税理士ができる
『中小企業の資金調達』支援実務
【第1回】
「税理士が資金調達支援を行うメリット」
~他の専門家との差別化を図る~
公認会計士・中小企業診断士・税理士
西田 恭隆
◆ ◆ ◆ 連載開始にあたって ◆ ◆ ◆
本連載では、中小零細企業を顧問先に持つ税理士に向けて、資金調達支援の実務を解説する。間接金融による資金調達支援、すなわち「銀行や信用金庫からお金を借りたい」と社長から相談を受けた時、税理士はどのように対応すれば良いのか、ということについて解説していく。
連載は以下の内容を予定している。
* * *
まず、税理士が資金調達支援を行うメリットについて説明し、そして支援の中で税理士が果たすべき役割は仲介者であることを述べる。
次に、具体的な資金調達支援の内容について、全体のイメージがつかみやすいように支援の流れに沿って説明する。また融資を申し込む際、会社は金融機関に様々な財務関係資料を提出することになるが、どのような資料が必要なのか、その作成ポイントはどこか、という点について、具体的な資料の記載例を使って解説していく。それらを理解することによって、税理士が助言、関与すべき点も明らかになる。
さらに資金調達支援で用いるノウハウは、経営改善支援にも活用できる。資金調達支援を行った後も、こういったノウハウを経営改善支援という形で税理士が顧問先への関与に活かす方法について紹介する。
* * *
経営者は、身近な相談相手である税理士に資金調達の相談に乗ってほしいと考えているし、税理士のような会計の知識を有する者にとっては、資金調達支援は難しくないと考える。本連載が、読者にとって資金調達支援に取り組んでみようというきっかけになれば幸いである。
税理士が資金調達支援を行う大きなメリットは、「他の専門家との差別化を図ることができる」という点にある。そこで、まず同じ税理士との差別化にどう資するのか、さらに税理士以外の専門家との差別化にどう資するのか、解説を行っていく。
1 新規顧客獲得のためのツールとしての資金調達支援業務
税理士業界は年々競争が厳しくなっており、他の税理士と差別化を図ることは多くの税理士にとって重要な問題である。その差別化の一手段として、資金調達支援を検討するわけであるが、実のところ資金調達支援を業務として行うことができる税理士は多くない。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。