谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」 【第10回】「国税通則法15条(及び16条)」-納税義務の成立と確定-
国税通則法は、これまで検討してきた「第1章 通則」に続き、「第2章 国税の納付義務の確定」について規定しているが、今回は、第2章の「第1節 通則(第15条・第16条)」について、「納税義務の成立」と「その納付すべき税額の確定」(以下「納税義務の確定」という)を定める国税通則法15条の規定を中心に検討することにする。
令和4年分 確定申告実務の留意点 【第2回】「最近の改正事項等の再確認」
数年にわたり所得税に関して多くの改正があり、確定申告書の様式も一部が変更されている。これらの改正事項や様式の変更は、令和4年分の確定申告においても重要である。
そこで、本連載第2回は、最近の改正事項等(前回取り上げた項目以外)の再確認を行うこととする。
なお、各改正事項の詳細については、下記拙稿もご参照いただきたい。
〔疑問点を紐解く〕インボイス制度Q&A 【第22回】「不動産管理会社による家賃集金の受託について」
不動産管理業を営んでいます。賃貸物件のメンテナンスのほか、貸主に代わってテナントからの家賃の集金も行っています。
事業用の賃貸物件のテナントから「貸主は適格請求書発行事業者なのか?」、「貸主の登録番号を教えてほしい」という問い合わせが来ています。どのように対応したらよいのでしょうか。
〈事例から理解する〉税法上の不確定概念の具体的な判断基準 【第1回】「国税通則法第65条第4項第1号の過少申告加算税が課されない「正当な理由」のハードル」
本稿は、「不確定概念」を含む代表的な税法規定の課税要件について、国税不服審判所が採用する法令解釈の出所を、事例を題材として解説するとともに、「このような事例は国税不服審判所において争う価値がある(取消しの可能性がある)」「このような事例ではお気の毒ながら救済は難しい(棄却の可能性が高い)」といった目利きを養っていただくことを目的としている。
〈徹底分析〉租税回避事案の最新傾向 【第4回】「グループ法人税制外し」
実務上、資産の含み損を実現させるためだけにグループ会社に資産を譲渡する行為について、法人税法上、損金性が否認される可能性があるか否かという点が問題になりやすい。
この点については、平成22年度税制改正により、グループ法人税制が導入され、完全支配関係のある内国法人間における資産の譲渡については譲渡損益が繰り延べられることになり(法法61の11①)、非適格組織再編成に伴う資産の譲渡についても同様に譲渡損益が繰り延べられることになった。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第49回】「会社規模の変更による株価対策」
私はオフィスビルの管理・清掃業を営むB社を経営しています。近い将来、長男のF専務への事業承継を考えているのですが、顧問税理士からは株価対策を行ってからB社株式を贈与した方がよいとのアドバイスを受けています。
当社は利益体質の会社ではないのですが、昔から保有している土地の含み益が非常に大きく、類似業種比準価額方式よりも純資産価額方式による株価のほうが高くなっています。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第67回】「売買契約中に相続が発生した場合における買主側に係る小規模宅地等の特例の適否」
被相続人である甲(相続開始は令和4年10月1日)は、甲とその配偶者である乙が居住の用に供していたA土地及び建物を所有していましたが、令和3年にA土地及び建物を売却しています。
その売却代金を基に新たにB土地及び建物を購入予定でしたが、令和4年8月1日に甲が売買契約を締結(売買契約日に手付金10%相当の支払いを行っています)した後に、引渡しを受ける前に甲が死亡しました。甲の相続人は乙1人のみであり、買主の権利義務を承継した乙は、残代金を令和5年3月1日に支払い、B土地及び建物の引渡しを受け、居住の用に供しています。
monthly TAX views -No.120-「財政へのコミットなければ金融正常化の出口は混乱」
今年のわが国経済最大の課題は、日銀の金融政策がいつどう変わっていくのかという点だ。昨年暮れ、クリスマス休暇でのマーケットのすきを突く形で、10年国債金利の上限が0.25%から0.5%へと拡大され激震が走った。今後はより本格的な政策変更であるマイナス金利の撤廃が課題となる。
令和4年分 確定申告実務の留意点 【第1回】「令和4年分の申告から取扱いが変更となるもの」
今回から3回シリーズで、令和4年分の確定申告に係る実務上の留意点を解説する。
第1回は、令和4年分の確定申告から変更となる次の①から③を取り上げる。
① 住宅借入金等特別控除に関する改正
② 申告書等の様式の見直し
③ 申告と納税の利便性の向上