〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第38回】「日本ガイシ事件-立地特殊優位性がもたらす利益の取扱いについて-(高判令4.3.10)(その2)」~租税特別措置法66条の4第1項、第2項1号ハ、同施行令39条の12第8項1号ハ~
本判決については、次の2点を評価する意見がある(※11)。第1は、「重要な無形資産以外の利益発生要因であっても、残余利益において考慮することを認めていることから」、重要な無形資産以外の利益発生要因は基本的利益、重要な無形資産は残余利益「の二分法を排除し、事案に応じた利益分割法の方法を提示した意味がある」点である。
日本の企業税制 【第124回】「令和6年度税制改正における新たな公益信託税制」
今回の改正法案には、公益法人制度改革と併せて、公益信託制度も公益法人制度と整合的なものとすることとされており、公益信託税制の抜本的な見直しも盛り込まれている。
〔令和6年3月期〕決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第2回】「「オープンイノベーション促進税制の見直し」「デジタルトランスフォーメーション (DX) 投資促進税制の見直しと延長」「中小企業防災・減災投資促進税制の見直しと延長」」
令和5年度税制改正における改正事項を中心として、令和6年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。本連載では、その中でも主なものを解説する。
【第1回】は「研究開発税制の見直し」について解説した。
【第2回】は「オープンイノベーション促進税制の見直し」、「デジタルトランスフォーメーション (DX) 投資促進税制の見直しと延長」及び「中小企業防災・減災投資促進税制の見直しと延長」について解説する。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第58回】「事前確定届出給与と役員賞与引当金」
当社は事前確定届出給与の制度を活用しています。翌事業年度に支給する予定の金額を当事業年度に引当金として計上したいのですが、何か注意すべき点はありますか。
基礎から身につく組織再編税制 【第61回】「非適格株式交換を行った場合の株式交換完全親法人、株式交換完全子法人、株式交換完全子法人の株主の取扱い」
今回は、非適格株式交換を行った場合の株式交換完全親法人、株式交換完全子法人、株式交換完全子法人の株主の取扱いについて解説します。
給与計算の質問箱 【第50回】「令和6年分所得税の定額減税」~月次減税~
令和6年度税制改正大綱に織り込まれ、実施が見込まれる令和6年分所得税の定額減税のうち、月次減税についてご教示ください。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第36回】
第34回の6で紹介した国税不服審判所令和4年3月23日裁決(裁決事例集未登載:TAINSコードF0-1-1362)では、暗号資産に係る所得の帰属についても問題となっている。
請求人は、次の点を挙げて、請求人とその母は共同出資者として暗号資産に投資し、その暗号資産を共同で管理していたことを前提として、暗号資産の投資による収入も請求人と母で各50%ずつにあん分すべきであると主張した。
相続税の実務問答 【第92回】「相続時精算課税における特別控除の選択適用」
私は、令和5年中に、父から500万円の現金の贈与を受けましたので贈与税の申告をしなければなりません。この贈与税の申告に当たっては、相続時精算課税を選択するつもりです。
ところで、数年後に父は自らが経営する会社の役員を退職する予定であり、その際に、その会社の株式を私に贈与してくれるようです。相続時精算課税を選択した場合には、2,500万円の特別控除を適用することができるとのことですが、株式の贈与を受けた際の税負担を軽減するために、今回の贈与税の申告では、特別控除を適用せず、株式の贈与を受けた年分の贈与税について特別控除2,500万円の全額を使用したいと思います。このような特別控除額の適用年分の選択をすることはできるのでしょうか。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第37回】「日本ガイシ事件-立地特殊優位性がもたらす利益の取扱いについて-(高判令4.3.10)(その1)」~租税特別措置法66条の4第1項、第2項1号ハ、同施行令39条の12第8項1号ハ~
わが国で、産業の空洞化の問題が取り質され、中小企業から大企業に至るまで様々な企業が海外に製造移管を行い久しい。企業の海外進出の目的は様々だが、主たる目的に、トータルコストの低減が挙げられる。日本に比しより廉価な労働賃金やインフラコストなどを提供する国・地域を求め、企業は進出している。移転価格において、ロケーション・セービング(Location Saving。以下、「LS」という)(※1)と表されるメリットを求めての企業行動である。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第128回】「消費税法上の実質行為者課税の原則(その1)」
所得税法や法人税法には実質所得者課税の原則が設けられているが、消費税法にも類似の規定が存在する。すなわち、消費税法13条《資産の譲渡等又は特定仕入れを行った者の実質判定》1項は、「法律上資産の譲渡等を行ったとみられる者が単なる名義人であって、その資産の譲渡等に係る対価を享受せず、その者以外の者がその資産の譲渡等に係る対価を享受する場合には、当該資産の譲渡等は、当該対価を享受する者が行ったものとして、この法律の規定を適用する。」とし、2項は、「法律上特定仕入れを行ったとみられる者が単なる名義人であって、その特定仕入れに係る対価の支払をせず、その者以外の者がその特定仕入れに係る対価を支払うべき者である場合には、当該特定仕入れは、当該対価を支払うべき者が行ったものとして、この法律の規定を適用する。」と規定する。