家族信託による
新しい相続・資産承継対策
【第23回】
「家族信託の活用事例〈不動産編④〉
(兄弟で共有している不動産について、意思決定権限を1人に集中させ、賃料の分配の整理をする事例)」
弁護士 荒木 俊和
今回は、「兄弟で共有している不動産について、今後の処分に関する意思決定権限を1人に集中させ、賃料の分配の整理をする」ことを目的とした事例を解説する。
- 相談事例 -
私の父はマンション1棟を所有していましたが、昨年死亡し、私と妹と弟で3分の1ずつの共有財産として相続しました。実際には私が単独でこのマンションを管理しており、賃料は私が預かっている状態です。
今のところ表立った争いにはなっていませんが、妹の夫がマンションの権利について強い関心を持っているようであり、今後、過剰な権利主張がなされないか心配しています。
私としては、兄弟間で賃料を平等に分けることはやぶさかではありませんが、将来、マンションの大規模修繕をしたり、マンションの売却をする場合に、妹の夫が妹を通じて反対してこないか危惧しています。
このような状態において、できれば私1人でマンションの意思決定ができるようにしたいのですが、どのような方法があるのでしょうか。
1 家族信託活用のポイント
(1) 不動産共有の問題
不動産が共有状態になると、民法第251条及び第252条に従って保存、管理及び処分(変更)しなければならないことになる。
すなわち、以下のように整理される。
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