公開日: 2015/11/19 (掲載号:No.145)
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常識としてのビジネス法律 【第29回】「知的財産権入門(その2)」

筆者: 矢野 千秋

常識としてのビジネス法律

【第29回】

「知的財産権入門(その2)

 

弁護士 矢野 千秋

 

2 特許権と実用新案権(承前)

B 特許権(承前)

(5) 特許侵害の判定-A+B+Cとは?

① 権利侵害の成立要件

権利侵害の成立要件(侵害ワンツースリー)は、次の3要件である。

[要件1] 有効な特許権の存在

[要件2] 無権限の実施行為

[要件3] 実施行為が特許権の権利範囲に入ること

これは土地所有権の侵害と同じことであり、土地の侵害であれば

 地境

 無権限

 越境していること

となる。

したがって内容証明郵便による警告状等の記載内容も上記の侵害ワンツースリーを記載することになる。

損害賠償請求権を行使するためには、侵害3要件以外に、侵害者に故意または過失があること(推定規定有り。特許法103条)、損害が発生したこと(軽減規定有り。特許法102条1項)、および、侵害行為と損害の間に因果関係があること(認める規定有り。特許法102条1項)等が要求されるが、いずれも( )内に記した通り立証の容易化が図られている。

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【第29回】

「知的財産権入門(その2)

 

弁護士 矢野 千秋

 

2 特許権と実用新案権(承前)

B 特許権(承前)

(5) 特許侵害の判定-A+B+Cとは?

① 権利侵害の成立要件

権利侵害の成立要件(侵害ワンツースリー)は、次の3要件である。

[要件1] 有効な特許権の存在

[要件2] 無権限の実施行為

[要件3] 実施行為が特許権の権利範囲に入ること

これは土地所有権の侵害と同じことであり、土地の侵害であれば

 地境

 無権限

 越境していること

となる。

したがって内容証明郵便による警告状等の記載内容も上記の侵害ワンツースリーを記載することになる。

損害賠償請求権を行使するためには、侵害3要件以外に、侵害者に故意または過失があること(推定規定有り。特許法103条)、損害が発生したこと(軽減規定有り。特許法102条1項)、および、侵害行為と損害の間に因果関係があること(認める規定有り。特許法102条1項)等が要求されるが、いずれも( )内に記した通り立証の容易化が図られている。

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連載目次

「常識としてのビジネス法律」(全30回)

筆者紹介

矢野 千秋

(やの・ちあき)

弁護士

昭和59年 弁護士登録(第二東京弁護士会)
同年 竹内総合法律事務所に入所(主に企業法務一般・知的財産権担当)
平成4年 米国人名辞典 WHO’S WHO IN THE WORLD掲載
平成7年 独立し高輪に法律事務所設立(主に企業法務一般・知的財産権・民事一般)

(現在)
企業系ビジネスセミナー講師(SMBC、三菱UFJ、みずほ、りそな、日経新聞、産業経理協会、経営調査研究会、四国生産性本部、浜銀総研、長野経済研究所、百五経済研究所 等)
「ソフトウェアの著作権」「知的財産権」「会社の日常業務の法律知識」「取締役に必要な法律知識」「監査役に必要な法律知識」「会社法」「手形小切手法」「債権回収の法律実務」「債権回収と民事再生法」「契約に関する法律知識」「会社のトラブル対策」等

矢野総合法律事務所
〒100-0012 東京都千代田区日比谷公園1番3号 市政会館110号室
TEL 03(3501)9161
FAX 03(5501)3186

【専門分野】
民事・商事・知的財産権法や企業法務

【主な著書】
・『よくわかる!知的財産法実務入門〔第2版〕』(民事法研究会)
・『これだけは知っておきたい 会社で役立つ日常業務の法律知識
・『株主総会・取締役会・監査役 会社機関の運営と基礎知識』
・『カンタン解説!新会社法の基礎と重要ポイント』(以上、清文社)
・『手形小切手法提要』
・『手形小切手法ダイヤグラム』
・『会社法提要』
・『会社法ダイヤグラム』(以上、早稲田経営出版)
・『違法営業活動防止ハンドブック」(ダイヤモンド社)

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