法人税に係る帰属主義及び
AOAの導入と実務への影響
【第4回】
「改正の内容③」
税理士法人トーマツ
パートナー
税理士 小林 正彦
連載の目次はこちら
3-1-5-4 PE帰属資本に対応する負債利子の損金不算入
(1) 概要
AOAでは機能リスク分析の結果、PEが分離独立した企業であるとした場合に負担すべきリスクに見合う資本がPEに帰せられるべきとの考え方をとる。PEの有利子負債の額とPE帰属資本相当額(=自己資本+資本配賦額)を比較し、前者が後者を超える部分に相当する支払利子は損金不算入とされる(法法142の4①)。
(算式)
(注) 分子がマイナスになる場合はゼロとする。「分子>分母」の場合は分母の額を上限とする。
(注1) PEを通じて行う事業に係る負債の利子:手形割引料その他経済的な性質が利子に準ずるものが含まれる(法令188⑩)。
(注2) 上記負債利子の額:次のA+B+C-D(法令188⑪)
A:PEを通じて行う事業に係る負債の利子の額(B、Cの金額を除く)
B:内部取引において外国法人のPEが他の本店等に対して支払う利子に該当することとなるものの額
C:本店配賦経費に含まれる負債の利子の額
D:外国銀行等の資本に係る負債利子の損金算入によりPEの帰属所得の計算上損金に算入される金額
(図解) 負債利子の損金不算入額の計算方法のイメージ
(※) 上記及び下記①~⑨の算式・図表については「平成26年度税制改正の解説」(財務省)699~711頁より引用。
(2) PE帰属資本相当額
PE帰属資本相当額とは、外国法人の資本に相当する額のうちPEに帰せられるべき金額をいい、独立企業原則との整合性及び執行可能性といった観点から、「資本配賦法」と「同業法人比準法」のいずれかにより計算する(法令188②~⑥)。
イ 資本配賦法
外国法人の資本の額に、PE帰属資産の額の外国法人の総資産の額の割合を乗じて計算した金額による方法であり、外国法人の区分に応じて算定方法が選択できる。
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