常識としてのビジネス法律
【第2回】
「ビジネスと文書(その2)」
弁護士 矢野 千秋
前回に引き続き、法律上の義務はないが作成が望ましい文書の留意点についてまとめる。
なお、各記載事項における共通の記載方法については前回の「領収書」における説明をご参照いただきたい。
1 「請求書」の記載ポイント
「請求書」を作成する際の注意点は、「いつ(時効中断との関係で重要)(WHEN)」「誰が(WHO)」「誰宛に(WHOM)」「どのような内容を」「いつまでに(合わせてWHAT)」請求するかを明確にすることである。
「いつまでに」、すなわち期限を抜書きしたのは、請求における「期限」の重要性による。
つまり、漫然と期限を切らずに請求したのでは請求書のインパクトが弱いし、また期限を過ぎれば遅延損害金の発生、契約の解除権の発生など種々の法律効果の起算点ともなるため、期限を切ることが請求書においては特に重要となる。
請求権がいくつかある場合は(継続取引にはよくある。WHY)、どの請求権を行使しているのかを明確にする。
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