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《速報解説》 「復興特別法人税の1年前倒し廃止」に係る改正条項の確認
《速報解説》 「復興特別法人税の1年前倒し廃止」に係る改正条項の確認 Profession Journal編集部 平成26年度税制改正では法人実効税率の引下げは見送られたものの(現在、政府税制調査会法人課税ディスカッショングループにて審議中)、既報のとおり、復興特別法人税が1年前倒しで廃止されることとなった。 そこで以下では、3月31日に公布された「所得税法等の一部を改正する法律(法律第10号)」等から、その規定ぶりを確認しておきたい。 まず、本改正前の復興特別法人税の課税事業年度については、国税庁「復興特別法人税のあらまし」(平成24年3月)において、下記のように示されている。 本改正について、「平成26年度税制改正大綱」では下記のとおり記載されている。 復興特別法人税は「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」(以下「復興財源確保法」)の「第五章 復興特別法人税」において規定されているが、今回の改正により、下記の部分が変更された(所得税法等の一部を改正する法律(法律第10号)第14条 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部改正(官報平成26年3月31日付(特別号外第6号) 199ページ上段)より)。 上記の改正により、復興財源確保法の該当条項は下記のように改正されることとなった。 なお、上記大綱のうち青文字で示した改正事項に関しては、上記の復興財源確保法第45条第3項の削除にあわせて下記(第33条第2項)が追加されている。 本改正前は、復興特別所得税の額は復興特別法人税の額から控除し、法人税の額から控除することはできなかったが、本改正により、復興特別法人税の課税期間終了後は、法人が各事業年度において利子及び配当等に課される復興特別所得税の額は、各事業年度において利子及び配当等に課される所得税の額と合わせて、各事業年度の法人税の額から控除されることとなる。なおこの場合に、復興特別所得税の額で法人税の額から控除しきれなかった金額があるときは、その金額が還付される。 (了)
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《速報解説》 国税不服審判所「公表裁決事例(平成25年7月~9月)」~注目事例の紹介~
《速報解説》 国税不服審判所「公表裁決事例(平成25年7月~9月)」 ~注目事例の紹介~ 税理士・公認不正検査士(CFE) 米澤 勝 国税不服審判所は、3月27日、「平成25年7月から9月分までの裁決事例の追加等」を公表した。 今回追加されたのは下表のとおり、全21件の裁決であり、国税不服審判所によって課税処分等が全部又は一部取消された事例が14件の多数を占め、棄却された事例は7件に止まっている。 税法・税目としては所得税関係と国税通則法が各6件、相続税が4件、法人税が3件、国税徴収法2件となっている。 本稿では、公表された21件の裁決事例のうち、注目事例をいくつか紹介したい。 【公表裁決事例(平成25年7月~9月)の一覧】 ※本稿で取り上げた裁決 1 重加算税賦課決定処分の取消し (1) 事前に発行を依頼した請求書に基づく費用の計上・・・④ 本事例は、事業年度末においてまだ引渡しを受けていない工事、OA機器及び翌期の出張に係る航空券等の代金につき、期末に請求書を発行させ、法人税において当期の損金の額に算入し、消費税の仕入税額控除の対象としたことが争われたものである。 原処分庁は、通常とは異なる請求書の発行に通謀があり、あるいは、仮に通謀が認められないにしても、代表者が、工事の施工が完了していないことを知りつつ、虚偽の請求書を受け取り、押印を行い、工事代金の支払を了承していた行為が、「積極的に事実と異なる経理を行い、租税を免れようとする意図をうかがい得る特段の行動をしたものと認められる」と主張して、重加算税の賦課決定処分を正当化したが、審判所は、請求人が、業者と通謀の上請求書を発行させた事実を推認する証拠は見受けられず、請求人がそれらの計上に際し、事実を隠ぺいした、又は事実を仮装したと評価すべき行為を行ったことは認められないとして、過少申告加算税を超える部分の金額につき、取り消すのが相当である、と判断したものである。 (2) 翌課税期間に納品されたパンフレット等の課税仕入れに係る仕入税額控除・・・⑤ 本事例は、課税期間終了の日後に納品されたパンフレットにつき、事前に請求書の発行を依頼して、課税仕入れに係る仕入税額控除の適用を受けた請求人が、重加算税の賦課決定処分について、争ったものである。 原処分庁は、請求人の会計処理が、請求書をもって納品があったものとみなして行われていたところ、パンフレット納品前に請求書の発行を依頼したことは通謀による虚偽の証ひょう書類の作成に当たり、また、課税仕入れに係る支払対価の額から除かなかったことは、帳簿書類の意図的な集計違算に当たるから、隠ぺい又は仮装の行為がある旨主張する。 しかし、当該請求書は前払いを求める書類として作成を依頼したものであり、かつ、虚偽の記載もないことから、通謀による虚偽の証ひょう書類の作成があったとはいえない。