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これからの国際税務 【第3回】「ガイダンス文書からみた帰属主義適用の精緻化」

前回紹介したように、恒久的施設(PE)の実態が関連者間取引の複雑化や取引のデジタル化の下で変質すると、事業所得の算定方法であるPEへの帰属主義の適用も不安定にならざるを得ない。
「PEが存在する場合は、外国法人の所得のうちPEに帰属する所得を源泉地国は課税できる」とするOECDモデル条約の帰属主義の適用ガイダンスについて、更新が求められる所以である。

#No. 233(掲載号)
# 青山 慶二
2017/08/31

これからの国際税務 【第2回】「デジタルエコノミーの進展と恒久的施設(PE)の変質」

BEPS最終報告書の行動1(電子経済への対応)では、PE媒体を必要としない電子ビジネスの所得課税のためのNexusとして、従来のPEに代わる新たな概念導入を含めた3つのオプションが提示された(重要な経済的プレゼンス・電子商取引用源泉徴収・平衡税導入)。
ただし、当面はPE概念の修正等により課税の空白を埋める方策で対応可能と結論付け、オプションの詳細検討は将来に繰り延べている。

#No. 224(掲載号)
# 青山 慶二
2017/06/29

日本の企業税制 【第44回】「各国が署名した「BEPS防止措置実施条約」とは何か?」

6月7日、パリにおいて、わが国をはじめとする世界76ヶ国・地域が、「税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約」(BEPS防止措置実施条約)に署名、または署名の意思を表明した。

#No. 222(掲載号)
# 小畑 良晴
2017/06/15

日本の企業税制 【第43回】「国際課税に関する今後の改正動向を探る」

国際課税に関しては、平成28年度税制改正においては移転価格税制に係る文書化制度の整備(国別報告事項等)、平成29年度税制改正においては外国子会社合算税制の抜本見直しなど、連続して大きな改正が行われている。
今後、国際課税に関しどのような改正が行われる可能性があるのか、各動向から探ってみたい。

#No. 218(掲載号)
# 小畑 良晴
2017/05/18

これからの国際税務 【第1回】「変化する国際税務の焦点」

近年の経済のグローバル化の特徴は、①国際経済取引の担い手である多国籍企業間の激しい競争と、②国際取引におけるサービスの比重の拡大である。
これら2つの進展は、国際課税ルールの有効性に深刻な疑問を呈する要因となった。

#No. 215(掲載号)
# 青山 慶二
2017/04/20

monthly TAX views -No.51-「トランプ法人税改革における国境調整税の本質と障壁」

オバマケア代替案のとん挫で、共和党内の亀裂が明らかになった。トランプ政権の次なる改革は、国境調整税(ボーダータックス)を含む税制改革である。国境調整税は、個人、法人税の減税と異なり、大幅な税制の変更を伴うだけに、共和党内のコンセンサスは極めて難しそうだ。この部分だけ切り離される可能性もある。
そういう状況の中、3月24日、IMFシニアエコノミストで、国境調整税の論文の共同著者であるMichael Keen 氏と直接話す機会があったので、それを踏まえていろいろ考えてみた。

#No. 213(掲載号)
# 森信 茂樹
2017/04/06

日本の企業税制 【第39回】「外国子会社合算税制の抜本的見直し」

平成29年度税制改正大綱では、外国子会社合算税制(いわゆるタックスヘイブン税制)の抜本的な見直しが行われることとされた。
もっとも注目されるのが、いわゆるトリガー税率の廃止である。そして、トリガー税率の廃止に伴い、合算のルートが3つ用意されることとなる。

#No. 202(掲載号)
# 小畑 良晴
2017/01/19

monthly TAX views -No.48-「トランプの“border tax”(仕向地課税法人税)の評価」

新年早々、トランプ次期大統領がトヨタのメキシコ工場計画に対して、
Toyota Motor said will build a new plant in Baja, Mexico, to build Corolla cars for U.S. NO WAY! Build plant in U.S. or pay big border tax.
とツイートし、トヨタの時価総額4,000億円が失われた。
この件について日経新聞などは“border tax”を「関税」と訳していたが、それは間違いだ。

#No. 201(掲載号)
# 森信 茂樹
2017/01/12

金融・投資商品の税務Q&A 【Q23】「外国籍契約型投資信託の受益証券を保有する場合のタックス・ヘイブン税制の適用」

私(居住者たる個人)は、世界各国の上場株式等に投資をする契約型外国投資信託の受益証券を取得することを検討しています。会社型の外国投資法人の持分を一定程度以上取得した場合、タックス・ヘイブン税制が適用される可能性があるという話を聞きましたが、契約型外国投資信託にも同税制の適用がありますか。
なお、この外国投資信託は、投資信託及び投資法人に関する法律(以下、「投信法」)第2条第24項に規定する外国投資信託です。また、投信法第2条第4項に規定する証券投資信託に類しています。

#No. 197(掲載号)
# 箱田 晶子
2016/12/08

monthly TAX views -No.47-「トランプ税制の最大注目点」

トランプ大統領の誕生には驚かされたが、氏の税制改革案も驚くべき内容だ。
税率引下げによる所得税減税は高所得者優遇になり、さらなる格差の拡大につながる。法人税率の大幅な減税は、失敗に終わったレーガン1期の税制改革を想起させる。さらに財源なき大幅減税は、財政赤字の拡大・金利高騰をもたらす(すでに先取りが始まっている)。

#No. 196(掲載号)
# 森信 茂樹
2016/12/01
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