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《速報解説》 会計士協会が「監査報告書の文例」等の改正を確定~強制適用は2022年3月31日以後修了する連結会計年度及び事業年度に係る監査から~

《速報解説》 会計士協会が「監査報告書の文例」等の改正を確定 ~強制適用は2022年3月31日以後修了する連結会計年度及び事業年度に係る監査から~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 2021年4月7日、日本公認会計士協会は、「「監査・保証実務委員会実務指針第85号「監査報告書の文例」及び関連する監査・保証実務委員会報告」の改正について」を公表した。 これにより、2021年1月19日から意見募集されていた公開草案が確定することになる。なお、公開草案に対するコメントは寄せられなかったとのことである。 これは、「監査基準の改訂に関する意見書」(2020年11月6日、企業会計審議会)及び「監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」」(2021年1月14日)等を受けたものである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容 「監査基準の改訂に関する意見書」において、監査した財務諸表を含む開示書類のうち当該財務諸表と監査報告書とを除いた部分の記載内容、すなわち「その他の記載内容」について、監査人の手続を明確にするとともに、 監査報告書に必要な記載を求める改訂が行われた。 監査報告書では、「その他の記載内容」又は他の適切な見出しを付した区分を設けて記載する(監基報720第20項)。 「その他の記載内容」には、監査報告書日以前に監査人が入手したその他の記載内容、監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、監査人は意見を表明するものではなく、また、表明する予定もない旨などの所要の事項を記載する。 各文例において、「その他の記載内容」の文例を示すとともに、文例6として、「監査報告書日以前に全てのその他の記載内容を入手し、またその他の記載内容に関して重要な誤りが存在すると結論付けた場合における、無限定適正意見の監査報告書」が追加されている。   Ⅲ 適用時期等 2022年3月31日以後終了する連結会計年度及び事業年度に係る監査から適用する。 ただし、2021年3月31日以後終了する連結会計年度及び事業年度に係る監査から適用することができる。 (了)

#No. 413(掲載号)
#阿部 光成
2021/04/07

《速報解説》 国税庁、4月16日(金)以降の個別指定による申告・納付期限延長手続に関しコロナFAQを更新~申告書の余白記載による簡易的方法は認められず申請書が必要~

《速報解説》 国税庁、4月16日(金)以降の個別指定による申告・納付期限延長手続に関しコロナFAQを更新 ~申告書の余白記載による簡易的方法は認められず申請書が必要~   Profession Journal編集部   令和2年分の所得税等の確定申告・納付期限は全国一律、令和3年4月15日(木)まで延長されているが、最近の第4波ともいわれる新型コロナウイルス感染再拡大もあり、この延長期限をもってしても申告・納付が間に合わないケースも想定される。 このように、新型コロナウイルス感染症の影響によって期限までに申告・納付することができないと認められるやむを得ない理由がある場合には、所轄税務署長に申請し承認を受けることで、その理由がやんだ日から2ヶ月以内の範囲(所轄の税務署長が指定した日)で、個別指定による期限延長が認められる。 来週にもこの延長期限を迎える中、国税庁は4月6日(火)付けで、「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」において、個別指定に係る問答を追加・更新した。 これまでは、新型コロナウイルスの影響により個別指定による期限延長を申請する場合、期限までに申告・納付ができない理由について、申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」等と記載する簡易な方法が認められていたが、今回追加された問答(問1-3 簡易な方法による個別延長)では、令和3年4月16日(金)以降に個別延長を申請する場合には、上記の簡易な方法による申請ではなく、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を作成・提出する必要があるとしている(法人税・相続税等の税目についても同様(問1-5))。 なお、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」は郵送で提出できるほか、「e-Taxソフト」を利用して申請することもできる(ただし国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から申請することはできない)。 また、延長後の納付期限までに納付することが困難な場合には、納税についての猶予制度を適用できる場合がある。 (了)

#No. 413(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2021/04/07

《速報解説》 金融庁、「コーポレートガバナンス・コードと投資家と企業の対話ガイドラインの改訂について」と題する提言を公表~取締役会の機能発揮や中核人材の多様性の確保等に係る改訂を予定~

《速報解説》 金融庁、「コーポレートガバナンス・コードと投資家と 企業の対話ガイドラインの改訂について」と題する提言を公表 ~取締役会の機能発揮や中核人材の多様性の確保等に係る改訂を予定~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 2021年4月6日、スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議は、「コーポレートガバナンス・コードと投資家と企業の対話ガイドラインの改訂について」と題する提言を公表した。 これは、取締役会の機能発揮、企業の中核人材における多様性の確保などや、2022年4月から東京証券取引所において新市場区分の適用が開始となることを踏まえて、コーポレートガバナンス・コードを改訂するものである。あわせて、投資家と企業の対話ガイドラインも改訂する。 今後、本提言に沿って、すみやかに東京証券取引所においてコーポレートガバナンス・コードの改訂が行われ、金融庁において対話ガイドラインの改訂が行われることが期待されている。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ コーポレートガバナンス・コードの改訂 主に次の改訂が記載されている。 1 取締役会の機能発揮 2 企業の中核人材における多様性の確保 3 サステナビリティを巡る課題への取組み 4 その他   Ⅲ 投資家と企業の対話ガイドラインの改訂 主に次の改訂が記載されている。   (了)

#No. 413(掲載号)
#阿部 光成
2021/04/07

《速報解説》 国税庁、キャリード・インタレストの税務上の取扱いに係る金融庁からの照会への回答(情報)を公表~金融庁HPでは特設ページを開設、今後チェックシートや所得計算書を公表予定~

