公開日: 2017/04/13 (掲載号:No.214)
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税理士が知っておきたい[認知症]と相続問題〔Q&A編〕 【第7回】「管理者による『預金の使い込み』(その2)」

筆者: 栗田 祐太郎

税理士が知っておきたい
[認知症]相続問題

〔Q&A編〕
【第7回】

「管理者による『預金の使い込み』(その2)」

 

クレド法律事務所
駒澤大学法科大学院非常勤講師
弁護士 栗田 祐太郎

 

[設問07]

私は【設問06】で、妹から父の預金を使い込んだと主張されている姉です。

妹は私に対して一方的に疑いの目を向けていますが、それは妹の思い込みなのです。

◆  ◆  ◆

父が入院する際に私が管理を任された銀行口座には、そもそも700万円ほどの残高しかありませんでした。

この中から、父の手術費用である約50万円をはじめとした病院代や入院費用をすべて支出したのです。

また、戦災孤児であった父は、幼いころに自分を育ててくれた地元の福祉施設に大変感謝しており、成人して働き始めてからは毎年少しずつ寄付を続けてきたそうです。そのような中で、今回、福祉施設の建物を全面的に建て直すという計画が持ち上がり各方面に寄付を募っていましたので、父はこれに応じて300万円の寄付を申し出たのです。その手続も、父から依頼されて、私が行いました。

なお、入院中の父の世話をするために、私はパートの仕事を辞めなければなりませんでした。父はそのことを不憫に思い、月額数万円程度ではありますが、私の生活費の一部として援助してくれました。これは父から持ちかけてくれたことです。

◆  ◆  ◆

以上のように、私が管理していた間の預金の支出はすべて正当であり、父も了解済みのものです。不正を疑われるようなことは一つもありません。

父の最期に何も面倒をみず、遺産を欲しがってばかりの妹のことを考えると、非常に悔しく思います。

私は、今後の妹との交渉において、どのようにしていけばよいでしょうか。

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税理士が知っておきたい
[認知症]相続問題

〔Q&A編〕
【第7回】

「管理者による『預金の使い込み』(その2)」

 

クレド法律事務所
駒澤大学法科大学院非常勤講師
弁護士 栗田 祐太郎

 

[設問07]

私は【設問06】で、妹から父の預金を使い込んだと主張されている姉です。

妹は私に対して一方的に疑いの目を向けていますが、それは妹の思い込みなのです。

◆  ◆  ◆

父が入院する際に私が管理を任された銀行口座には、そもそも700万円ほどの残高しかありませんでした。

この中から、父の手術費用である約50万円をはじめとした病院代や入院費用をすべて支出したのです。

また、戦災孤児であった父は、幼いころに自分を育ててくれた地元の福祉施設に大変感謝しており、成人して働き始めてからは毎年少しずつ寄付を続けてきたそうです。そのような中で、今回、福祉施設の建物を全面的に建て直すという計画が持ち上がり各方面に寄付を募っていましたので、父はこれに応じて300万円の寄付を申し出たのです。その手続も、父から依頼されて、私が行いました。

なお、入院中の父の世話をするために、私はパートの仕事を辞めなければなりませんでした。父はそのことを不憫に思い、月額数万円程度ではありますが、私の生活費の一部として援助してくれました。これは父から持ちかけてくれたことです。

◆  ◆  ◆

以上のように、私が管理していた間の預金の支出はすべて正当であり、父も了解済みのものです。不正を疑われるようなことは一つもありません。

父の最期に何も面倒をみず、遺産を欲しがってばかりの妹のことを考えると、非常に悔しく思います。

私は、今後の妹との交渉において、どのようにしていけばよいでしょうか。

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連載目次

税理士が知っておきたい[認知症]と相続問題

連載が単行本になりました!!
くわしくは[こちら

〔解説編〕

〔Q&A編〕

筆者紹介

栗田 祐太郎

(くりた・ゆうたろう)

弁護士
クレド法律事務所 パートナー弁護士(東京弁護士会所属)

複雑に利害が対立する相続・労働・契約紛争につき、これまで数多く取り扱う。示談交渉のほか、調停・審判・民事訴訟等の各種法的手段を効果的に利用しながら依頼者の納得いく解決を目指す姿勢に、感謝の声が寄せられることも多い。(元 駒澤大学法科大学院 非常勤講師(家事紛争法実務)〔在職期間:2013年9月~2019年8月〕)

【主な著書】
税理士が知っておきたい「認知症」と相続・財産管理の実務』(清文社)
平成25年9月改訂 Q&A遺産分割の実務』(共著、清文社)等

 

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