また、本件は、請求人において、経費計上に際して納品日を確認しないという社内的なチェック体制の不備に基因し、会計処理に際して納品書の添付が求められていなかったことが理由であると認められることから、請求人が、本件パンフレット等製作費について本件課税期間の課税仕入れに係る支払対価の額に含めたことにつき、隠ぺい又は仮装と評価すべき行為をしたと認めることはできない、と判断したものである。 (3) 重加算税 上記④の事例で、不服審判所は、重加算税の賦課決定について、次のように一般論を述べている(下線:筆者)。 上記は、重加算税の賦課決定に対する不服審判所の考え方の一端を示すものであろう。 今回の事例は、原処分庁の少し強引とも思える重加算税の賦課決定処分を取り消したものとなっている。 2 事業所得の計算における必要経費 (1) 開業費の償却費、交際費及び旅費交通費・・・⑧ 本事例は、医師である請求人が必要経費に算入した開業費の償却費、接待交際費及び旅費交通費の各費用について、原処分庁が必要経費に算入することはできないとして、本件各年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分をしたものである。 不服審判所は、「ある支出が必要経費として総収入金額から控除されるためには客観的に見てその支出が業務と直接の関係をもち、かつ、業務の遂行上必要なものに限られると解される」としたうえで、原処分庁が必要経費に算入できないとした支出の大部分につき、「専ら業務の遂行上必要であるとまでは認めることはできない」し、また、これらの支出の中には「家事費が含まれていると認められる」として、家事関連費のうち「業務に必要な部分が明らかに区分されていない」ことから、必要経費に算入することはできない、と判断した。 (2) 被相続人に係る必要経費・・・⑪ 本事例は、税理士である被相続人の死亡に伴う準確定申告において、事業を承継した税理士(相続人)が被相続人の事業所得の金額の計算上必要経費に算入した未払退職金及び事業税等について、原処分庁は、未払退職金は債務が発生・確定していないことから、また、事業税等は、事業の「廃止」があったとはいえないことから、いずれも必要経費に算入することはできないという更正処分等を行ったものである。 これに対し、不服審判所は、未払退職金については、使用者である被相続人の死亡により退職金を支給する労使慣行が成立していたとはいえないから、必要経費に算入することはできないとしたが、事業税等については、被相続人の死亡により関与先との間の委任契約が終了していること、被相続人の税理士登録が抹消されたことからすると、相続人は、被相続人の税理士業務を承継し、被相続人と同一内容の事業を行っていたとは認められず、このような被相続人の死亡後の法律関係及び事実関係を社会通念に照らして判断すれば、被相続人の税理士業は廃業したものと認めたうえで、必要経費に算入されると判断した。 3 その他 平成25年4月~6月の公表裁決事例でも、国税徴収法の第二次納税義務に関して取消しを求めた請求人の主張を棄却した裁決が2件公表されていたが(くわしくはこちらの拙稿を参照)、今回も、前回とは異なる状況において第二次納税義務の成立を認めた裁決が2件(上表のNo.(20)及び(21))公表されている。 すなわち、残余財産分配後において成立した国税に関して、清算人等の第二次納税義務を認めた事例と、離婚に伴う財産分与が過大であるとして「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」があったとして、離婚した夫が滞納した国税の第二次納税義務を認めた事例である。 前回も指摘したことであるが、こうした事例を積極的に公表することで、国税不服審判所が、第二次納税義務の適切な執行を図る意思を示したものと考えられるのではないだろうか。 (了)
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《速報解説》 「有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項について(平成26年3月期版)」及び「有価証券報告書レビューの実施について(平成26年3月期以降)」の解説
《速報解説》 「有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項について(平成26年3月期版)」及び「有価証券報告書レビューの実施について(平成26年3月期以降)」の解説 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 平成26年3月31日付で、金融庁は次のものを公表した。 平成26年3月期以降の有価証券報告書の作成に当たっては、これらに記載されている事項に特に注意し、適切に作成する必要があると考えられる。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項 「有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項について(平成26年3月期版)」では次の事項が述べられており、有価証券報告書の作成に際しては注意が必要である。 これらについては詳細な別紙が添付されているので、ぜひお読みいただきたい。 財務局等への回答に際してご留意いただきたい点として、次のことが述べられている。 また、「平成25年3月期有価証券報告書の法令改正関係審査の実施結果について」(平成25年12月10日)では、概要として次のことが述べられている。 