《速報解説》 国税庁、キャリード・インタレストの税務上の取扱いに係る金融庁からの照会への回答(情報)を公表 ~金融庁HPでは特設ページを開設、今後チェックシートや所得計算書を公表予定~   Profession Journal編集部   令和3年度与党大綱では、「国際金融都市に向けた税制上の措置」、すなわち、わが国の国際金融センターとしての地位の確立に向けて海外から事業者や人材、資金を呼び込むための諸課題の解決を目的に、以下の措置を講じるとしていた。 ファンドマネージャーが受け取るキャリード・インタレストについては、現行制度上、総合課税(地方税含め最高税率55%)とされるリスクがあるため、海外の運用会社にとって日本進出へのネックとなっていたことから、株式譲渡益等として分離課税の対象となる場合の要件を明確化する必要があった。 このたび国税庁は、組合事業に係る利益等の帰属について定めた所得税基本通達36・37共-19(以下、本通達)の適用に関し、金融庁からの照会への回答(以下、本情報)を公表した。 本情報では、組合事業に係る利益等について、分配割合に応じた構成員課税(組合事業に係る利益等が株式等の譲渡に基づくものである場合には、株式等の譲渡による所得として分離課税)とする本通達の適用に必要な「経済的合理性」等の要件について、金融庁は、次の要件に該当する場合には、一般的には経済的合理性等を有しているとの見解を示し、国税庁は貴見のとおりで差し支えないとしている(各項目の詳細については本情報Ⅱ、具体的事例については本情報Ⅲを参照)。 また、合わせて金融庁ホームページでは「キャリード・インタレストの税務上の取扱いについて」と題する特設ページを公表、国税庁への照会・回答について周知したうえで、今後、キャリード・インタレストを受け取るファンドマネージャーが所得税の確定申告を行う際に確定申告書の添付書類として利用可能なチェックシートや所得の計算書を公表する予定としている。 なお、冒頭の「国際金融都市に向けた税制上の措置」としては他に、相続税・贈与税の納税義務者・課税財産の見直しや、特定投資運用業者の役員に対する業績連動給与の損金算入特例の創設なども織り込まれているが、金融庁ホームページではこちらの施策についてまとめた特設ページも新設している。 (了)

#No. 413(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2021/04/05

《速報解説》 税務関係書類の押印義務廃止、正式にスタート~様式を定めた通達の改正も相次ぎ公表~

《速報解説》 税務関係書類の押印義務廃止、正式にスタート ~様式を定めた通達の改正も相次ぎ公表~   Profession Journal編集部   令和3年度税制改正では、国税・地方税の税務関係書類について、原則として押印義務を廃止することとされ、既報のとおり、国税庁ホームページでは昨年12月に「押印を要しないこととする税務関係書類については、施行日前においても、運用上、押印がなくとも改めて求めない」とする取扱いが示されていた。 この押印義務廃止については、昨日(令和3年4月1日)以後に提出する税務関係書類から適用がスタートしたわけだが、国税庁は同日付で上記のホームページを更新、4月1日以降の手続等について周知を図っている。 同ホームページではまず、令和3年4月1日以降も押印(実印)及びその印鑑証明書の添付を要する書類(①担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類、②相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類)について、税務上、どの制度(特例)を適用する手続において必要となるか、一覧表で明らかにされている。 令和3年4月1日以降の手続における留意点としては、現在国税庁ホームページに掲載している申告書等の様式については、順次、押印欄のない様式へ更新する予定だが、まだホームページ上や税務署の窓口で配布されている押印欄の残っている様式についても、引き続き使用でき、その際も押印欄への押印は不要としている。また、押印が不要となった税務書類へ任意で押印することは問題ないものの、その押印の有無によって効力に影響が生じるものではないとしている。 なお、大綱の記載では明らかになっていなかったが、申告書等への税理士の押印については、所得税法等の一部を改正する法律(令和3年法律第11号)では第9条関係として税理士法33条《署名押印の義務》が改正され、こちらも押印の義務が廃止されている。 今回の様式見直しに伴い、下記の通り、各様式を定めた通達の改正も順次行われている。 (了)

