公開日: 2020/12/22
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《速報解説》 大綱記載の「税務関係書類の押印義務見直し」、施行日前から取扱いを開始~閣議決定受け国税庁等が方針示す~

筆者: Profession Journal 編集部

《速報解説》

大綱記載の「税務関係書類の押印義務見直し」、施行日前から取扱いを開始

~閣議決定受け国税庁等が方針示す~

 

Profession Journal編集部

 

〔追記:2021/2/9〕
2月9日付けで下記国税庁ホームページが更新され、代理人の押印の有無について情報が追加されました。

既報の通り令和3年度税制改正大綱では、政府の方針を受け、税務関係書類における押印義務について見直しを行うことが、下記のとおり明記された。

提出者等の押印をしなければならないこととされている税務関係書類について、次に掲げる税務関係書類を除き、押印を要しないこととするほか、所要の措置を講ずる。

(1) 担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類

(2) 相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類

(注1) 国税犯則調査手続における質問調書等への押印については、刑事訴訟手続に準じた取扱いとする。

(注2) 上記の改正は、令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類について適用する。

(注3) 上記の改正の趣旨を踏まえ、押印を要しないこととする税務関係書類については、施行日前においても、運用上、押印がなくとも改めて求めないこととする。

(※) 地方税関係書類についても、原則、押印を不要とする見直しが行われる。

このように、税務署長等に提出する税務関係書類のうち、納税者等の押印を求めているものについては、国税・地方税ともに、原則として、押印義務が廃止される。

ここで注目したいのは上記(注3)で、この改正は令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類について適用するとされているものの、施行日前においても、対象となる税務関係書類については、押印がなくとも改めて求めないとしている点だ。実質、施行前の取扱い開始ともいえる。

そして12月21日(月)に大綱が閣議決定されたことから、国税庁は下記の情報を公表、「この閣議決定に基づき、全国の税務署窓口においては、本件見直しの対象となる税務関係書類について押印がなくとも改めて求めない」ことを明らかにした。

【参考】 国税庁ホームページ
税務署窓口における押印の取扱いについて

なお国税不服審判所のホームページでも同様の方針が示されている。

今回の見直しにより押印を要しないこととされる税務関係書類には、所得税の確定申告書も該当するため、来年3月15日が申告期限となる令和2年分の所得税の確定申告書においても、押印が不要とされることになろう。なお税理士の署名押印について今回の改正による影響を受けるのかは明らかとなっていない。

(※) 税理士の署名押印義務については税理士法第33条に規定されている。

〔追記:2021/1/29〕
令和3年度税制改正法案(P265)において、税理士等が税務代理をする場合における租税に関する申告書等について、押印を要しないこととする改正が織り込まれました(税理士法第33条、第33条の2関係)。

(了)

《速報解説》

大綱記載の「税務関係書類の押印義務見直し」、施行日前から取扱いを開始

~閣議決定受け国税庁等が方針示す~

 

Profession Journal編集部

 

〔追記:2021/2/9〕
2月9日付けで下記国税庁ホームページが更新され、代理人の押印の有無について情報が追加されました。

既報の通り令和3年度税制改正大綱では、政府の方針を受け、税務関係書類における押印義務について見直しを行うことが、下記のとおり明記された。

提出者等の押印をしなければならないこととされている税務関係書類について、次に掲げる税務関係書類を除き、押印を要しないこととするほか、所要の措置を講ずる。

(1) 担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類

(2) 相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類

(注1) 国税犯則調査手続における質問調書等への押印については、刑事訴訟手続に準じた取扱いとする。

(注2) 上記の改正は、令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類について適用する。

(注3) 上記の改正の趣旨を踏まえ、押印を要しないこととする税務関係書類については、施行日前においても、運用上、押印がなくとも改めて求めないこととする。

(※) 地方税関係書類についても、原則、押印を不要とする見直しが行われる。

このように、税務署長等に提出する税務関係書類のうち、納税者等の押印を求めているものについては、国税・地方税ともに、原則として、押印義務が廃止される。

ここで注目したいのは上記(注3)で、この改正は令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類について適用するとされているものの、施行日前においても、対象となる税務関係書類については、押印がなくとも改めて求めないとしている点だ。実質、施行前の取扱い開始ともいえる。

そして12月21日(月)に大綱が閣議決定されたことから、国税庁は下記の情報を公表、「この閣議決定に基づき、全国の税務署窓口においては、本件見直しの対象となる税務関係書類について押印がなくとも改めて求めない」ことを明らかにした。

【参考】 国税庁ホームページ
税務署窓口における押印の取扱いについて

なお国税不服審判所のホームページでも同様の方針が示されている。

今回の見直しにより押印を要しないこととされる税務関係書類には、所得税の確定申告書も該当するため、来年3月15日が申告期限となる令和2年分の所得税の確定申告書においても、押印が不要とされることになろう。なお税理士の署名押印について今回の改正による影響を受けるのかは明らかとなっていない。

(※) 税理士の署名押印義務については税理士法第33条に規定されている。

〔追記:2021/1/29〕
令和3年度税制改正法案(P265)において、税理士等が税務代理をする場合における租税に関する申告書等について、押印を要しないこととする改正が織り込まれました(税理士法第33条、第33条の2関係)。

(了)

連載目次

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