Ⅲ 有価証券報告書レビューの実施について(平成26年3月期以降) 1 法令改正関係審査 法令改正関係審査は、法令改正により有価証券報告書の記載内容が変更又は追加された事項のうち、特に重要な事項について記載内容をアンケート形式で審査するものである。 今回は、「退職給付に関する会計基準」等を踏まえて改正された連結財務諸表規則等が平成26年3月期より適用されることから、同規則等に基づき適切な記載がなされているかどうかが審査される。 以下のすべての要件に該当する企業は、「調査票」に回答を記入し、所管の財務局等へ、平成26年7月15日までに提出することになる。 2 重点テーマ審査 重点テーマ審査は、特定の重点テーマに着目して審査対象となる企業を抽出し、当該企業に対して所管の財務局等が個別の質問事項を送付し、回答を受けることで(ヒアリングを行うこともある)、より深度ある審査を実施するものである。 平成26年3月期以降の重点テーマは、以下のとおりである。 3 情報等活用審査 上記の重点テーマに該当しない場合であっても、適時開示や報道、一般投資家等から提供された情報等を勘案して、所管の財務局等から、個別の質問事項が送付されることがある。 (了)
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《速報解説》 「所得税法施行令等の一部を改正する政令」(政令第137号)からみた「生活に通常必要でない資産」の範囲の拡大(ゴルフ会員権等の損益通算廃止)の規定について
《速報解説》 「所得税法施行令等の一部を改正する政令」(政令第137号)からみた 「生活に通常必要でない資産」の範囲の拡大 (ゴルフ会員権等の損益通算廃止)の規定について Profession Journal編集部 既報のとおり、「平成26年度税制改正大綱」において、ゴルフ会員権・リゾート会員権等の譲渡損失は、平成26年4月1日以後に行う資産の譲渡等から他の所得との損益通算の廃止が示されていたが、3/31に公布された「所得税法施行令等の一部を改正する政令」(政令第137号)において、その規定ぶりが明らかとなった。 同政令では、下記のように規定されている(官報(特別号外第6号)276ページ)。 これにより、関係法令は下記のとおり改正されることとなる。 上記の改正により、生活に通常必要でない資産の範囲に、「主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産」が含まれることとなる。 なお、本改正の適用(経過措置)については、同政令の附則第5条において、下記のとおり規定されている。 上記により、平成26年4月1日以後の譲渡等により生じた「主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産」(いわゆるゴルフ会員権・リゾート会員権等)の譲渡損失については、他の所得との損益通算ができないこととなる。 (了)
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《速報解説》 企業会計基準委員会「税制改正への対応について」-平成26年度地方税制改正に伴う税効果会計の取扱い-
《速報解説》 企業会計基準委員会「税制改正への対応について」 -平成26年度地方税制改正に伴う税効果会計の取扱い- 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ 平成26年度税制改正 平成26年3月31日の官報(特別号外第6号)において、「地方税法等の一部を改正する法律」(法律第4号)及び「所得税法等の一部を改正する法律」(法律第10号)などが公布されている。 上記に伴い、平成26年3月31日付で、企業会計基準委員会は、「第284回企業会計基準委員会議事概要(平成26年度税制改正に伴う会計処理の周知を含む)」をホームページに掲載している。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 税制改正に伴う税効果会計 企業会計基準委員会は、前述の議事概要において、「税制改正への対応について」と題して、平成26年度地方税制改正に伴う税効果会計について、周知を図るために、議事に残すこととしたと述べている。 以下において、議事概要に添付されているPDFに従って、その概要を述べることとする。 1 法定実効税率の算出式 地方税制の改正により「地方法人税」が創設された。 これに伴い、平成26年10月1日以後開始する事業年度から適用される法定実効税率の算出式は、以下のとおりとなる。 今回の地方税制改正においては、住民税率(標準税率及び制限税率)の引下げ幅と創設される地方法人税率が一致しているため、上記の算出式に基づいても、算出される法定実効税率には原則として影響がないと考えられると述べられている。 2 地方法人税法及び地方税法等の一部を改正する法律の公布日と各地方自治体の改正条例の公布日の属する事業年度が異なる場合 「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第10号)は、税効果会計で適用する税率は決算日現在における税法規定に基づく税率によるものとしている。 (1) 論点 地方法人税法及び地方税法等の一部を改正する法律(以下「地方税法等改正法」という)は平成26年3月31日に公布されたが、各地方自治体の改正条例が平成26年3月末まで公布されない場合、平成26年3月末決算において、平成26年10月1日以後開始する事業年度以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産及び繰延税金負債の計算にあたり、法定実効税率の算出上、住民税及び事業税について改正前、改正後いずれの税率を使用するかが論点となる。 (2) 結論 今回の地方税制の改正は、地域間の税源の偏在性を是正することを趣旨とするものであり、地方税と国税を合わせた税負担は変わらないことから、原則として法定実効税率に変更はないこととされる。 このため、地方自治体の改正条例が平成26年3月末までに公布されない場合でも、平成26年10月1日以後開始される事業年度以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の計算に適用する法定実効税率は以下のとおりとなると考えられる。 なお、法定実効税率には、平成26年3月31日に廃止することが公布された復興特別法人税の影響を反映する。 3 連結納税制度を適用した場合における税効果会計 連結納税制度を適用している場合、地方法人税の課税標準である基準法人税額は、連結事業年度の連結所得の金額から計算した法人税の額を基準とすることとされているため、地方法人税に係る繰延税金資産の回収可能性の判断は法人税と同様に、連結納税主体を一体として判断することになると述べられている。 連結納税会社ごとに回収可能性の判断を行う住民税に係る繰延税金資産と異なり、地方法人税に係る繰延税金資産は法人税と同様に連結所得に基づいて回収可能性を判断することになるため、今回の地方税制の改正は、平成26年10月1日以後開始される事業年度以降に回収すると見込まれる繰延税金資産の金額に影響を与える場合がある。 企業会計基準委員会では、「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その1)」(実務対応報告第5号)及び「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)」(実務対応報告第7号)について、地方法人税法及び地方税法等改正法の施行日(平成26年10月1日)までに、平成26年10月1日以後開始する事業年度に係る地方法人税の繰延税金資産の回収可能性の判断について、法人税と同様の具体的手順を記載することなどについて、改正の検討を行う予定であると述べている。 (了)
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《速報解説》 「所得税法等の一部を改正する法律」(法律第10号)等の公布(平成26年3月31日)について
《速報解説》 「所得税法等の一部を改正する法律」(法律第10号)等の 公布(平成26年3月31日)について Profession Journal編集部 国会での審議が3/20のスピード可決となった平成26年度税制改正法である「所得税法等の一部を改正する法律」(法律第10号)及び関連する政省令等が、平成26年3月31日付けの「官報(特別号外第6号)」において公布された(特別号外第6号は当日遅れての公表となった)。 今回の税制改正では、設備投資への減税措置である「生産性向上設備投資促進税制」や交際費課税制度の見直し等、景気刺激策が織り込まれている一方で、給与所得控除の上限引下げや簡易課税制度のみなし仕入率の見直し等、企業実務に影響を及ぼす改正事項も含まれており、施行期日についてしっかり確認しておきたい。 また、地方法人課税の偏在是正を目的とした「地方法人税」(国税)の創設に伴い、関連する法令(地方法人税法、地方法人税法施行令、地方法人税法施行規則)が新たに公布された点にも留意したい。 なお、今回公布された法令等のうち主要なものを抜粋・再構成すると下記のとおりであり、今回の改正事項に含まれている税理士法の改正についても、政省令がそれぞれ公布されている。 (了)
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《速報解説》 経団連モデルの改正(償却累計率の削除)について
《速報解説》 経団連モデルの改正(償却累計率の削除)について 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ 経団連モデルの改正 平成26年3月26日、金融庁は「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」等を公表しており、いわゆる単体開示の簡素化に関する財務諸表等規則の改正が確定している(詳しくはこちらの拙稿参照)。 これにより、特例財務諸表提出会社(改正後財務諸表等規則1条の2)の個別財務諸表の開示については、いわゆる経団連モデル(「会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型」)と同様の開示とすることが可能となった。 この際、「有形固定資産等明細表(様式第11号の2)」については、経団連モデルの「有形固定資産及び無形固定資産の明細」の記載例との間で、償却累計率の取扱いについて差異があった。 今回の経団連モデルの改正は、上記記載例について償却累計率の欄を削除するものである。