#No. 413(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2021/04/02

《速報解説》 令和3年度税制改正に係る「所得税法等の一部を改正する法律」が3月31日付官報:特別号外第30号にて公布~施行日は原則4月1日~

《速報解説》 令和3年度税制改正に係る 「所得税法等の一部を改正する法律」が 3月31日付官報:特別号外第30号にて公布 ~施行日は原則4月1日~   Profession Journal編集部   令和3年度税制改正関連法が3月26日(金)の参議院本会議で可決・成立し、3月31日(水)の官報特別号外第30号にて「所得税法等の一部を改正する法律」が公布された(法律第11号)。施行日は原則令和3年4月1日(法附則第1条)。地方税関係の改正法である「地方税法等の一部を改正する法律」も官報同号にて公布されている(法律第7号)。なお特別号外第30号は、同日付けの他の官報から遅れ夜の公表となった。 今年度改正では、デジタルトランスフォーメーション(DX)やカーボンニュートラルの取組みを行う企業に対する税制措置や中小企業のM&Aを促進する各施策が創設された他、令和4年からの電子帳簿等保存制度の大幅緩和が実現する。なお、電子帳簿保存法の一部改正は上記所得税法等の一部を改正する法律に織り込まれているが(第12条関係)、DX投資促進税制等に係る「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」については、法案ミスの問題もあり、本稿公開時点では衆議院での審議中となっている。 *  *  * 以下では主な法律、政令、省令等の官報該当ページへのリンクを紹介する。 なお本誌では例年同様、主要な改正事項については毎週木曜日公開号において、専門家による解説記事を順次掲載するとともに、各府省庁・主な団体等より公表された令和3年度税制改正関連の情報については「令和3年度税制改正に関する《資料リンク集》」及び「新着情報」を随時更新していくので、そちらを併せて参照いただきたい。 また、税制改正大綱を受けた主な改正情報については、すでに本誌掲載済みの「令和3年度税制改正大綱」に関する《速報解説》 をご覧いただきたい。 官報:令和3年3月31日付(特別号外第30号)で公布された主な税制改正関連法令 法令のあらまし ◆所得税法等の一部を改正する法律 附則:施行期日・経過措置など 所得税法の一部改正(第1条関係) 所得税法施行令の一部を改正する政令 所得税法施行規則の一部を改正する省令 法人税法の一部改正(第2条関係) 法人税法施行令の一部を改正する政令 法人税法施行令等の一部を改正する政令の一部を改正する政令 法人税法施行規則の一部を改正する省令 法人税法施行規則等の一部を改正する省令の一部を改正する省令 相続税法の一部改正(第3条関係) 相続税法施行令の一部を改正する政令 相続税法施行規則の一部を改正する省令 消費税法の一部改正(第4条関係) 消費税法施行令等の一部を改正する政令 消費税法施行規則等の一部を改正する省令 国税通則法の一部改正(第5条関係) 国税通則法施行令の一部を改正する政令 国税通則法施行規則の一部を改正する省令 国税徴収法の一部改正(第6条関係) 国税徴収法施行令の一部を改正する政令 国税徴収法施行規則の一部を改正する省令 租税特別措置法の一部改正(第7条関係) ・所得税関係 ・法人税関係 ・相続税関係 ・登録免許税関係 ・消費税関係 ・酒税関係 ・たばこ税関係 ・揮発油税・地方揮発油税関係 ・石油石炭税関係 ・航空燃料税関係 ・自動車重量税関係 ・国際観光旅客税関係 ・印紙税関係 ・利子税等関係 租税特別措置法施行令等の一部を改正する政令(附則) ・所得税関係 ・法人税関係 ・相続税関係 ・地価税関係 ・登録免許税関係 ・消費税等関係 租税特別措置法施行規則等の一部を改正する省令(附則) ・所得税関係 ・法人税関係 ・相続税関係 ・地価税関係 ・登録免許税関係 ・消費税等関係 ・延滞税関係 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部改正(第8条関係) 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の施行に関する政令の一部を改正する政令 税理士法の一部改正(第9条関係) 税理士法施行規則の一部を改正する省令 沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部改正(第10条関係) 沖縄の復帰に伴う国税関係法令の適用の特別措置等に関する政令の一部を改正する政令 内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律の一部改正(第11条関係) 内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行令の一部を改正する政令 内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行規則の一部を改正する省令 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律の一部改正(第12条関係) 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行令 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則の一部を改正する省令 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部改正(第13条関係) 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律施行令の一部を改正する政令 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律施行規則の一部を改正する省令 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部改正(第14条関係) 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部改正(第15条関係) 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律施行令の一部を改正する政令 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律施行規則の一部を改正する省令 平成27年所得税法等の一部を改正する法律の一部改正(第16条関係) 平成28年所得税法等の一部を改正する法律の一部改正(第17条関係) 平成30年所得税法等の一部を改正する法律の一部改正(第18条関係) 令和2年所得税法等の一部を改正する法律の一部改正(第19条関係) 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律施行令の一部を改正する政令 租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律施行令の一部を改正する政令 租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律施行規則の一部を改正する省令 復興特別所得税に関する政令の一部を改正する政令 復興特別所得税に関する省令の一部を改正する省令 外国居住者等の所得に対する相互主義による所得税等の非課税等に関する法律施行規則の一部を改正する省令 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関する省令の一部を改正する省令 相続税の物納財産収納後の手続等に関する省令の一部を改正する省令 国税質問検査章規則の一部を改正する省令 国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令の一部を改正する省令 地方税法等の一部を改正する法律  ( 附 則 ) ・1条関係 ・2条関係 地方税法施行令等の一部を改正する政令(一〇七) 地方税法施行令の一部を改正する政令(一〇八) 地方税法施行規則等の一部を改正する省令(総務三四) 地方税法施行規則の一部を改正する省令(総務三五) ▷その他の主な関係法令・告示 ※告示については国税庁ホームページ等をご覧ください。 