公開日: 2017/02/02 (掲載号:No.204)
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税理士が知っておきたい[認知症]と相続問題〔Q&A編〕 【第2回】「既に認知症を発症している場合の対応」

筆者: 栗田 祐太郎

税理士が知っておきたい
[認知症]相続問題

〔Q&A編〕
【第2回】

「既に認知症を発症している場合の対応」

 

クレド法律事務所
駒澤大学法科大学院非常勤講師
弁護士 栗田 祐太郎

 

[設問02]

共に90歳になる私の父と母についての相談です。

(1) 母について

母は、3年前から認知症と診断され、介護施設に入りながら投薬治療を受けています。

現在は、簡単な問いかけに「はい」「いいえ」程度を答えるといった最低限の会話しかできず、寝たきりの状態です。面会に行った際も、娘である私のことはかろうじてわかるようですが、孫たちや夫のことは理解できません。

(2) 父について

他方、私の一家と同居している父は、母と比べればまだだいぶしっかりしています。

ただ、昨年あたりから時間帯によって心身の状態に波が見られ、朝からお昼過ぎくらいまではぼーっとした状態が続いて会話もうまくいかず、着替えも一人ではできません。しかし、夕方近くなってくると、だいぶシャキッとした状態になり、家族と世間話もできるようになるという状態が続いています。医師の診断を受けたところ、やはり認知症と診断されました。

今回、父も介護施設に入所することになり、入所のための保証金や今後の施設利用料の支払いに充てるため、まとまったお金が必要となりました。

費用を工面するために、母と父がそれぞれ所有している複数の不動産を売却したいと考えています。付き合いのある不動産業者に相談したところ、

お父さんやお母さんのために使う費用を工面するのが目的だから、ご両親それぞれの氏名をあなたが代筆し、印鑑はあなたが保管している実印と印鑑カードを使うことで売買契約を締結したらどうか。
と助言を受けました。

お金を工面するため、このまま売却手続を進めてもらうということでよろしいでしょうか。

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[認知症]相続問題

〔Q&A編〕
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「既に認知症を発症している場合の対応」

 

クレド法律事務所
駒澤大学法科大学院非常勤講師
弁護士 栗田 祐太郎

 

[設問02]

共に90歳になる私の父と母についての相談です。

(1) 母について

母は、3年前から認知症と診断され、介護施設に入りながら投薬治療を受けています。

現在は、簡単な問いかけに「はい」「いいえ」程度を答えるといった最低限の会話しかできず、寝たきりの状態です。面会に行った際も、娘である私のことはかろうじてわかるようですが、孫たちや夫のことは理解できません。

(2) 父について

他方、私の一家と同居している父は、母と比べればまだだいぶしっかりしています。

ただ、昨年あたりから時間帯によって心身の状態に波が見られ、朝からお昼過ぎくらいまではぼーっとした状態が続いて会話もうまくいかず、着替えも一人ではできません。しかし、夕方近くなってくると、だいぶシャキッとした状態になり、家族と世間話もできるようになるという状態が続いています。医師の診断を受けたところ、やはり認知症と診断されました。

今回、父も介護施設に入所することになり、入所のための保証金や今後の施設利用料の支払いに充てるため、まとまったお金が必要となりました。

費用を工面するために、母と父がそれぞれ所有している複数の不動産を売却したいと考えています。付き合いのある不動産業者に相談したところ、

お父さんやお母さんのために使う費用を工面するのが目的だから、ご両親それぞれの氏名をあなたが代筆し、印鑑はあなたが保管している実印と印鑑カードを使うことで売買契約を締結したらどうか。

と助言を受けました。

お金を工面するため、このまま売却手続を進めてもらうということでよろしいでしょうか。

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連載目次

税理士が知っておきたい[認知症]と相続問題

連載が単行本になりました!!
くわしくは[こちら

〔解説編〕

〔Q&A編〕

筆者紹介

栗田 祐太郎

(くりた・ゆうたろう)

弁護士
クレド法律事務所 パートナー弁護士(東京弁護士会所属)

複雑に利害が対立する相続・労働・契約紛争につき、これまで数多く取り扱う。示談交渉のほか、調停・審判・民事訴訟等の各種法的手段を効果的に利用しながら依頼者の納得いく解決を目指す姿勢に、感謝の声が寄せられることも多い。(元 駒澤大学法科大学院 非常勤講師(家事紛争法実務)〔在職期間:2013年9月~2019年8月〕)

【主な著書】
税理士が知っておきたい「認知症」と相続・財産管理の実務』(清文社)
平成25年9月改訂 Q&A遺産分割の実務』(共著、清文社)等

 

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