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 償却累計率の欄の削除 経団連モデルについては、「退職給付に関する会計基準」の公表等を踏まえ、平成25年12月27日に改訂されている。 前述のように、今回の経団連モデルの改正は、「有形固定資産及び無形固定資産の明細」の記載例の償却累計率の欄を削除するものである。 この改正により経団連モデルとの差異がなくなり、特例財務諸表提出会社の「有形固定資産等明細表(様式第11号の2)」と同様の取扱いになるものと考えられる。 経団連のホームページでは特段のアナウンスはなされていないが、平成25年12月27日付で改正された「会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型」では、すでに償却累計率の欄が削除されているので、取扱いに注意が必要である。 改正後の経団連モデルの「有形固定資産及び無形固定資産の明細」の記載例は次のとおりである(記載上の注意は省略した)。 (了)
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《速報解説》 企業結合関係に関する連結財務諸表規則等の改正(確定)の解説
《速報解説》 企業結合関係に関する連結財務諸表規則等の改正(確定)の解説 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 平成26年3月28日、金融庁は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」等を公表した。 平成25年9月13日に改正された「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号)等を踏まえたものである。 これにより、平成25年11月18日の公開草案が確定することになる。 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則、連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則、財務諸表等の監査証明に関する内閣府令、関連するガイドラインなど広範囲な改正が行われている。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 主な改正内容 1 連結財務諸表規則関係 連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則について、主に次の事項の改正が行われている。 連結株主資本等変動計算書の「記載上の注意」において、次の規定が設けられている。 今回の改正に際して、金融庁は「『財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)』等に対するパブリックコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方」を公表している。 上記の改正について、企業会計基準第26号「退職給付に関する会計基準」(平成24年改正)の適用初年度の期首の取扱いとの関係についてコメントが寄せられており、次のように述べられている。 ※EDINETよくある質問《6のQ9》参照。 2 適用時期等 基本的に、平成27年4月1日以後に開始する連結会計年度に係る連結財務諸表などについて適用されるが、適用関係が複雑になっているので、実際の適用に際しては経過措置を確認していただきたい。 (了)
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《速報解説》 単体開示の簡素化に関する財務諸表等規則等の改正(確定)の解説
《速報解説》 単体開示の簡素化に関する 財務諸表等規則等の改正(確定)の解説 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 平成26年3月26日、金融庁は「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」等を公表した。 今回の改正は、企業会計審議会の「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」(平成25年6月20日掲載)を踏まえ、単体開示の簡素化を図るためのものである。 改正の趣旨については、「『財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)』等に対するパブリックコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方」(以下「コメント対応」という)が公表されている。 本稿では、主として、財務諸表等規則の改正及び企業内容等の開示に関する内閣府令の改正について解説を行う。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 財務諸表等規則に関する主な改正事項 財務諸表等規則等の改正確定版では、公開草案から修正されている部分があるので、コメント対応とともにお読みいただきたい。 1 特例財務諸表提出会社の新設 (1) 財務諸表等規則の規定 「特例財務諸表提出会社」として、次の規定が新設されている。 