中小企業等経営強化法施行規則の一部を改正する省令 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則の一部を改正する省令 租税特別措置法施行規則第二十三条の三第二項に規定する設立団体等の証明に関する手続を定める件及び租税特別措置法施行令第四十条の四第二項及び第三項に規定する主務大臣の証明及び認定に関する手続を定める件の一部を改正する件 租税特別措置法施行規則第二十条第二十六項第一号又は第二十二条の二十三第二十六項第一号に規定する試験研究機関等の長又は当該試験研究機関等の属する国家行政組織法第三条の行政機関に置かれる地方支分部局の長の行う認定に関する手続に関する告示等の一部を改正する件 平成八年自治省告示第八十三号(地方税法施行令第五十二条の十の四に規定する研究開発を定める件)の一部を改正する件 地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律第二十五条の規定に基づく地域の成長発展の基盤強化に特に資するものとして主務大臣が定める基準等に関する告示の一部を改正する件 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の効力発生に関する件 所得税法施行規則第百二条第一項に規定する総収入金額及び必要経費に関する事項の簡易な記録の方法を定める件の一部を改正する件 所得税法第百八十九条第一項の規定に基づき、同項に規定する所得税法別表第二の甲欄に掲げる税額が算定された方法に準ずるものとして財務大臣が定める方法を定める件の一部を改正する件 所得税法施行規則第六十三条第五項に規定する保存の方法を定める件の一部を改正する件 法人税法施行規則第八条の三の十第三項(同令第二十六条の三第四項及び第三十七条の三の二第三項において準用する場合を含む。)及び第五十九条第三項(同令第二十六条の三第三項、第二十六条の五第二項、第三十七条の三の二第四項、第六十二条及び第六十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定に基づき、これらの規定に規定する保存の方法を定める件の一部を改正する件 地価税法施行規則第十条第三項に規定する保存の方法を定める件の一部を改正する件 登録免許税法別表第三の十九の二の項の規定に基づき、自己のために受ける登記等につき登録免許税を課さない独立行政法人等を指定する件の一部を改正する件 消費税法施行令第五十条第三項、第五十四条第五項、第五十八条第三項、第五十八条の二第三項及び第七十一条第五項並びに消費税法施行令等の一部を改正する政令附則第六条第二項並びに消費税法施行規則第五条第三項及び第十六条第三項の規定に基づき、これらの規定に規定する保存の方法を定める件の一部を改正する件 租税特別措置法第十一条第一項及び第四十三条第一項の規定の適用を受ける期間を指定する件を廃止する件 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法第二十九条第一項第二号の規定に基づき、同号に規定する所得税法第百八十九条第一項に規定する財務大臣が定める方法及び復興特別所得税の額の計算を勘案して財務大臣が定める方法を定める件の一部を改正する件 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則第三条第五項第六号ニに規定する国税庁長官が定めるところを定める件の一部を改正する件 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則第三条第六項に規定する国税庁長官が定める書類を定める件の一部を改正する件 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行規則に基づく国税関係手続に係る個人番号利用事務実施者が適当と認める書類等を定める件の一部を改正する件 国税通則法施行規則第十五条第一項に規定する国税庁長官が定める書類を定める件の一部を改正する件(同八)659 国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令第五条第一項第二号に規定する国税庁長官が定める者を定める件の一部を改正する件 国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令第五条第二項第三号に規定する国税庁長官が定める添付書面等及び国税庁長官が定めるものを定める件の一部を改正する件 国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令第五条第二項第四号に規定する国税庁長官が定める添付書面等を定める件の一部を改正する件 国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令第五条第三項、法人税法施行規則第三十六条の三の二第六項及び第三十七条の十五の二第六項、地方法人税法施行規則第八条第六項並びに消費税法施行規則第二十三条の四第五項の規定に基づき国税庁長官が定めるファイル形式を定める件の一部を改正する件 国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令第五条第四項に規定する国税庁長官が定める添付書面等を定める件の一部を改正する件 国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令第五条第四項に規定する国税庁長官が定める期間を定める件の一部を改正する件 国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令第九条第二項に規定する国税庁長官が定める処分通知等を定める件 国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令第五条第七項に規定する国税庁長官が定める者を定める件 国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令第五条第七項に規定する国税庁長官が定める場合を定める件 国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令第五条の二第一項に規定する国税庁長官が定める申請等を定める件 国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令第五条の二第二項に規定する国税庁長官が定めるファイル形式を定める件 国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令第五条の二第三項に規定する国税庁長官が定める期間を定める件 租税特別措置法施行令第六条の四第二項第一号及び第二十八条の十第二項第一号に規定する厚生労働大臣が定める要件等の一部を改正する件 租税特別措置法第十二条の二第一項及び第四十五条の二第一項の規定の適用を受ける機械及び装置並びに器具及び備品を指定する件の一部を改正する件 消費税法施行令第十四条の三第七号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する資産の譲渡等の一部を改正する件 租税特別措置法施行令第二十二条の八第十八項第一号イ⑷及びロ⑷並びに第三十九条の五第十九項第一号イ⑷及びロ⑷の規定に基づく経済産業大臣が財務大臣と協議して定める基準の一部を改正する件 租税特別措置法第十一条第一項の表の第四号及び第四十三条第一項の表の第四号の規定の適用を受ける機械その他の減価償却資産を指定する件を廃止する告示 租税特別措置法第十条の二第一項各号及び第四十二条の五第一項各号の規定の適用を受ける機械その他の減価償却資産を指定する件を廃止する告示 租税特別措置法施行令第二十条の二第九項等の規定に基づく国土交通大臣が財務大臣と協議して定める基準の一部を改正する件 租税特別措置法第十一条第一項の表第二号及び第四十三条第一項の表第二号の規定の適用を受ける船舶を指定する告示の一部を改正する告示 租税特別措置法第三十七条第一項の表第八号及び第六十五条の七第一項の表第八号の規定の適用を受ける船舶を指定する告示の一部を改正する告示 地方税法施行規則の規定に基づき、国土交通大臣が総務大臣と協議して定める書類を定める件 地方税法施行規則の規定に基づき、国土交通大臣が総務大臣と協議して定める書類を定める件 地方税法施行規則の規定に基づき、国土交通大臣が総務大臣と協議して定める書類を定める件 地方税法施行規則附則第三条の二の二十第一項の規定に基づき、平成三十年国土交通省告示第九百十三号の一部を改正する告示を定める件 租税特別措置法施行令に規定する国土交通大臣の証明に関する手続を定める告示の一部を改正する件 地方税法施行規則の一部を改正する省令の施行に伴い、令和二年国土交通省告示第八百五十号の一部を改正する告示を定める件 (了)

