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税理士が知っておきたい[認知症]と相続問題 【第1回】「序論」-“認知症”がもたらす諸問題の急増-

筆者:栗田 祐太郎

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税理士が知っておきたい
[認知症]相続問題

【第1回】

「序論」

-“認知症”がもたらす諸問題の急増-

 

クレド法律事務所
駒澤大学法科大学院非常勤講師
弁護士 栗田 祐太郎

 

1 “認知症”問題の急増

人間の生活は、科学技術の進歩により大きな影響を受ける。

最近のニュースを見ていても、遺伝子解析の発展と治療への応用、人工知能(AI)やビッグデータの活用等といった最先端技術が、我々の社会生活に続々と取り入れられ始めている。また、その恩恵により、我が国は男女ともに年々平均寿命を伸ばし続けている。

一方で、個々人の多様なライフスタイルや働き方を反映し、晩婚化・少子化が進んでいる。

これらが複雑に絡み合い、現在、全体の人口数と比較して高齢者人数が高い割合を占める“超高齢社会”と言われる社会が、史上初めて出現するに至っている。我が国は、その最前線にある。

長寿化が進み、高齢者の人口が年を追うごとに増加していくとなれば、心身に何らかの病気を抱える者が増えることも、また必定である。年を取る毎に認知症を発症するケースも当然増加する。

このことは、以下のような厚労省の推計を見ても一目瞭然であり、これを「認知症社会の到来」と評価する向きもある。

【高齢者に占める認知症患者数の予測】

H22(2010) H24(2012) H27(2015) H32(2020) H37(2025) 280万人 305万人 345万人 410万人 470万人 9.5% 10.0% 10.2% 11.3% 12.8%

(※) 中段:認知症となる高齢者の予測数を示す。

下段:65歳以上の人口に占める認知症高齢者の割合を示す。

同様の趣旨から、参考までに、後見制度の利用件数(申立て件数)を年次的に整理してみると、次のとおりである。

【家庭裁判所に対する後見利用の申立て件数】
申立合計 成年後見開始 保佐開始 補助開始 H23(2011) 31,402 25,905 3,708 1,144 H24(2012) 34,689 28,472 4,268 1,264 H25(2013) 34,548 28,040 4,510 1,282 H26(2014) 34,373 27,515 4,806 1,314 H27(2015) 34,782 27,521 5,085 1,360

(※) 最高裁判所は、上記のように各種統計資料を公表しており、後見制度については広報用のポータルサイトを公開している。

裁判所が取り扱う裁判のうち、民事訴訟の申立て件数を見ると、いわゆる過払金ブームの終焉化等の影響もあり、年々次第に減少している傾向にある。

反対に、家庭裁判所が取り扱う後見関係事件や家事調停等といった案件は、年々増加傾向にある。裁判所も、冒頭で述べた超高齢社会の余波を正面から受けているのである。

 

2 税理士は、いま、何を押さえておくべきか

以上のような潮流は、税理士業務と密接に関連する。


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税理士が知っておきたい[認知症]と相続問題

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筆者紹介

  • 栗田 祐太郎

    (くりた・ゆうたろう)

    弁護士
    クレド法律事務所 パートナー弁護士(東京弁護士会所属)

    複雑に利害が対立する相続・労働・契約紛争につき、これまで数多く取り扱う。示談交渉のほか、調停・審判・民事訴訟等の各種法的手段を効果的に利用しながら依頼者の納得いく解決を目指す姿勢に、感謝の声が寄せられることも多い。(元 駒澤大学法科大学院 非常勤講師(家事紛争法実務)〔在職期間:2013年9月~2019年8月〕)

    【主な著書】
    税理士が知っておきたい「認知症」と相続・財産管理の実務』(清文社)
    平成25年9月改訂 Q&A遺産分割の実務』(共著、清文社)等

     

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