これにより、特例財務諸表提出会社の個別財務諸表の開示については、いわゆる経団連モデル(「会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型」)と同様の開示とすることが可能となり、貸借対照表や損益計算書の様式、重要な会計方針の注記、関係会社に対する資産の注記及び関係会社に対する負債の注記などについて、会社計算規則と同様の注記とすることが可能となる。 (2) 関連するコメント対応 コメント対応では、次のことが述べられている。 2 連結財務諸表を作成している会社の個別財務諸表の開示の簡素化 従来から、連結財務諸表を作成している会社については、個別財務諸表における記載を要しない規定があった。 確定版では、リース取引に関する注記、資産除去債務に関する注記、研究開発費の注記、減損損失の注記など多くの項目について、財務諸表提出会社が連結財務諸表を作成している場合には、個別財務諸表において記載することを要しないとの規定が設けられている。 コメント対応では、1株当たり情報については、連結財務諸表を作成している場合には注記を要しないが(財規68条の4、95条の5の2)、主要な経営指標等の推移への記載は引き続き必要となると述べられている(コメント対応No.15)。 3 規定の削除等 製造原価明細書の添付について、上記③のように改正した趣旨について、多角的に事業展開する会社が多くなってきている現在、複数の事業に関する原価の発生を合算して1つの明細書で開示しても、投資情報としての有用性は低いと考えられることが述べられている(コメント対応No.16)。 そして、例えば、単一事業の場合には、投資情報として製造原価明細書の有用性は低下していないと考えられることから、セグメント情報を開示していない会社については、引き続き製造原価明細書の添付を求めることとしていると述べられている(コメント対応No.16)。 また、売上原価明細書については、製造原価明細書と異なり、「投資情報としての有用性が低下している」等の特段の指摘があるわけではないとのことから、「当面の方針」に示された考え方に則り、改正を行っていない(コメント対応No.21)。 4 重要性基準の緩和 ③の改正は公開草案ではなかったが、コメントを受けて、確定版において改正したものである(コメント対応No.12)。 5 様式関係 前述のとおり、財務諸表等規則127条では、特例財務諸表提出会社が作成する財務諸表の様式を規定している。 確定版では、財務諸表等規則127条1項1号から第3号までの様式における記載上の注意において、次の規定が設けられている(下記は「貸借対照表:様式第5号の2」)。 これは次のコメントに対応する改正である(コメント対応No.23)。 6 別記事業 コメント対応No.28では、別記事業について、次のように述べられている。 Ⅲ 企業内容等の開示に関する内閣府令の主な改正事項 1 配当政策 「配当政策」において、会社法以外の法律の規定又は契約により、剰余金の配当について制限を受けている場合には、その旨及びその内容を注記するとの規定を設けている(第二号様式 記載上の注意(54)d、第三号様式 記載上の注意(34)c)。 2 特例財務諸表提出会社の記載 財務諸表等規則1条の2に規定する特例財務諸表提出会社が、財務諸表等規則127条の規定により財務諸表を作成している場合には、その旨を記載する(第二号様式 記載上の注意(59)i)。 3 合併により消滅した会社の財務諸表 従来、合併により消滅した会社の財務諸表の記載が求められていたが、当該規定を削除している(第二号様式 記載上の注意(67)e、第三号様式 記載上の注意(47)e、第三号の二様式 記載上の注意(27)d)。 4 製造原価明細書の記載 最近2事業年度の製造原価又は売上原価について、製造原価明細書又は売上原価明細書を掲げて比較し、原価の構成比を示し、かつ、会社の採用している原価計算の方法を説明するとの規定は従来と同様である。 ただし、連結財務諸表において、連結財務諸表規則15条の2第1項に規定するセグメント情報を注記している場合にあっては、製造原価明細書を掲げることを要しないとの規定が設けられている(第二号様式 記載上の注意(69)b)。 5 主な資産及び負債の内容 貸借対照表のうち最近事業年度のものについて、科目の内容又は内訳をおおむねそれぞれに掲げるところに従い記載するとの規定は従来と同様である。 ただし、連結財務諸表を作成している場合又は附属明細表に掲げた科目については、記載を省略することができると改正されている(第二号様式 記載上の注意(73))。 Ⅳ 適用時期等 平成26年3月31日以後に終了する事業年度等に関する財務諸表等について適用する。 (了)
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Profession Journal No.62が公開されました!
2014年3月27日(木)AM10:30、Profession Journal No.62 が公開されました。 Profession Journalの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》については随時公開してまいります。 Web情報誌 Profession Journalは、プロフェッションネットワークのプレミアム会員専用の閲覧サービスです。 Profession Journalについての詳細はこちら。 バックナンバー一覧はこちら。
