額控除額が計算され、各連結法人の税額控除額の合計額を連結法人税額から控除し、各連結法人の税額控除額が個別帰属額となる。
具体的には以下の取扱いとなる(新措法68の15の7①②④⑤)。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例31】「法人の破産手続きと破産債権に関する貸倒れの時期」
私は、中部地方において工作機械製造業を営む株式会社A(3月決算法人)で財務・経理部長を務めております。わが社の主要な取引先である自動車業界及び自動車部品業界は、わが国の製造業の中でもいわゆる「勝ち組」とされてきましたが、最近は将来の自動車に対する環境規制に関するグローバルスタンダードが、わが国企業が得意とする「ハイブリッド方式」や「水素エンジン」ではなく、欧米企業が注力している「電気自動車(EV車)」となる見込みで、そうなると自動車本体はもちろんのこと、エンジンをはじめとする自動車部品を製造しているわが国企業への影響は絶大なものとなり、業界の将来を考えると、正直いって頭が痛いところです。