〈知識ゼロからでもわかる〉
ブロックチェーン技術とその活用事例
【第1回】
「ブロックチェーンの基礎知識」
公認会計士・公認不正検査士
松澤 公貴
はじめに
ブロックチェーンは、全ての取引履歴を信頼性のある形で保存し続けるための技術であり、透明性が高く、データの改ざんが極めて難しく、かつ仕組みが停止する可能性が極めて低い等の利点があることが実証されている。
株式会社グローバルインフォメーションの調査によると、世界のブロックチェーン市場規模は、2020年の30億米ドルから、2025年までに397億米ドルまで拡大し、予測期間中の年平均成長率(CAGR)は67.3%と予測されている。予測からもわかるように、ブロックチェーン技術は、暗号資産(仮想通貨)であるビットコインが生まれてから実際に活用され、その利便性から暗号資産(仮想通貨)以外においても、徐々に我々の日常に浸透してきており、今後も必要な技術であることがうかがえる。
本連載では、「ブロックチェーン」技術の特徴などを簡潔に説明し、暗号資産(仮想通貨)以外のあらゆる業界への応用が始まっているブロックチェーンの活用事例を紹介しながら、概説を行うこととする。
1 概要
ブロックチェーンとは情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録につき暗号技術を用いて分散的に処理・記録するデータベースの一種であり、「ビットコイン」等の暗号資産(仮想通貨)に用いられている基盤技術である。一般社団法人日本ブロックチェーン協会は広義のブロックチェーンを「電子署名とハッシュポインタを使用し改竄検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノード(※1)に保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術」と定義している。
(※1) ノード(Node)とは、P2Pネットワークに参加するコンピュータ又は参加者のこと。
「分散型台帳」とも呼ばれるブロックチェーンは、中央管理を前提としている従来のデータベースとは異なり、常に同期されており中央を介在せずデータが共有できるので参加者の立場がフラットであるという特徴を備えている。
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