#No. 413(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2021/04/01

プロフェッションジャーナル No.413が公開されました!~今週のお薦め記事~

2021年4月1日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.413を公開! - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2021/04/01

monthly TAX views -No.99-「デリバティブ取引と租税回避」

monthly TAX views -No.99- 「デリバティブ取引と租税回避」   東京財団政策研究所研究主幹 森信 茂樹   本連載のNo.96で「2021年度税制改正、キャリードインタレストの取扱いに注目」と題し、国際金融都市に向けたわが国金融所得税制の整備について取り上げたところだが、今回も長年議論が続いている金融所得税制の課題について触れたい。 2021年度与党税制改正大綱の「検討事項」には、以下のような記述がある。 与党大綱の「検討事項」に「早期に検討する」と記されるのは異例ともいえ、本件の重要性や緊急性を物語っている。 *  *  * 金融所得一体課税は、上場株式の譲渡損と配当の損益通算から始まったが、2016年には、特定公社債の利子も損益通算ができるように拡充された。これにより、株式譲渡益、配当、利子所得の一体課税が、まがりなりにも完成した。 一方、デリバティブ取引については、雑所得として申告分離課税が認められたものの、上場株式など他の金融所得との損益通算・一体課税は認められていない。 その理由として、これまでの税制改正大綱は、「多様なスキームによる意図的な租税回避行為を防止するための実効性ある方式の必要性」を挙げてきた。 デリバティブ取引は、売りと買いを両建てにして期末に損失の出ている方を実現させ他の譲渡益と相殺するストラドル取引を行うことによって、容易に租税回避が行われるということへの懸念である。 *  *  * このような租税回避に対して米国は、「ポジションを時価評価する」という制度を導入している。具体的には、期末の時点で決済されたものとして含み損益を認識させる制度で、これによりストラドル取引による租税回避を防止することが可能となる。 つまり、「時価評価課税」が、租税回避防止の実効性ある具体的方策に当たるのではないか、というのが上記与党大綱の意味するところである。 金融所得を幅広く損益通算して金融所得一体課税を進めていくことは、個人投資家のリスクテイクを促進する効果があり、広く国民の資産形成を支援していくことにもつながる。 ぜひ年末の税制改正で実現してほしい項目である。 (了)

#No. 413(掲載号)
#森信 茂樹
2021/04/01

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例28】「従業員が窃取した棚卸資産の販売に関する損害賠償請求権と貸倒損失」

