理由付記の不備をめぐる事例研究
【第24回】
「雑収入(受取利息)」
~受取利息の雑収入計上が漏れていると判断した理由は?~
千葉商科大学商経学部講師
泉 絢也
今回は、青色申告法人X社に対して行われた「受取利息の計上漏れ」に係る法人税更正処分の理由付記の十分性が争われた京都地裁昭和54年2月23日判決(訟月25巻6号1680頁。以下「本判決」という)を素材とする。
1 更正通知書に記載された更正の理由(本件理由付記)
更正の理由
貴法人備え付けの帳簿書類を調査した結果、所得金額等の計算に誤りがあると認められますから次のように申告書に記載された所得金額等に加算して更正しました。
(受取利息の計上漏れ 〇〇〇円)
次表のとおり、S銀行G支店ほか8口の定期預金の受取利息を当期の益金の額に算入します。
(注) 本件理由付記は、素材とした本判決の判決文から読み取ることができる理由付記の一部を筆者が加工して作成したものである。
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