法人税の解釈をめぐる論点整理
《役員給与》編
【第7回】
弁護士 木村 浩之
6 認定賞与
(1) 認定賞与の意義
認定賞与は、税法上の用語ではなく、実務上の用語であるが、役員に対して供与されたとみられる金銭又は経済的利益について、役員給与として処理がなされていない場合に、課税当局がその経済的利益の供与等を実質的に役員に対する賞与と認定する場合を「認定賞与」と呼んでいる。
具体的には、本来役員個人が負担すべきものを法人が負担している場合、法人と役員との間で無償又は役員に有利な対価で取引がなされた場合、売上除外金や使途不明金などが役員個人に帰属する場合などで、役員がその役員たる地位に基づいて実質的な利益を享受したとみられるときに、賞与と認定されることになる。
なお、利益の享受が役員としての地位に基づくものではない場合(例えば、株主としての地位に基づく場合)は、賞与(給与所得)ではなく、その実質に応じて、配当所得などと認定されることになる。
税務調査等において役員賞与の認定がなされた場合には、法人税の損金算入が認められないのみならず、給与所得の源泉徴収が必要となることから、法人にとって相当の負担になることが多く、実務上、問題となりやすいといえる。
以下では、認定賞与が問題となる典型的な場合を取り上げ、関連する論点について整理することとしたい。
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