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例28】 「従業員が窃取した棚卸資産の販売に関する損害賠償請求権と貸倒損失」   国際医療福祉大学大学院教授 税理士 安部 和彦   【Q】 私は、首都圏近郊のある市に本社を置く事務機器販売会社A株式会社で総務部長をしております。わが社は企業向け事務機器を扱っているため、取引先は企業のみですが、扱う品目数は膨大であるため、在庫管理はすべてコンピュータで行っています。 現在の在庫管理システムが導入されたのはちょうど1年ほど前で、これは数年前に起こった従業員による在庫の横流し事件を契機に、旧システムの更新という形で行われたものでした。旧システムの下では、チェック体制の不備により、在庫管理を担当している者(法人経理には一切関与していない)が虚偽の入力をして商品を簿外とすることが可能であったため、その商品を個人的にインターネットオークションサイトに出品して販売することにより、懐を肥やすようなケースがあったのです。 その際、A社としては、従業員B(事件発覚後懲戒解雇)が行った、A社の有する棚卸資産を窃取し個人的にインターネットオークションサイトに出品して販売益を得る行為からは損害が生じており、当該損害につきA社はBに対し損害賠償請求権を有しているものと解しております。実際、A社はBに対し、先日、損害賠償請求訴訟を提起しており、現在も当該訴訟が継続中です。 ただし、Bはギャンブルで多額の借金を抱えており、その返済に困って当該窃取を行ったことから、仮にBに対する損害賠償請求権が認められたとしても、その回収は困難であると想定されます。 そのためA社は当該事件につき、Bに対する損害賠償請求権の全額が回収不能と判断して、その金額を全額損金算入しております。 ところが先日の税務調査で調査官は、Bがインターネットオークションサイトで得た収益をA社の法人税の申告上益金に算入していないのは、仮装隠蔽行為にあたるとして、重加算税を賦課すべき事案であると主張しました。Bは犯行が発覚することを隠すため、システム上は商品が廃棄等されたように工作しており、少なくともA社の法人税の申告時にはBの行為はA社の誰も把握しておりませんでした。そのため、A社はBの行為を隠蔽しようもないといえますので、重加算税の賦課は到底容認できるものではないと考えますが、いかがでしょうか。 【A】 A社に知られないようにBがA社の商品を窃取し、それをインターネットオークションサイトで販売した場合には、Bの当該不正行為がA社のBに対する損害賠償請求権の発生原因事実そのものといえますが、法人経理には一切関与していないBの行為をもって、A社が当該損害賠償請求権の発生原因事実を隠蔽したと評価することは困難であり、重加算税の賦課は違法になるものと考えられます。 一方、Bに対する損害賠償請求権の全額が回収不能と判断して、その金額を全額損金算入したA社の経理処理については、Bの支払能力についてさらに精査したうえで判断することとなるでしょう。 ■ ■ ■ 解 説 ■ ■ ■ (1) 従業員による法人の棚卸資産の窃取と損害賠償請求権 法人においてその従業員による横領等の行為、例えば本件のように、在庫管理を担当している従業員が法人の在庫管理システムに虚偽の入力をして商品を簿外とすることにより、その商品を個人的にインターネットオークションサイトに出品して販売するようなことがあった場合には、法人の当該従業員に対する損害賠償請求権が問題となる。 損害賠償請求権については、まずその年度帰属について権利確定主義の観点からの検討が必要となる。これについては、従業員の詐欺事件(架空外注費)に関する裁判例では、損害賠償請求権に係る益金の計上時期は、当該請求権が発生した事業年度や法人がそれを知った事業年度(※1)ではなく、その法人の会計担当役員が通常人の注意義務をもってすれば従業員の詐欺の存在と内容を認識し得た事業年度に算入すべきとされている(東京高裁平成21年2月18日判決・訟月56巻5号1644頁・TAINSコード:Z259-11144)。この場合、架空外注費を損金から控除するとともに詐取行為による損害額を損金算入することが必要となり、原則としてその損害が生じたときにその金額を損金に計上し、同時に損害賠償請求権に係る益金を計上することとなる(同時両建説)。 (※1) 東京高裁平成21年2月18日判決の原審の東京地裁平成20年2月15日判決・判時2005号10頁はこの立場を採る。 また、損害賠償請求権に関し、その事業年度末において当該請求権の全部又は一部が確実に・・・回収不能であると認められる場合には、回収不能の金額を損金に算入することが認められるものと解されている(※2)。 (※2) 金子宏『租税法(第二十三版)』(弘文堂・2019年)359頁参照。 上記を図示すると以下のようになるものと考えられる。 〇 従業員による横領等の行為があった場合の法人の損害賠償請求権とその計上時期   (2) 従業員による法人の棚卸資産の窃取と仮装・隠蔽の有無 次に、本件のように、法人においてその従業員による横領等の行為があった場合で、それから得られた収益が法人の帳簿書類に記載されていないときには、課税庁は法人がその事実を隠蔽又は仮装していたと認定し、重加算税を賦課するケースが見られるので、その適否を以下で検討する。 従業員の横領等の行為は個人の行為であり、法人自身の行為ではないため、そのような個人の行為に起因する仮装・隠蔽行為を法人の行為と同視し重加算税を賦課することは許されないという考え方も成り立つだろう。これについて裁判所は、広島高裁平成26年1月29日判決・訟月61巻4号811頁(TAINSコード:Z264-12401)において、元常務は、法人の代表権は有していなかったものの、社長、専務に次ぐ有力役員として、また、同族企業の創業者一族の一員として、法人の経営に大きな影響力を有していたものと認められ、特に法人の有力事業部門の一角であるC支店の業務については、社長から包括的に一任されていたものであるから、元常務がC支店の業務として行った本件架空取引(事実の仮装)については、重加算税の課税要件に関して、「納税者である法人自身の行為と同視し得るものというべき」である、と判示している。 一方、経理担当者が法人の金銭につき横領等をし、それを隠蔽するため売上除外・架空経費の計上等を行った場合には、その金銭は法人から流出して当該経理担当者の管理支配下にあり所得となっているのであるから、法人の売上除外等に基づく申告は、納税義務者である法人自身による課税要件事実の隠蔽・仮装によるものとはいえず、重加算税の賦課は違法であるとする学説がある(※3)。 (※3) 金子前掲(※2)891頁参照。 これについて裁判例では、前述の東京高裁平成21年2月18日判決・訟月56巻5号1644頁(TAINSコード:Z259-11144)において、法人の経理責任者Dが隠蔽・仮装行為をし、法人は、それに基づき架空外注費を計上して確定申告を行った場合に関し、法人の経理担当役員が外注先への振込依頼等の決裁時にその内容を確認すれば容易にDの隠蔽・仮装行為を認識することができ、また、認識すればこれを防止や是正するか、又は過少申告しないように措置することが十分可能であったのであるから、Dの隠蔽・仮装行為をもって、法人の行為と同視するのが相当である。したがって、本件に重加算税を課したことに違法はない、と反対の立場を示している。 同様に、大阪高裁平成13年7月26日判決・訟月48巻10号2567頁(TAINSコード:Z251-8954)で裁判所は、法人が一従業員に重要な経理帳簿の作成等を全面的に任せ、納税の際にも当該従業員が作成した経理帳簿等に基づき作成された総勘定元帳や決算書類等で申告を行ったところ、これらの経理帳簿等に虚偽の記載が存在した結果、過少申告となった場合には、客観的にみて、法人自身が仮装・隠蔽の事実に基づく申告をなしたことになったのであるから、重加算税賦課の要件を満たしていると判示している。 学説と裁判例との違いは、不正行為の実行者が経理の責任者であるか否かの違いではないかと考えられ、経理の責任者が行った行為は、それが個人的な不正行為であっても、それを隠蔽した場合には、法人が隠蔽したものと同視して重加算税の賦課が容認されるということであろう。   (3) 従業員による法人の棚卸資産の窃取に係る損害賠償請求権が問題とされた事例 それでは、本件のように、従業員による法人の棚卸資産の窃取に係る損害賠償請求権及びその事実の隠蔽について問題となった事例では、上記(1)及び(2)がどのように判断されたのであろうか。裁決事例(国税不服審判所令和元年5月16日裁決・TAINSコード:J115-3-10)があるので以下でみていくこととする。 ① 事案の概要 本件は、農業機械機具の販売等を行うE社の従業員であった者(元従業員F)が、E社の仕入れた商品を窃取してインターネットオークションで販売した取引による収益について、原処分庁が、当該収益はE社に帰属するものであり、E社は当該収益を帳簿書類に記載せず隠蔽していたなどとして、法人税の青色申告の承認の取消処分、法人税等及び消費税等の更正処分並びに重加算税等の賦課決定処分をしたのに対し、E社が、当該収益はE社には帰属するものではないなどとして、原処分の全部の取消しを求めた事案である。 ② 本件の主要な争点 ③ 審判所の判断 争点1 争点2 争点3 ④ 本裁決事例から学ぶこと 法人は自然人から独立した別人格であり、法人と法人の従業員(自然人)も別人格であるため、法人の従業員の行為は、本来、法人の行為とは独立しているはずである。したがって、従業員が行った不正行為につき自らが隠蔽を行ったため、法人の申告上、そこから得られるべき収益の計上が漏れていたときであっても、法人が自ら隠蔽していたと解することはできず、重加算税の賦課は認められないこととなる。この見解は、前述(2)の学説(金子説)と符合する。 一方、そのような場合であっても、仮に、法人の経理部長のような経理責任者の地位にある者が、法人から商品を窃取し、それをインターネットのオークション等で売りさばく行為を行って、その収益を法人の帳簿から除外したときには、当該従業員の隠蔽行為は法人の行為と同視され得るといえる。要するに、従業員の個人的な不正行為を隠蔽する行為が法人の行為と評価されるためには、その従業員が法人の経理責任者としての地位を有することが必要といえる。これは、前述の大阪高裁平成13年7月26日判決・訟月48巻10号2567頁(TAINSコード:Z251-8954)の判示内容と符合する。 なお、E社の元従業員Fに対する損害賠償請求権の金額につき、各事業年度の損金の額に算入すべき貸倒損失があるかについては、基本的に元従業員の支払能力の有無により判断することとなる。   (4) 本件への当てはめ A社に知られないようにBがA社の商品を窃取しそれをインターネットオークションサイトで販売した場合には、Bの当該不正行為がA社のBに対する損害賠償請求権の発生原因事実そのものといえるが、法人経理には一切関与していないBの行為をもって、A社が当該損害賠償請求権の発生原因事実を隠蔽したと評価することは困難であり、重加算税の賦課は違法になるものと考えられる。 一方、Bに対する損害賠償請求権の全額が回収不能と判断して、その金額を全額損金算入したA社の経理処理については、Bの支払能力についてさらに精査したうえで判断することとなる。 (了)

