公開日: 2017/12/21 (掲載号:No.249)
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家族信託による新しい相続・資産承継対策 【第28回】「家族信託の活用事例〈株式編③〉(兄弟で分散して保有している会社の株式が、相続によってそれぞれの子に分散しないようにするために信託を活用する事例)」

筆者: 荒木 俊和

家族信託による

新しい相続・資産承継対策

【第28回】

「家族信託の活用事例〈株式編③〉

(兄弟で分散して保有している会社の株式が、相続によってそれぞれの子に分散しないようにするために信託を活用する事例)」

 

弁護士 荒木 俊和

 

前回に続き非上場株式の承継を行う場合の信託の活用事例を解説していく。

今回は兄弟で分散して保有している会社の株式が、相続によってそれぞれの子に分散しないようにするために信託を活用する事例を解説する。

- 相談事例 -

私は今年63歳になりますが、父親から引き継いだ印刷会社の社長をしています。

父親は亡くなる少し前に私に事業を引き継がせましたが、会社の株については私に40%、弟に30%、妹に20%、親族ではない当時からの専務に10%を引き継がせました。父親から引き継いだ時点では、会社は赤字で株に価値が付くような状態ではなかったため、父親は何となくの感覚でこの配分を決めたのだと思います。

しかし、私の代になってから始めたネットプリント事業が成功し、今では株にかなりの価値が付いていると思います。

私と兄弟たちの仲は悪くないのですが、私の子は兄弟仲が悪かったり、弟の子は東南アジアの国に永住して仕事をすることになっていたり、妹の子が知的障害を持っていたりするなど、このままだとあとあと株を引き継ぐときに問題が出てきそうだと懸念しています。

その一方で、株が分散しないように譲渡や贈与をした場合の税金が気になります。

私に万が一のことがあったとしても、株主間でトラブルが発生しないように何かできることはないでしょうか。

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家族信託による

新しい相続・資産承継対策

【第28回】

「家族信託の活用事例〈株式編③〉

(兄弟で分散して保有している会社の株式が、相続によってそれぞれの子に分散しないようにするために信託を活用する事例)」

 

弁護士 荒木 俊和

 

前回に続き非上場株式の承継を行う場合の信託の活用事例を解説していく。

今回は兄弟で分散して保有している会社の株式が、相続によってそれぞれの子に分散しないようにするために信託を活用する事例を解説する。

- 相談事例 -

私は今年63歳になりますが、父親から引き継いだ印刷会社の社長をしています。

父親は亡くなる少し前に私に事業を引き継がせましたが、会社の株については私に40%、弟に30%、妹に20%、親族ではない当時からの専務に10%を引き継がせました。父親から引き継いだ時点では、会社は赤字で株に価値が付くような状態ではなかったため、父親は何となくの感覚でこの配分を決めたのだと思います。

しかし、私の代になってから始めたネットプリント事業が成功し、今では株にかなりの価値が付いていると思います。

私と兄弟たちの仲は悪くないのですが、私の子は兄弟仲が悪かったり、弟の子は東南アジアの国に永住して仕事をすることになっていたり、妹の子が知的障害を持っていたりするなど、このままだとあとあと株を引き継ぐときに問題が出てきそうだと懸念しています。

その一方で、株が分散しないように譲渡や贈与をした場合の税金が気になります。

私に万が一のことがあったとしても、株主間でトラブルが発生しないように何かできることはないでしょうか。

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連載目次

家族信託による
新しい相続・資産承継対策

▷総論

▷よくある質問・留意点

▷外部専門家等の活用

▷家族信託におけるリスク・デメリット

▷信託契約作成上の留意点

▷家族信託の活用事例~不動産編~

▷家族信託の活用事例~株式編~

筆者紹介

荒木 俊和

(あらき・としかず)

弁護士・札幌弁護士会所属

アンサーズ法律事務所
 http://answerz-law.com

つなぐ相続アドバイザーズ
 http://www.tsunagu-s.jp

昭和57年 三重県生まれ
平成17年 一橋大学法学部卒業
平成20年 東京大学法科大学院修了
 同 年 司法試験合格
平成21年 司法修習修了(新62期)、弁護士登録
平成22年 森・濱田松本法律事務所入所
平成24年 札幌みずなら法律事務所(現・みずなら法律事務所)入所
平成26年 アンサーズ法律事務所設立
     株式会社つなぐ相続アドバイザーズ設立 取締役就任

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