公開日: 2023/08/24 (掲載号:No.532)
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〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第23回】「住友銀行外税控除否認事件-受益者条項からみたケース別否認類型の検討-(地判平13.5.18、高判平14.6.14、最判平17.12.19)(その2)」~法人税法69条ほか~

筆者: 畠山 和夫

〈一角塾〉

図解で読み解く国際租税判例

【第23回】

「住友銀行外税控除否認事件
-受益者条項からみたケース別否認類型の検討-
(地判平13.5.18、高判平14.6.14、最判平17.12.19)(その2)」

~法人税法69条ほか~

 

税理士 畠山 和夫

 

《(その1)はこちら

1 はじめに

2 日本の外税控除余裕枠肩代わりスキーム

3 S銀二事件の事実及び背景

(1) S銀二事件の事実の概要

(2) S銀二事件共通の取引条件ポイント

4 主な課税減免規定の適用否認事由に関する争点整理

(1) 否認事由の項目例示

(2) 主な否認事由の争点整理

(3) 狭義及び広義(制度濫用理論)の課税減免規定限定解釈に関する賛成反対意見

(4) まとめ

 

5 S銀二事件のケース別の租税条約・外国法令に対する違反性

(1) 外税控除と租税条約(矢内一好「外国税額控除事案の最高裁判決」税務弘報54巻4号、158頁より引用、括弧内は筆者追記)

外国税額控除事案は、租税条約の関係する、オーストラリア源泉税を吸収するスキーム(S銀行R事件)と、租税条約の関係しない、ニュージーランド源泉税を吸収するスキーム(W銀行事件)、クック諸島源泉税を吸収するスキーム(D銀行事件)、メキシコ源泉税を吸収するスキーム(S銀行P事件)に分けることができる。メキシコスキームが行われた当時(平成3年)、日本とメキシコの間に租税条約はなく(日本・メキシコ租税条約は平成8年に発効)、クック諸島は、ニュージーランドの自治領(準独立国)であり、タックスヘイブンであることから、日本・ニュージーランド租税条約では、その適用地域から除かれている。日本・ニュージーランド租税条約に利子所得に関する規定はない。オーストラリアの場合、非居住者の利子所得に対する源泉徴収は、国内法の税率と租税条約の限度税率が10%とおなじである。

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図解で読み解く国際租税判例

【第23回】

「住友銀行外税控除否認事件
-受益者条項からみたケース別否認類型の検討-
(地判平13.5.18、高判平14.6.14、最判平17.12.19)(その2)」

~法人税法69条ほか~

 

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1 はじめに

2 日本の外税控除余裕枠肩代わりスキーム

3 S銀二事件の事実及び背景

(1) S銀二事件の事実の概要

(2) S銀二事件共通の取引条件ポイント

4 主な課税減免規定の適用否認事由に関する争点整理

(1) 否認事由の項目例示

(2) 主な否認事由の争点整理

(3) 狭義及び広義(制度濫用理論)の課税減免規定限定解釈に関する賛成反対意見

(4) まとめ

 

5 S銀二事件のケース別の租税条約・外国法令に対する違反性

(1) 外税控除と租税条約(矢内一好「外国税額控除事案の最高裁判決」税務弘報54巻4号、158頁より引用、括弧内は筆者追記)

外国税額控除事案は、租税条約の関係する、オーストラリア源泉税を吸収するスキーム(S銀行R事件)と、租税条約の関係しない、ニュージーランド源泉税を吸収するスキーム(W銀行事件)、クック諸島源泉税を吸収するスキーム(D銀行事件)、メキシコ源泉税を吸収するスキーム(S銀行P事件)に分けることができる。メキシコスキームが行われた当時(平成3年)、日本とメキシコの間に租税条約はなく(日本・メキシコ租税条約は平成8年に発効)、クック諸島は、ニュージーランドの自治領(準独立国)であり、タックスヘイブンであることから、日本・ニュージーランド租税条約では、その適用地域から除かれている。日本・ニュージーランド租税条約に利子所得に関する規定はない。オーストラリアの場合、非居住者の利子所得に対する源泉徴収は、国内法の税率と租税条約の限度税率が10%とおなじである。

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連載目次

〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例

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筆者紹介

畠山 和夫

(はたけやま・かずお)

畠山和夫税理士事務所 所長/税理士

大阪府出身。昭和25年生まれ。京都大学法学部卒業。甲南大学大学院法学研究科修了。

大学卒業後銀行に入行。海外支店では、日本の企業が海外に製造拠点を展開する頃の貿易業務、ファイナンス等を経験しました。また、国内においては、業務開発を行う部門で、バブル期の各種の投資商品が盛んな頃に、先物・オプション・スワップ等の金融派生商品や海外不動産・航空機リースのファイナンス等海外の投資スキ-ムに接する機会をもちました。
銀行退職後、平成9年に税理士登録を行い、同年畠山和夫税理士事務所を開設し創業者支援を含めて幅広く税理士業務を展開し現在に至っております。
銀行時代は主に営業職として取引先のいろいろなニ-ズを発掘して提案する業務を行っていましたので、その経験を生かし顧問先のいろいろなニ-ズに応えることができるように心がけています。
もともと法科出身ですので、税法も法律の一部門であり、また課税要件は主に私法の法律関係をベースにしていますので、租税法だけでなく私法や訴訟法の領域についても幅広く研鑽していきたいと思います。

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