#No. 413(掲載号)
#安部 和彦
2021/04/01

租税争訟レポート 【第54回】「税理士に対する損害賠償請求事件(東京地方裁判所令和2年7月30日判決)」

租税争訟レポート 【第54回】 「税理士に対する損害賠償請求事件 (東京地方裁判所令和2年7月30日判決)」   税理士・公認不正検査士(CFE) 米澤 勝   【判決の概要】   【事案の概要】 被告Y1は、原告会社の顧問税理士として税務申告業務等を行うとともに、コンサルティング業者である被告会社の代表取締役として、原告会社の事業承継等についてのコンサルティング業務等に携わっていた。 本件は、原告会社及び同原告の代表取締役であった亡A(以下「A」という)を相続した承継人(以下、原告会社と承継人をあわせて「原告ら」という)が、上記業務等に関し、被告Y1の詐欺による報酬の不正請求があったなどと主張して、被告らに対し、不法行為等に基づく損害金の支払を求める事案である。   【判決の概要】 本件判決では、下記のとおり争点が多岐にわたるため、裁判所の判断を中心に判決の概要をまとめ、原告及び被告の主張については、その中で適宜補っていくこととしたい。 1 争点 本事案における争点は以下のとおりである。 2 被告Y1及び被告会社が受領した報酬の一覧 上記1の各争点と被告が受け取った報酬額、裁判所の判断を一覧表にしたものは、次のとおりである。 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 (※) 裁判所が主張を認めた項目について、原告・被告それぞれに「〇」を付している。 3 東京地方裁判所の判断 前掲表のとおり、原告と被告との間の月額顧問契約は、いわゆる税理士報酬である記帳代行などの顧問契約と資産税のコンサルティング契約が同額で並立していたが、原告からの支払は月額52万5,000円のみであり、この支払額を巡って、原告と被告の間には対立があった。 原告らは、「被告Y1が税理士としての毎月の記帳代行業務を怠っていたことをもって、この顧問報酬は、資産税コンサルティング報酬であった」として、〔争点1-1〕から〔争点1-5〕に係る資産税コンサルティング報酬との重複を主張していたが、裁判所は、被告Y1が、原告会社から、顧問契約に基づく税理士報酬として月次報酬を受領していたことがうかがわれると認定して、毎月の顧問報酬の支払は、資産税のコンサルティング契約に係るものではないという判断を下した。この判断を前提に、裁判所が、各争点についてどのような判断を下したのかを見ていきたい。 (1) 争点1-1(株価引き下げ業務に関する争点)について 裁判所は、前提条件のとおり、「原告会社の株価引き下げ業務及び生前贈与業務」の報酬は、「資産税コンサルティング顧問契約」に係る報酬と重複するものではないことを明らかにしたうえで、株価引き下げ業務の目的や経緯は合理的なものであり、実際に、原告会社では、役員退職慰労金規定の制定、Aの取締役辞任と退職慰労金等の受領、Cに対する本件株式の贈与が実現し、同株式の価額は前決算期から7分の1以下に下落して相当の贈与税軽減効果が発生したことを認めた。 さらに、報酬は高額であるが(合計1,816万5,000円)、税効果の4%相当という算定根拠は、社会的相当性を逸脱するほどではない。また、この報酬は、Cと被告Y1との間の交渉を経て分割払いされており、Bがだまされて支出したものでもないことから、被告会社による一連の報酬の請求、受領に不当性、不合理性は認められないという事実認定を行った結果、株価引き下げ業務につき、被告Y1が重複請求を企て、その報酬を詐取したと認めることはできないと結論づけた。 (2) 争点1-2(欠損金の繰戻還付支援に関する争点)について 裁判所は、被告Y1が、還付請求書の作成業務として、報酬の支払を請求し、これを受領した点については、欠損金の繰戻還付による法人税の還付請求に当たり、書面添付制度を利用して、還付請求書の作成に付随する業務を行ったこと、報酬のうち157万5,000円は税理士としての顧問契約に基づく決算報酬年額であり、それ以外の107万5,660円が不相応に高額ではないことなどを考慮すると、被告Y1がこの報酬部分を詐取したと認めることはできないという判断を示した。 一方、欠損金の繰戻還付支援業務の成功報酬(還付金の10%相当)に係る報酬については、独自の業務実態が認められず、還付請求書の作成業務に係る報酬との重複請求であり、その額は約1,200万円と不相応に高額であり、還付金額は税理士の能力等に左右されないのに、被告会社がその10%もの報酬を受領する合理的根拠を見出し難いという判断を示した。さらに、平成25年当時、原告会社は順調に利益を上げており、資金繰りに不安はなかったから、会計上、欠損金の繰越控除を選択することも可能であったにもかかわらず、被告Y1は、あえて繰戻還付を選択し、しかも業務実態のない高額報酬を請求したのであり、この点に報酬目当てという不正な動機もうかがわれると見解を述べたうえで、欠損金の繰戻還付支援業務の成功報酬の請求は不当性、不合理性が著しいというべきであり、被告Y1が同報酬を詐取したと認められるという判断を示した。 こうした判断の結果、裁判所は、欠損金の繰戻還付支援業務の成功報酬相当額1,200万1,433円について、被告Y1は不法行為責任に基づき、被告会社は、役員等の第三者に対する責任及び代表者の行為についての責任に基づき、原告会社に対し、損害賠償義務を負うと結論づけた。 (3) 争点1-3(納税猶予支援業務に関する争点)について 裁判所は、事実認定として、平成25年4月期末において、原告会社の総資産に対し現預金が占める割合は約61%であったが、平成25年8月に約1億1,429万円の法人税の繰戻還付を受けて現預金が増加したため、その頃以降、同割合が約76%に達し、原告会社は資産保有型会社に該当し、納税猶予の取消事由が発生していた点をまず挙げた。そのうえで、被告Y1は、その後に行った納税猶予の申告において、原告会社を資産保有型会社に該当するものと扱わず、上記割合を約61%のままにしていたのであり、納税猶予の取消事由が発生していたことを見落としていたと認めることができるとともに、原告会社に対し欠損金の繰戻しによる法人税の還付を受けることを提案して実行したのは被告Y1自身であったことを考慮すると、この見落としに同被告の重大な過失があったというべきであるという判断を示した。 さらに、裁判所は、そもそも、被告Y1において、当初から原告会社が資産保有型会社に該当することを認識していたのであれば、納税猶予の申告はおよそ無駄なことであり、継続要件の有無等を検討するまでもなかった。それにもかかわらずあえてこれを申告したうえで、業務報酬を取得しつつ、継続要件を検討していたことを再確認する旨の同意書を取り付けるというのは、極めて不自然な経緯といわざるを得ないと判断を示した。 その結果、裁判所は、贈与税の納税猶予の実行支援業務に係る報酬相当額合計845万9,220円につき、被告Y1は不法行為責任に基づき、被告会社は、役員等の第三者に対する責任及び代表者の行為についての責任に基づき、原告会社に対し、損害賠償義務を負うとし、さらに、被告会社の善管注意義務違反の有無については判断を要しないと結論づけた。 (4) 争点1-4(株式交換による組織再編業務に関する争点)について 裁判所は、被告会社と原告会社間の株式交換による組織再編業務にかかる委嘱契約について、株式交換は実行されており、同交換による組織再編業務は、業務実態のないものではなかったし、被告Y1は、当初の計画に沿って、新会社(株式会社G)の設立、株式交換等を実行し、株価再上昇の影響をCの相続税に及ばないようにしたことから、株式交換による組織再編業務につき、被告Y1が株式交換による組織再編業務にかかる委嘱契約に係る報酬を詐取したと認めることはできないとした。 一方、裁判所は、株式交換による組織再編業務の主要な目的は、Cの死亡後の相続税の軽減を図ることであったが、 などの事情を考慮すれば、株式交換による組織再編業務は、平成25年ないし翌26年頃に提案して実行する必要性がなく、税効果も不確かで、意味合いの乏しいものであったというほかないという判断を示した。 そして、裁判所は、被告会社は、無意味な業務をあえて実行したことにより不相応に高額の報酬を取得したのであり、暴利行為があったと認めることができるとして、株式交換による組織再編業務にかかる委嘱契約は、暴利行為により無効であり、当該委嘱契約に係る報酬相当額1,374万6,600円の損失につき、被告会社は、原告会社に対し、不当利得返還義務を負うと結論づけた。 (5) 争点1-5(一般社団法人活用支援業務に関する争点)について 裁判所は、本争点である一般社団法人活用支援業務については、提案にかかる税効果が発生したか否かを論ずる以前に、被告会社は、予定していたフェーズ1から同8までの8段階のうち同1(受け皿会社である新法人の設立)のみを実行したにとどまるから、報酬の大部分を取得する根拠を欠くといわざるを得ないという見解を示した。