日本の企業税制 【第27回】「平成28年度税制改正における国際課税関係の概要」
昨年10月のBEPS最終報告を受けて、今後、わが国でも関係法制の整備が進められていくが、平成28年度税制改正では、まず行動13:移転価格税制に係る文書化に対応した制度が整備される。
また、国交のない国との間での租税条約に相当する枠組みとして、民間ベースの日台租税取決めを国内で実施するための措置がなされる。
このほか、外国子会社合算税制の見直しなどもなされており、本稿では、平成28年度税制改正における国際課税関係の改正を整理することとしたい。
これだけ知っておこう!『インド税制』 【第6回】「インドのVAT」
この連載の最終回となる今回は、インドの「VAT」について紹介しよう。
VATは、前回説明した「サービス税」とは異なり、「モノ」にかかる間接税で、正式名称は“Value Added TAX”である。
日本語では「付加価値税」と訳すケースが多い。また、物品税やサービス税と異なり「州税」なので、「州付加価値税」と訳されるケースもある。
このVATは州ごとにその税率が異なるため、日本の専門家にとってとっつきにくいものだと思われるので注意を要する。
これだけ知っておこう!『インド税制』 【第5回】「インドのサービス税」
サービス税を簡単に言えば「モノではなくサービスにかかる消費税」となる。サービスは製造業であってもメンテナンスなどが結局サービスに分類されるので、おそらくほとんどの日系企業が関わりを持つことになる。今回はこのサービス税について、その概要を押さえることとする。
これだけ知っておこう!『インド税制』 【第4回】「インドの物品税」
インドの物品税とは、インド国内での「製造」に対して課せられる間接税の1つである。
基本税率は本年2015年の予算案改正により教育目的税も含めて12.5%と改正された。
筆者がインドで仕事を始めた当時は10%であり、その後12%、そして今回12.5%となったことを考えると、ずいぶんと企業の負担は重くなったというのが正直な実感である。
日本の企業税制 【第24回】「BEPS最終報告書と今後の動向」
OECD 加盟国に中国、インド、ロシア等のOECD非加盟の8ヶ国が参加して進められてきたBEPS(Base Erosion and Profit Shifting=税源浸食と利益移転)プロジェクトは、10月5日に1,600ページを超える最終報告書を公表して、一応、完結した。
これだけ知っておこう!『インド税制』 【第3回】「インドの間接税」
前回までインドの法人所得税・個人所得税の基礎情報について触れたので、第3回となる今回はインドの「間接税」について解説することとする。
インドでビジネスをする時に大きな障壁になるのが、実はこの「間接税」。日本と比べてインドはこの間接税が非常に複雑なのである。
誤解を承知でシンプルに言うと「日本の消費税が何種類もある」というイメージなのだが、そんな間接税が「どうして複雑なのか」ここでは簡単に全体像を俯瞰することとする。
連結納税適用法人のための平成27年度税制改正 【第12回】「国際税務の改正」
連結納税制度に係る外国子会社配当益金不算入制度については、外国子会社の範囲において、他の連結法人が保有する外国法人の株式等を含めて、25%以上の保有割合要件を判定すること以外は単体納税制度と同じ取扱い(同じ番号の条文が適用される)となるため、税制改正についても単体納税法人と同様のものなる。
これだけ知っておこう!『インド税制』 【第2回】「インドの個人所得税」
まず日本においてはサラリーマンであっても「給与所得控除」という形の「経費」が最低65万円認められているが、インドにおいてはこれに該当するものがない。同様に日本においては基礎控除が38万円、結婚して、かつ配偶者が働いていない場合はさらに38万円の配偶者控除が認められているが、これもない。
日本の企業税制 【第22回】「BEPS行動14:紛争解決」
2014年12月18日、OECD租税委員会より公開討議草案「効果的な紛争解決メカニズムの策定」が公表されており、経団連では、2015年1月16日にコメントを提出している。
移転価格課税等による国際的二重課税の解決手段としては、租税条約の相互協議条項に従って、納税者の要請に基づき租税条約締結国の権限ある当局間で行われる政府間協議があるが、合意義務はなく、そもそも、租税条約の中に相互協議に関わる条項が存在しない国もある。
