2026年改訂コーポレートガバナンス・コードのポイントと
企業実務における対応
【後編】
PwC Japan有限責任監査法人 マネージャー
公認会計士 信田 裕介
本稿の概要
本稿は、【前編】で整理したコーポレートガバナンス・コード2026年改訂版(※1)(以下「CGコード2026」という。)を踏まえ、コンプライ・オア・エクスプレインの対象範囲の変化が開示実務に与える影響を整理したうえで、株式会社東京証券取引所(以下「東証」という。)に寄せられたパブリック・コメントの「意見に対する考え方」を手がかりに、企業実務上の対応の視点を論じるものである。(※1) 東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コード(2026年7月版)」(2026年7月21日)
なお、本稿では、改訂の趣旨等を示した金融庁・東証「成長投資の促進に向けたコーポレートガバナンス・コードの改訂について」(2026年7月21日)を「趣旨紙」という。また、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であることをお断りしておく。
* * *
1 コーポレート・ガバナンスに関する報告書で開示すべき原則の見直し
【前編】で述べたコード構造の再編は、コーポレート・ガバナンスに関する報告書(以下「CG報告書」という。)で具体的な開示が求められる原則の範囲にも及んでいる。従前補充原則に置かれていた開示すべき原則は、中核部分が原則へ格上げ・再配置される一方、法令等と重複するもの等は廃止された。コーポレートガバナンス・コード2021年版(※2)(以下「CGコード2021」という。)において「特定の事項を開示すべき」とされていた原則が、CGコード2026でどのように取り扱われたかを整理すると、〈図表1〉および〈図表2〉のとおりである。
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