そのうえで、一般社団法人活用支援業務が未履行に終わったことから、被告会社が原告会社の信頼を失ったことは明らかであり、委嘱契約の債務の未履行分は、被告会社の責に帰すべき事由により履行不能になったといえ、被告会社は、委嘱契約の債務の未履行分に相当する報酬相当額合計1,984万6,000円につき、原告会社に対し、委任契約上の債務不履行に基づく損害賠償義務を負うと結論づけた。 また、裁判所は、一般社団法人活用支援業務は、A所有の事業用不動産を新法人に移転するとの内容を含むものであり、不動産移転業務等の成功報酬はこれと重複するものであるうえ、被告Y1は、不動産仲介業者ではないのに、原告会社から、約650万円の仲介報酬を受領しており、これは極めて不当というべきであると事実認定を行ったうえで、被告Y1は、同じ内容の業務を重ねて提案し、被告会社において報酬を請求して受領したのであり、不当性、不合理性は著しく、不動産移転業務等の成功報酬を詐取したと認めることができるから、この報酬相当額473万7,000円については、被告Y1は不法行為責任に基づき、被告会社は、役員等の第三者に対する責任及び代表者の行為についての責任に基づき、原告会社に対し、損害賠償義務を負うと結論づけた。 (6) 争点1-6(地方税の繰戻還付請求に関する争点)について 裁判所はまず、被告Y1は、平成26年4月期及び翌27年4月期の2期連続で、Bに対し、地方税である法人都民税等については欠損金の繰戻還付制度が存在しないにもかかわらず、その還付を受けると説明したうえ、被告会社において「欠損金の繰戻還付支援の法人税還付支援コンサルティング」につき還付額の10%相当の報酬を請求して受領したが、その際、確定申告では、2期ともに、納付の必要のない法人地方税をいったん納付し、その還付を受けることを繰り返したという事実認定を行った。 そのうえで、原告ら訴訟代理人の主張どおり、法人地方税の誤納付と還付を、コンサルティング業務としての法人地方税の繰戻還付を請求したものと装ってBをだまし、原告会社から地方税の繰戻還付請求に係る報酬を詐取したと認めることができることから、地方税の繰戻還付請求に係る報酬相当額合計504万8,540円(被告会社から原告会社に返還した7,560円を控除した後の金額)について、被告Y1は不法行為責任に基づき、被告会社は、役員等の第三者に対する責任及び代表者の行為についての責任に基づき、原告会社に対し、損害賠償義務を負うと結論づけた。 (7) 争点1-7(ふるさと納税に関する争点)について 裁判所は、ふるさと納税制度について、納付税額が下がっても、その分の寄付金が支払われており、返礼品の受領を除けば利益は存在しないのであるが、それにもかかわらず、被告会社が地方税寄付金(ふるさと納税)の還付支援、地方税寄付金支援コンサルティングとして、302万9,400円もの報酬を受領したことは、合理性を欠くものであるとの見解を示した。 しかし、ふるさと納税事務代行の経緯は、被告Y1が、A及びBのクレジットカード番号を聴き取ってメモしたこと、Bの了解を得て返礼品を同被告の事務所で預かったこと、C及びDほか1名がふるさと納税を行わないことになったため、受領済みの報酬から93万3,000円を返還することとし、一般社団法人活用支援業務にかかる報酬を受領するに当たり、同額を減額して報酬の調整を図ったことは、被告らの主張に合致することから、被告Y1に原告らの主張のような詐欺が成立すると認めることはできないというべきであると結論づけた。 (8) 争点2(顧問契約解除後の自動引落しに関する争点)について 裁判所の認定した事実によれば、被告Y1は、契約解除後に委託を受けたのは平成28年4月期の決算業務のみであり、本件顧問契約のうち記帳代行業務等の部分は同解除により終了していたから、同契約上の月次報酬相当の合計108万円の返還を拒む正当な理由がなく、不法行為が成立することは明らかであることから、裁判所は、被告Y1は、原告会社に対し、契約解除後の月額報酬のうち108万円につき、不法行為に基づき、損害賠償義務を負うと結論づけた。 (9) 争点3(遺言書作成支援業務に関する争点)について 裁判所は、その認定した事実の経緯から、遺言書が作成されなかった点について、被告Y1の不当性、不合理性はうかがわれないと判断し、Aの遺言作成支援業務については、被告Y1による報酬の詐取があったとは認められないと結論づけた。 (10) 争点4(被告Y3及び被告Y2に関する争点)について 裁判所は、被告会社が税理士兼公認会計士である被告Y1の個人会社であり、その意思決定等はすべて被告Y1が行っていたことなどにかんがみ、被告Y3及び被告Y2は、被告会社の取締役に就任後、代表取締役である被告Y1の故意による詐欺(地方税の還付支援業務及び一般社団法人活用支援業務における詐欺)が認められる範囲の報酬相当ないし重大な過失による任務懈怠(納税猶予支援業務における重過失)が認められる範囲の損害につき、任務懈怠ないし被告Y1の業務執行に対する監視義務違反の責任を負うと認めるのが相当であると結論づけた。   【解説】 判決文の中に、原告会社は、「痛くない注射針」の加工メーカーとして世界的に著名であるという記述があることから、また、同じく、判決文の中にある、「原告会社は、平成28年頃以降、注射針の加工業をFに対し徐々に移管し、その後、Aは原告会社の事業承継を行わず、廃業した」という記述も、2018年3月13日、日本経済新聞電子版で公開された記事(※)とも合致するため、原告は、岡野工業株式会社と、その創業者で代表社員の岡野雅行氏であったことが推察できる。 (※) 2018年3月13日付日本経済新聞電子版「「痛くない注射針」の岡野工業、家族に引き継がない理由」参照。 1 被告税理士による資産税コンサルティング 被告税理士は、被告会社の事業承継を円滑にし、かつ、贈与税負担を抑えるために矢継ぎ早な施策を提案し、原告らと契約を締結、報酬を受領してきた。 原告会社代表取締役に多額の退職慰労金を支給して、株価を引き下げ、後継者である長女に株式を生前贈与するという〔争点1-1〕に違法性がないことは裁判所も認めるとおりであり、同時に、贈与税の納税猶予を支援する、〔争点1-3〕に係るコンサルティン業務についても、提案時には妥当なものであった。 ところが、被告税理士は、退職慰労金の支給によって多額の損失が発生した原告会社に、法人税の繰戻還付を提案し、その成功報酬までを重複請求する。当時、原告会社は順調に利益を上げており、資金繰りに不安はなかったから、欠損金の繰越控除を選択することが可能で、繰越控除を選択していれば、贈与税の納税猶予の取消し事由が発生することもなかったと思料する。にもかかわらず、繰戻還付を提案したのは、報酬に目がくらんだとしか考えられず、裁判所も、この成功報酬請求については、「不当性、不合理性が著しいというべきであり、被告Y1が同報酬を詐取したと認められる」と断じている。 そして、繰戻還付の結果、原告会社が資産保有型会社に該当することとなったため、贈与税の納税猶予の取消事由が発生し、これを見落としたことに、被告税理士は重大な過失があると、裁判所は判断したものである。 2 地方税の繰戻還付請求 本事案の中で、最も悪質であろうと考えるのが、「法人地方税の繰戻還付」を偽装した成功報酬の請求である〔争点1-6〕。裁判所は、被告税理士が、「確定申告では、2期ともに、納付の必要のない法人地方税をいったん納付し、その還付を受けることを繰り返した」と認定し、被告税理士の「単純な誤記であり、意図的なものではなかった」という主張を一蹴したうえで、被告税理士は、法人地方税の誤納付と還付を、コンサルティング業務としての法人地方税の繰戻還付を請求したものと装ってB(当時の原告会社の代表取締役)をだまし、原告会社から報酬を詐取したと認めることができるという判断を示したものである。 3 被告会社の取締役の責任 判決は、被告会社の取締役であったY2及びY3に対しても、厳しいものとなった。 裁判所は、被告会社が税理士兼公認会計士である被告Y1の個人会社であり、その意思決定等はすべて被告Y1が行っていたことを認めながら、代表取締役である被告Y1の故意による詐欺及び重大な過失による任務懈怠から生じた原告会社の損害につき、被告Y2と被告Y3に連帯して、5,014万2,720円及びこれに対する利息の支払を命じた。その理由は、「取締役としての任務懈怠ないし被告Y1の業務執行に対する監視義務違反」である。おそらく被告税理士の業務についてほとんど理解していなかったであろう、被告税理士の父親と妻にとって、「取締役の名義を貸した」代償は大きかった。   (了)

#No. 413(掲載号)
#米澤 勝
2021/04/01
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